暮らしと密接に関わり、心に潤いをもたらしてくれる「音楽」。スマートフォンの普及やサブスクリプションサービス(※)の浸透により、私たちの周りに「音」は満ちあふれている。
(※)サブスクリプションサービス:音楽の聴き放題など、利用期間に対して定額を支払う方式のサービス
マイナビニュース会員505人を対象にしたアンケート調査によると、「日ごろから音楽を聞く」と答えた人は約9割にも上る、438人となった。
一方で、普段聴いている音楽の「質」にまで気を配る機会は少ない。実際アンケートでも、「普段から音楽は聴くが、音質までは意識していない」という人が過半数を占めた。
しかし、近年ではCD以上の情報量を持つ高音質音源「ハイレゾ」なども登場し、"ただ聴く"だけではない「音楽の楽しみ方」も広がっている。そこで今回は、「音」とともに生きる2人のプロフェッショナルにインタビューを敢行。
日々音楽と触れ合う環境にいる2人だからこその「音質がもたらすもの」「音へのこだわり」「音楽への想い」を教えてもらった。
■DJ和に聞く、音楽シーンの未来
Every Little Thing「fragile」、DA PUMP「if...」、木村カエラ「Butterfly」など、2000年代のミリオンセラーを集めたノンストップミックスアルバム『ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~』。
「CDが売れない」と言われて久しい昨今に、約34万枚の大ヒットを記録したこのアルバムを手がけたのが、DJ 和(かず)氏だ。 今年、DJとしてデビュー10周年を迎え、いわば「音」と「音」をつなぎ届けるプロである彼に、音への想いを伺った。
DJ和
抜群のスキルと斬新な選曲が特徴の邦楽DJ。
国内外の大型フェスにも出演し、
日本の音楽を世界にも広げている。2008年「J-ホッパー伝説」を皮切りに、
CDの売上枚数は累計150万枚を記録。
▼「アニソン」はひとつの「音楽ジャンル」に
――『ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~』は34万枚を超える大ヒットを記録していますね! その要因について、ご自身ではどう分析されていますか?
正直、自分でもここまで売れるとは想像してませんでしたね(笑)。
良い意味で専門的になりすぎず、気軽な感じでJ-POPを楽しめるものはないだろうか、という観点からこのアルバムを手がけたんです。
80年代、90年代の曲はメディアでも取り上げられることが多いですが、2000年代を括ったコンピレーションはほとんど出ていませんでしたし。
もちろん、このアルバムのヒットは僕だけの手柄では全くなくて、ジャケットの広末涼子さんも含め、時代感や世代が持つパワーの賜物だと思っています。個人的には音楽に限らず、ヒットの裏には30代・40代が必ず絡んでいるのではないかと思っていますが(笑)。
――ほかにも、『J-アニソン神曲祭り』など「アニメ」をテーマした作品も代表的ですね。
僕ら(30代前半)より下の世代にとって、「アニメ」は当たり前のように身近にあるものなんですよね。「アニメが好き」と堂々と言えるというか。「アニソン」も同じように、ひとつの音楽ジャンルとして確立したと思います。
あと、「アニソン」×「ロック」など、クロスオーバーも増えていますよね。
ジャンルはもはや「壁」ではなくなっていて、行き来が非常に簡単になったと感じています。
▼DJ和の持つ「音」のこだわりとは
――DJといえば、複数の「音」を組み合わせて、新しい音楽を作り出していく。そんな和さんの「音」に対するこだわりとは?
僕がDJをする時は、音のパーツというよりも、どういうリズムや歌だとみんなが動きを合わせやすくなるのかだったり、この時間にはどういう曲を流すと良いかだったり、"空間を造る"という点で音にこだわることが多いです。そこが、作曲家やミュージシャンとは違う「DJならでは」のこだわりですね。
――では、「音質」に対してはいかがでしょう。
今はレコーディング技術がかなり進化していて、現場ではハイクオリティな音を作れるようになりました。しかし、視聴方法はまだCDが主流で、せっかく良い音質で収録できても質を下げてCDに落とし込んでいる状態なんですよね。もちろん日常生活で聴くぶんには充分なんですが、実は私達が思っている以上に音質は上がっている。
なので、将来的には生の音に近い「ハイレゾ」で音楽を聴く、というスタイルが主流になっていくんじゃないかな、と。
★「ハイレゾ」とは CDを超える情報量を持つ音源のこと。圧縮された音源では伝えきれずにいた多くの情報を持っているので、レコーディング現場の空気感やライブの臨場感に近い音を楽しめる。 |
ハードの進化により、「ハイレゾ」はスマートフォンでも聴けるようになりました(※対応端末に限る)。これから先、すべてのスマホで簡単にハイレゾを聴ける環境ができて、それが当たり前になる時代が来れば、音をとりまく状況は劇的に変化するのではないでしょうか。
あと、おそらく収録技術の進化によって、ライブと音源の差もなくなっていくと思います。同時に音源に対してもハイクオリティなものが求められるでしょう。そうなると、「ハイレゾ」の需要はどんどん高まっていきそうですね。
――「ハイレゾ」と相性がよい音楽ジャンルなどはありますか? ちなみにマイナビニュースのアンケートでは、J-POPやクラシックを「ハイレゾ」で配信してほしいという人が多かったです。
クラシックもそうですが、楽器など生音を使うアーティストとの相性は抜群に良いでしょうね。たとえば「東京スカパラダイスオーケストラ」などは、臨場感がたまらないと思います。
あと、今のミュージックシーンではヒップホップ系・ダンス系は相変わらず根強い人気ですよね。その要素を取り入れたアイドルで注目しているのが「フィロソフィーのダンス」。ほかには男性声優のラッププロジェクトの「ヒプノシスマイク」とかも気になりますね。
▼「ハイレゾ」だからこその魅力
――「ハイレゾ」を聴くと、和さんはどう感じますか?
「こんな音が鳴ってたんだ! 」と思うことが多いですね。
ハイレゾで音楽を聴くと、いつも聴いている曲でも気づかなかった音が3つほど聴こえるんですよ。また音楽の奥行きを感じられるのが良いですね。
アーティストも音楽を作る際には立体的な視点で考えているはずで、彼らが表現したかったものを確実に知れることが、「ハイレゾ」の魅力のひとつだと思います。
言うなれば、曲の本質にたどり着けたような感覚ですかね。
――個人的に、こんなジャンルの曲を「ハイレゾ」で聴いてみたいと思うのは?
そうですね……声優さんの朗読とかどうでしょう。好きな声優さんの生声を「ハイレゾ」音源で聴いたらたまらないと思います(笑)。
――それはかなり面白そうですね。では最後に、音のプロフェッショナルである和さんがオススメする「ハイレゾ」の楽しみ方をご指南下さい。
そうですね、「ハイレゾ」だから新しい曲を聴いてみるのではなく、「自分がいつも聴いている好きな曲をハイレゾで聴いてみる」というのが一番じゃないでしょうか。持ってるから聴かないのではなくて、持ってるから"こそ"聴く。
自分の耳になじみのある曲を聴くことで、音の違いをリアルに感じられるでしょう。「ハイレゾ」の高音質を体感することで、「音」に対する意識もきっと変化すると思いますよ。
――ありがとうございました。
■音楽ダウンロード・音楽配信サイト「mora」
「mora ~WALKMAN(R)公式ミュージックストア」
J-POP、アニソン、洋楽、ジャズ、クラシックまで、ハイレゾ配信楽曲数が国内最大級の音楽ダウンロードサイト。PC、スマホで簡単にダウンロードが可能で、豊富な決済手段も魅力だ。
さらに、「mora」がハイレゾ配信5年を記念したキャンペーンを開催中。5年間の「ハイレゾ」音源売上を集計したアーティストランキングや、アンケートの結果を発表。さらに、豪華プレゼントが当たるキャンペーンも開催中。まだ「ハイレゾ」を聴いたことがない人にも、この機会に試してみてほしい。
※ハイレゾ音源の再生には、ハイレゾ再生可能機器が必要となります。詳しくはこちら。
オフィシャルサイト:>>こちらをClick
公式Twitter:>>こちらをClick
『ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~』>>こちらをClick
<イベント内容>
「ラブとポップ フェス ~好きだった人を思い出す歌がある~」
出演:DJ和、サスケ、D-51、前田有嬉 (ex.Whiteberry)
アンダーグラフ、nobodyknows+、キンモクセイ
スペシャルトークゲスト:広末涼子
MC:サッシャ
日時・場所:2018年10月23日(火)開場18:00/開演19:00 EX THEATER ROPPONGI
【全自由】(前売)¥3,900(税込)、 (当日)¥4,500(税込) ※別途ドリンク代必要
【お問合せ】クリエイティブマン TEL03-3499-6669
https://www.creativeman.co.jp/event/love-pop-fes2018/