日本における、いわゆるDOS/V機(PC/AT互換機)が話題となりつつある時代からオーダーメイドによるBTO販売を行ってきた国産ブランド「FRONTIER」。そのFRONTIERブランドでもデスクトップPCのフラッグシップモデルに当たるのが「GH」シリーズだ。GHシリーズはチップセットにインテルのZ390シリーズを採用し、最新の第9世代Core iシリーズ(Coffee Lake-Refresh)を搭載する、ハイエンドPCだ。最新の性能に加え、ミドルタワー筐体を採用し、拡張性にも余裕を持たせている。
FRONTIERにはゲーミングPCのブランド「FRONTIER GAMERS」もあるが、GHシリーズはゲーミングPCと同等のパーツを吟味しながら、ゲーミングPCほど尖ったスペックの追求をしないことでコストパフォーマンスの向上も実現している点が異なる。スペックの高さはゲームのプレイ動画配信や4K動画の編集など、クリエイティブな方向への対応に回しているわけだ。
今回、FRONTIERシリーズを開発・販売するインバースネットよりGHシリーズの「おすすめ構成B」をお借りできたので、スペックや使い勝手、特徴についてレビューしていこう。
部屋に置いてあるだけで楽しいイルミネーションPC
まずはFRONTIER GHシリーズの外見的な特徴からお伝えしていこう。GHシリーズはミドルタワーケース「Phanteks Eclipse P350X」を採用。これはASUSが提唱するLED制御規格「ASUS Aura Sync」に対応したケースで、同規格に対応したPCパーツ類についたLEDの発光や同期のタイミング、発光色などを自由に設定できるものだ。
実際にGHシリーズではケース前面に縦に2本、左側面に横方向に1本、さらに強化ガラスパネル越しに見えるマザーボードと背面ファンが同期して光るよう設定されており、付属のユーティリティで別の発光パターンに切り替えることも可能だ。
PCといえば一部のデザインコンシャスな製品を除いて、インテリアに合わない、隠すべきものという印象が強いが、逆に発光パーツを使ってこれでもかと自己主張させるライトアップPCというカスタムジャンルがある。GHシリーズはミドルタワーという大きめのサイズを逆手にとり、最初からライトアップを仕込むことでインテリアとしても機能するようになっているわけだ。
インテリア性という点では、前述したように左側面に強化ガラスパネルを採用しているため、内部のマザーボードなどがそのまま見えるようになっており、メカ好きにはたまらない。また内部が見えることを意識して、煩雑になりがちなケーブル類をマザーボードの裏側を通すことでうまく隠してある。これは見た目に美しいだけでなく、ケース内部のエアフローを妨げないことで、冷却効率を高める効果もある。高性能CPUはどうしても高温になりやすいだけに嬉しい副次効果だ。この影響か、動作時の騒音レベルも低く、静かな室内でもほとんど気にすることなく利用できた。
インタフェースも充実
ケース内部は、最下段に電源を配置し、前方と底面から吸気、上方と背面に排気する構造。右側面のカバー下に2.5インチベイが2つ、前面側に3.5インチベイが2つある。5インチベイについてはケース前面に開口部がなく、光学ドライブなどを搭載できないようになっているが、最近はソフトのインストールを含めて光学ドライブを使うこと自体が稀になっているため、問題はないだろう。どうしても必要であれば、USB接続の外付けドライブを利用することになる。
I/Oポート類は、天板に電源スイッチとUSB 3x2、ヘッドフォン、マイクの各端子を装備。背面にはUSB 2x2、USB 3x2、USB 3.1(Gen2)x3、USB Type-C(USB 3.1 Gen2)x1、ギガビットEthernetx1、PS/2x1、オーディオ入出力(S/PDIF OUT含む)となっている。お借りした機材ではHDMIとD端子はシールで封印されていたが、これはGPUにNVIDIAのGeForce RTX 2080を搭載していたためだ。