気を付けてほしいのは「じゃあ、450Wぐらいの電源ユニットを買えばいいのか」ということにはならない点だ。なぜかというと、簡単にいえば電源ユニットには少なからず電気の変換時にロスが生じることに加え、スイッチのオンオフ時のように電力消費の瞬間的な増加があるからだ。
電源ユニットは家庭用の100Vの電気を、PCパーツが要求する12Vや3Vといった電気へ変換しているが、これには交流から直流の変換があるため、昔の電源ユニットの変換効率が70%程度だったといわれていたほどだ。つまり、450Wの電源ユニットの場合は、実際には640W程度の電力が必要なケースもあり得ることになる。
もちろん現在の電源ユニットで、そこまで極端なロスが生まれることはない。だが、それでも変換率があるのは仕方のないところ。この変換率を「電力変換効率」といい、これには規格が設けられている。それが「80PLUS」と呼ばれるものだ。
この規格では変換効率に合わせて、スタンダード(無印)、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタニウムとグレード付けがされている。詳しくは下の表を確認してほしいが、一番下のグレードでも変換効率は80%が確保され、ゴールド以上になると、ほぼ90%以上の高効率変換を実現している。電源ユニットを選ぶ際の大切な指標となるので覚えておくといいだろう。
「80PLUS」規格の変換効率 | |||
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負荷 | 20% | 50% | 100% |
80PLUS | 80% | 80% | 80% |
80PLUS Bronze | 82% | 85% | 82% |
80PLUS Silver | 85% | 88% | 85% |
80PLUS Gold | 87% | 90% | 87% |
80PLUS Platinum | 90% | 92% | 89% |
80PLUS Titanium | 92% | 94% | 90% |