ブラザー販売のスタッフは、中小病院の働き方改革を目指し、今回「医療業界のプリンター事情調査隊!」として医療現場を徹底調査したという。この調査から同社が導き出した中小病院向けソリューションが「プリンターのバックアップ機運用」「WEB会議システムによる遠隔カンファレンス」「在宅診療時にモバイルプリンターでその場で帳票出力」だ。
プリンターのバックアップ機運用がコストとムダな時間削減のカギ
中小病院の電子カルテ/医事会計用のプリンターは、その業務の重要性から当日保守を必須要件としている医療現場も多い。しかし、当日保守という強みがあっても、故障時は保守員が到着するのを待たなければならず、結局修理が完了するまでの時間は早くとも半日ほどかかる。ならばイニシャル/ランニングコストを抑えたプリンターを複数台備え、常に代替機を確保してトラブル時も入れ替えるだけの環境を作れば、復旧が速く、保守料金などのトータルコストも抑えられるという考え方が「プリンターのバックアップ機運用」だ。
このソリューションを支える大きな要因は、ブラザーのプリンターが狭いスペースでも複数台設置できること。コンパクトかつフロントオペレーションを徹底しているため、カウンター下などの狭い場所にも設置でき、現場のスタッフが使いやすい仕様になっている。
また無料で提供されている一元管理ソフト「BRAdmin(ビーアールアドミン)」を使えば、ネットワークに接続されているブラザーの複合機/プリンターを一括して管理できる。病院内のプリンターにトラブルがあった場合、トナー/インク切れや用紙切れ、故障などに対応するために毎回現場に確認に向かわなくてはならない。「BRAdmin」で複合機/プリンターを管理すれば、トラブル内容(紙詰まり等)をソフト内で確認できる為、現場に毎回出向かなくても、トラブル内容をある程度把握できる。また、トナー切れが近づくと表示が出るので、トナーの買い忘れ等も防ぐことができる。さらに、印刷枚数などもカウントできるため、紙の無駄遣いも減らせるだろう。このように、プリンター管理者にとっては業務効率化、経営側にとってはコスト削減が無料のツールで実現できる。
ブラザー販売は、カラー/モノクロやA3/A4、レーザー/インクジェットなどさまざまなプリンター・複合機を取り扱っている。病院の規模に合わせた製品を柔軟に選択できるだろう。
高いセキュリティと高画質を実現したWeb会議システムで遠隔カンファレンス
医療・介護現場のネットワーク化は、「医療現場の働き方改革」のカギだ。労働人口の減少に伴い、医療従事者、とくに医師数の減少は止まらず、1人1人が多くの仕事を抱え込んでいる。そんな状況では、会議に参加するための移動も大きな時間のロスとなる。
このような現状から、平成30年度の診療報酬改正により、これまで対面で行わなければならなかった地域医療関係者とのカンファレンスを、Web会議等で行うことが可能となったことから、Web会議システムの運用が今後広がっていくと見込まれる。 PCやタブレットを利用してリアルタイムにWeb会議ができるブラザーのWeb会議システム「OmniJoin (オムニジョイン)」は、音声や映像はもちろんのこと、アプリケーションやファイル、デスクトップやホワイトボードを共有しながらコミュニケーションを取ることができる。
なかでも医療現場での利用にオススメできる最大の理由は、TLS1.0/1.2に準拠した高いセキュリティと、カメラに映した資料の文字までも判別できる高画質だろう。OmniJoinを使って遠隔会議を行えば、移動に余計な時間やコストをかけずに済むはずだ。
ブースにて展示されていた、全国に他拠点展開する歯科医院の導入事例では、拠点間での患者の症例共有や勉強会などに頻繁に活用され、若い医師のモチベーション向上にもつながっているという。
現在は遠隔カンファレンスや遠隔定例会議などに利用されていることが多いが、将来的にはオンライン診療などへの対応も目指しているという。在宅医療分野における活用も期待できそうだ。
在宅医療で手軽に帳票を出力できるモバイルプリンター
医療施設の数が患者の増加に追いつかなくなり、病院での治療から在宅での治療にシフトしてきている昨今、第三の医療と言われる在宅医療は確実に需要が増加している。在宅医療では、地域の診療所のドクターが診療の合間を縫って対応しているケースも多い。これまでは、患者宅で作成した紹介状や処方箋などの出力を院内に戻って印刷し、後日郵送する手間がかかっており、残業時間も増えていた。
そこでブラザー販売が提案するのがモバイルプリンター。患者宅で必要な帳票をその場で印刷して渡すことができるだけでなく、「紙」で患者に説明することが高齢の患者にとっては理解やしやすく好評だという。既に導入済みの診療所の事例では、その日の診療内容や次回の訪問予定を「紙」として残すことで、患者の家族や地域のケア関係者への情報共有の円滑化を図っている。
今回展示されたモバイルプリンター「PJ-763MFi」は、コンパクト・軽量で在宅診療のために持ち運んでも医療従事者の負担にならないだろう。感熱式を採用しているためインク切れの心配はなく、ファーストプリントまでのスピードも速い。印刷待ちで患者に負担をかけることなく、在宅診療を行えるだろう。
コンパクトサイズの感熱ラベルプリンター
今回のお悩み解決には含まれていないが、ラベルプリンターも大きく展示されていた。従来より調剤薬局などで人気の高かったブラザーのお薬手帳用ラベルプリンターはデザインを一新し4月に「QL-1115NWB」を発売。USB、有線LAN、無線LAN、Bluetoothといった幅広いインターフェースに対応しており、コンパクトで且つ低コストで導入できるのが特徴だ。
さらに今回は個人、店舗向けとして人気が高いコンパクトなモデルも新たに展示された。「PT-P710BT」は、USB接続も可能なラベルライター。水分や擦れ・擦りに強いラミネート印刷ができるため、診察券ラベルの印刷用として需要が高いという。ラベルプリンター「VC-500W」は、カートリッジ1つでフルカラー印刷が行えるモデル。簡単に色の違うラベルを印刷できるという特徴から、調剤薬局の薬棚などでの活用が期待されている。