映像や写真、音楽などメディアを制作するクリエイター向けのPCは、一般用途向けPCよりも高いパフォーマンスが求められる。さらに、近年では高いパフォーマンスのCPUやGPUがノートPCにも搭載可能になり、クリエイター向けノートPCというジャンルが形成されてきた。

用途に合わせてカスタマイズ可能なBTOパソコンを販売する、マウスコンピューターでは、いち早くクリエイター向け市場に着目し、2016年よりクリエイター向けブランド「DAIV」を展開している。ノートPCも利用目的に合わせて、モバイルノートPCから高性能スペックのノートPCまで幅広いラインアップがある。

今回紹介する15.6型ノート「DAIV 5N」は、高パフォーマンスなスペックでクリエイティブ制作を快適にし、15.6型のコンパクトなボディで出先でのプレゼンもはかどるモデル。それでいて、標準構成で約179,800円(税別)と手の出しやすい価格を実現し、抜群のコストパフォーマンスを誇っている。

まずはスペックから紹介していこう。CPUはIntel Core i7-10875H。最新の第10世代CPUで8コア/16スレッドとなっている。ここ数年、モバイル分野でも4コア→6コア→8コアと、CPUのコア数が増加しており、性能もそれに比例して向上している。クリエイターにとって重要なのはマルチコア/スレッド数だ。映像制作にせよ音楽制作にせよ、ソフトウェアのマルチコア/スレッド化が進んでいる。ノートPC分野に関していえば、一世代違うだけでもパフォーマンスは大きく変わるため、力不足を感じたら買い換え時だ。

  • 最新世代の8コア16スレッドCPU「Core i7-10875H」

  • マルチスレッド性能は高く、ノートPCでありながらCINEBENCH R20のCPUスコアは、デスクトップPCに見劣りしない4215ptsを記録

GPUはNVIDIA GeForce RTX 2060。リアルタイムレイトレーシングなど最新機能を搭載したRTXシリーズアッパーミドルGPUだ。非3Dのコンテンツ制作でも現在はGPUを汎用演算に利用するアプリケーションが増えており、アッパーミドルクラスの高性能GPUがそうした演算を高速に処理してくれる。

  • 高性能なGeForce RTX 2060を搭載。低負荷時には消費電力が小さいCPU内蔵GPUに切り替わる

  • 3D性能の代表的ベンチマークである3DMarkのスコア。左はFire Strikeテスト、右はTime Spyテスト

3DMark各テストのスコア
Time Spy 6804 DirectX 12
Night Raid 40524 DirectX 12軽量
Fire Strike 41922 DirectX 11
Sky Diver 16305 DirectX 11軽量
Port Royal 3633 リアルタイム
レイトレーシング

また、GeForce RTX 2060の性能があればVRコンテンツ制作も視野に入る。

  • VR性能の代表的ベンチマークであるVRMarkのスコア。左はOrangeルームテスト、右はCyanルームテスト

VRMark各テストのスコア
Orange Room 2034 重量級
Cyan Room 2754 中量級
Blue Room 8581 軽量級

GeForce RTX 2060のスペックはCUDAコア数が1920基、ベース時1005MHz、ターボ時1560MHzといったGPUコアと、最大14Gbpsで容量6GBのGDDR6メモリを搭載している。また、映像用途では内蔵されたハードウェアエンコーダーのNVEncが役立つ。それも、GeForce RTX 2060クラスならNVEncのオプションをフルに利用可能だ。

  • TMPGEnc Video Mastering Works 7で4K/60p映像をH.265/HEVC フルHD/60pに変換した際の所要時間。左は高画質向きのCPUによるソフトウェアエンコードで1秒間に平均25.21フレームを処理、右は速度向きのGPU内蔵NVEncによるハードウェアエンコードで1秒間に平均49.13フレームを処理

本機のメインメモリは8GB×2枚の16GB。必要であれば32GB×2枚の64GBまで拡張できる。ストレージはM.2 PCI Express 3.0x4のNVMe対応で容量512GB。ここも同様にM.2 PCI Express 3.0x4のNVMe対応 1TB×2枚まで拡張可能だ。

  • 参考までに標準搭載のSSDの情報と性能を示しておく。512GBという容量はデータまで保存すると心もとないが、システム用としては十分。NVMe対応のM.2 PCI Express 3.0x4接続で1.8GB/sのシーケンシャルリードは、最高速クラスではないものの従来のSerial ATA SSDと比べれば3倍以上高速だ