ここ数年、PCゲームが大きな盛り上がりを見せている。単にPCでゲームをプレイするだけでなく、eスポーツも日本で定着してきており、今後もさらなる盛り上がりが期待されている。
それに合わせるように、ゲーミングPC市場も活況を呈しており、単体ゲーミングPCの販売はもちろんのこと、高性能なゲーミングPCを自作するため、高性能CPUやグラフィックスカードの販売も非常に好調となっている。
ただ、そういった中で問題となっているのが、CPUの供給不足だ。ここ数年はインテル製CPUの供給不足が話題になることが多いが、実はAMD製CPUについても供給数は潤沢ではない。特に深刻なのがハイエンド製品で、ハイエンドゲーミングPCをターゲットとした、インテルの「Core i9」シリーズや、AMDの「Ryzen 9」シリーズなどは、秋葉原の大手パーツショップですら、わずかな数しか入荷できず、多くの人が買いたくても買えない状態となっている。
そういった中、マウスコンピューターから、AMDのRyzen 9シリーズ現行最上位モデル「Ryzen 9 3950X」を搭載する「G-Tune HP-A」と、インテルのCore i9シリーズ現行最上位モデル「Intel Core i9-9900KS」を搭載する「G-Tune HP-Z」が登場した。
喉から手が出るほど欲しいインテルとAMDの最上位CPUを採用するハイエンドゲーミングPCということで、注目を集める存在となっている。今回、双方を試用する機会を得たので、それぞれがどの程度の性能を備えているのかチェックしていきたいと思う。
双方の基本スペックは?
まず始めに、G-Tune HP-AとG-Tune HP-Zの基本的な仕様を、双方比較しつつ紹介しよう。
先に紹介しているように、CPUはG-Tune HP-AがRyzen 9 3950X、G-Tune HP-ZがCore i9-9900KSと、いずれもシリーズ現行最上位モデルとなっている。
Ryzen 9 3950Xは、メインストリームPC向けCPUとして初めて16コア32スレッド処理を実現しているマルチコア化が大きな特徴。またCore i9-9900KSは、8コア16スレッド処理とコア数こそRyzen 9 3950Xに劣るものの、コアのベースクロックが4GHz、ターボ・ブースト時のクロックが5GHzに達しており、こちらも注目の存在だ。
これら最強CPU搭載に合わせ、そのほかのスペックも非常に充実している。メモリは双方とも標準で32GBと余裕の容量を搭載しており、メモリ不足でゲームプレイに支障を来す心配は皆無だ。
ゲーミングPCとしてCPU同様に重要なグラフィックスカードも、GeForce RTX 2070 SUPERが標準仕様となっており、今回の試用機で搭載されていたGeForce RTX 2080 SUPERもプラス22,800円で選択可能となっている。現行最強グラフィックスカードの部類で、最新ゲームをほぼ最高品質で快適にプレイできる描画性能を備えている。
ストレージは、双方でやや仕様が異なっている。G-Tune HP-AではPCIe Gen 4×4対応の超高速SSDを標準採用。容量も1TBと余裕の大容量となっている。
それに対しG-Tune HP-Zは512GB SSDとなるが、こちらも速度は十分高速で、ゲームプレイに問題となることはないだろう。加えて2TBのHDDも搭載しており、大容量データを保存する場合でも安心だ。
このほか、双方ともDVDスーパーマルチドライブを標準搭載し、OSはWindows 10 Home 64bitとなる。