ここまででProLite XU2292HSが比較的安いモデルでありながら、トレンドを盛り込み、付属ケーブルまで充実させていることはお伝えした。そのうえで、基本のパネルスペックも妥協していない。ProLite XU2292HSのパネルはIPS方式だ。安価なモデルでよく用いられるTN方式やVA方式ではない。IPS方式を採用したことで優れた発色とともに、上下左右各89度の広視野角を実現している。
解像度は1,920×1,080ドット。現在、最も標準的な解像度であり、21.5型というサイズ感からもちょうどいい。走査周波数はデジタル時で水平30~85kHz、垂直56~75Hzに対応しており、1,920×1,080ドット以下の解像度も表示することが可能だ。ただし、そうした低い解像度では画面拡大処理を行っているため、表示される文字などがぼやけることもある。基本的には1,920×1,080ドット表示とし、文字が小さいと感じる際はWindowsのスケーリング機能など、OS側で調節するのが快適だ。
さらにProLite XU2292HSには、ディスプレイをより快適に使うための機能が豊富に備わっている。それらを設定するのがメニューボタンから開く設定画面だ。
ProLite XU2292HSのメニューは少しユニーク。通常はメニューボタンを押せばすぐさまメニューが開くものだが、ProLite XU2292HSのメニューは、ボタンを1回押すとアイコンの並ぶ画面が表示され、この場でもアイコンで判別し「戻る/進む」ボタンで目的の設定を選べ、もう一度メニューボタンを押すことで設定画面に進む。使い慣れてくれば、目的の項目を素早く呼び出すことが可能だ。また、OSDの標準言語は英語だが、「Language」から日本語表示を選ぶこともできる。
メニュー項目は「ピクチャー設定」「カラー設定」「OSD」「言語」「リセット」「その他の設定」「入力選択」「オーディオ設定」。ここではProLite XU2292HSの特徴的な設定を紹介しよう。
まず、カラー設定の「i-Style Color」機能は、いわゆるピクチャーモード。「オフ」および、「スタンダード」(標準)、「テキスト」、「ムービー」(映画)、「ゲーム」、「風景」という5つのプリセットが用意されている。例えばテキストでは目に優しい明るさに、ムービーでは明るくコントラストを高めに、ゲームでは残像を抑えるといった具合で、以降の詳細メニューから細かく調節する必要なく、簡単に最適化できる。
業務用途では長時間ディスプレイと向き合うことも多い。そうした業務で目の疲れを感じる方も多いだろう。そこで有効なのがブルーライト軽減機能「Blue Light Reducer」。オフおよび1~3のモードが選択でき、モード3では最大71.2%の軽減ができる。色味の変化も大きいため、画像・映像を扱う以外の、テキスト中心の業務で利用すると効果的だろう。
ほかに画像・映像を扱う用途で活用したいのが、まずアドバンスド・コントラスト・レシオ(ACR、日本語メニューではAdv.コントラスト)機能。標準では1000:1のコントラスト比を80000000:1まで引き上げる。また、オーバードライブ回路機能は応答速度を引き上げ、動画再生時の残像感などを軽減する機能。標準の応答速度は公開されていないが、オーバードライブの「3」を選択することでグレー to グレーが4msまで向上する。
より快適なディスプレイ環境を求める時に検討してほしい1台
ProLite XU2292HSは、21.5型ディスプレイの魅力をさらに引き出した製品といえるだろう。3辺フレームレスでより小さく、フラットデザインはマルチディスプレイで快適さ・生産性を向上させたいニーズにオススメできる。
今、PC用ディスプレイでも4Kのような高解像度化の流れが加速しているが、ディスプレイを複数台組み合わせることで画素数を増やす手法にもメリットがある。複数のウィンドウを常時表示させたいといった場合は、マルチディスプレイのほうが快適だ。
コスパにも優れており、1台でも複数台でも、ProLite XU2292HSはより快適なディスプレイ環境を求める方のいい選択肢になるだろう。
標準スペック
メーカー | iiyama |
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型番 | ProLite XU2292HS |
サイズ | 21.5型ワイド、ノングレア(1,920×1,080ドット) |
パネル方式 | IPS方式※ |
視野角 | 上下左右各89度(標準) |
応答速度 | GtoG 4ms(オーバードライブ「3」適用時) |
輝度 | 250cd/m2(標準) |
コントラスト比 | 1000:1(標準)、80,000,000:1(ACR機能時) |
スピーカー | 1W×2 |
インタフェース | HDMI×1、DisplayPort×1、Dsub15ピン×1、 ヘッドホン端子×1、オーディオ入力×1 |
本体サイズ | W488.5×D187.0×H376.0mm |
重量 | 3.2kg |
価格 | オープン※参考価格:21,300円(税込) |
※iiyamaのIPS方式パネルは、IPS(In Plane Switching)パネルがもつ、In Planeで液晶分子を回転させる方式と同等の技術を使用した液晶パネルです。これまでの駆動原理に液晶分子を回転させる方式が加わったことにより、視野角による明るさや色の変化が少なく透過率が高いことで、省電力にも優れていることが特徴です。
価格・構成については、2019/10/3(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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