スマホは通信事業者のシバリがあって、NTTドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアの場合、基本的には2年ごとに買い替えた方がおトク感がある。ところがPCについてはそうはいかない。今やスマホとPCはほぼ同じ価格帯の工業製品になってしまっているが、PCはなんとなく4~5年は同じものを使うというのが現実的なライフサイクルになっているのではないだろうか。
著者・山田祥平(やまだ しょうへい)
フリーランスライター
PCの黎明期からデジタルライフ、スマートライフの普及/浸透を願って各誌紙、ウェブ等に精力的に寄稿を続けてきた。
それでもPCを新しくしたいという気持ちになることがある。大きな不満がなくてもあっても、今、目の前にあるPCがなんとなく古ぼけて見えて、新しくすれば素晴らしい世界が待っているんじゃないかと思うときがある。その予感は大事にしたい。ボーナスシーズンという言い訳だってある。新しい道具が欲しいという積極的な気持ちはいろんなことを好循環に巻き込む。
今から30年ほど前、PCがようやく人々の暮らしや仕事のシーンに浸透しようとしていた時代のことだ。新しいことに敏感な人たちはもちろん、そうでない人も、これからはPCくらい使えないとヤバいんじゃないかという強迫観念に似た気持ちを持っていた。あのころはそんな時代だった。
PCにまつわる正しい”ヤバさ”
30年間の歳月が流れた今、働き方改革が叫ばれ、デジタルトランスフォーメーションに注目が集まる。いつでもどこでも働けることがよしとされるであろう時代の到来だ。そんな時代に備え、学生諸君だって勉強のスタイルを変えざるをえない。
そうなると当然、PCの使い方のスタイルにも変化が現れる。その典型がモバイルだ。実は、過去において家庭で使われているノートPCが外に持ち出されることはほとんどなかったのだが、ここにきて、街角のカフェや電車の中などのパブリックスペースでPCを使う姿を、かなりの頻度で見かけるようになった。いわゆる「ドヤ顔」でPCを使う姿だ。
企業においてもPCの持ち出し禁止は有名なレギュレーションで、それが日本のモバイル普及を阻害してきたのだが、もう、そんなことはいっていられない。盗られて困るものは盗られないように注意することよりも盗られても大丈夫なようにしておこうというのがトレンドだ。
となると、また、ヤバいという気持ちが募る。もしかしてこれからは外でPCを使えないと、一人のビジネスマンとしてヤバいんじゃないかという強迫観念だ。30年前のヤバさが本当だったように、このヤバさは正しい。そのヤバさを払拭するためのPCが、今、目の前にあるのだから、それを最大限に活用しない手はない。