これまで培ってきたノウハウや経験を活かし、業界全体で健全なクレジット社会の発展へ
野口 :三菱UFJニコス代表取締役社長であるとともに、日本クレジット協会の副会長でもある井上様は、今後、協会の果たすべき役割をどのようにお考えでしょうか。
井上:訪日外国人の増加やインターネット取引が拡大する中で、国内はもとより国際水準でのセキュリティ対策の強化や消費者保護の観点が今後更に重要となってきます。
本年3月には当協会が事務局をつとめる「クレジット取引セキュリティ対策協議会」において、2019年度の重点取り組み事項を「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画2019」に取りまとめました。この実行計画は、ECサイトの改ざん、偽画面への誘導や不正アクセスなどに対する加盟店でのセキュリティ対策強化、クレジットカード・決済端末の100%IC化対応などの諸施策について具体化・明確化し、取り組みを加速させていくものです。
また、インターネット取引の拡大に伴い、海外アクワイアラー経由での悪質事業者による消費者トラブルも増えており、消費者の皆さまからの苦情情報を共有する「苦情連携制度運営規則」も制定しました。協会員の皆さまの協力のもと新JDMシステムも構築し、今年2月からはシステムの稼動を開始しました。これからもセキュリティ対策や消費者保護については、当協会含め、関係者が一丸となって進めていけるようしっかりと運営していきたいと思います。
一方、事業者のみならず、消費者の皆さまへの広報・啓発や金融リテラシー向上に繋がる活動も重要だと考えております。当協会のホームページでは、フィッシングメールなどによるカード情報詐取や、クレジットカードのパスワード管理などへの注意喚起を行うと共に、教育機関や地域の消費生活センターや各種団体が主催するセミナーなどに講師を派遣しております。こうした情報発信や啓発活動をしっかりと継続していくことも協会として重要な役割だと考えております。 業界は大きな転換期を迎えており、国内外から一層注目されています。業界ではこれまで培ってきたノウハウや経験を活かし、健全なクレジット社会の発展を牽引していきたいと考えております。
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