「大人のための変身ベルト」をコンセプトに開発されたバンダイボーイズ事業部の「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」の第20弾として、2002年から2003年にかけて放送された特撮テレビシリーズ『仮面ライダー龍騎』の変身ベルト「Vバックル」が商品化される。「CSM Vバックル&ドラグバイザー」(51,840円/税込)として、プレミアムバンダイで6月25日より予約受付を行っていたが、一次受注分は即日完売。26日11時から二次受注の受付を開始することになった。2019年2月の発送を予定している。

「CSM Vバックル」には『龍騎』に登場した主要な「仮面ライダー」たちが変身に用いる「カードデッキ」が付属する上に、各ライダーたちが劇中で話した印象的なセリフやBGM、そして効果音などが収録され、『龍騎』ファンのマストアイテムといっても過言ではない豪華商品に仕上がっている。

ここでは、音声収録のためにひさびさに再会を果たした仮面ライダーゾルダ/北岡秀一を演じた小田井涼平、仮面ライダー王蛇/浅倉威を演じた萩野崇の2人に、『仮面ライダー龍騎』の個性的なキャラクター造形や、放送当時のファンによる盛り上がりについて訊いた。

  • 左から仮面ライダー王蛇/浅倉威を演じた萩野崇、仮面ライダーゾルダ/北岡秀一を演じた小田井涼平

――『仮面ライダー龍騎』で涼平さんが演じられたスーパー弁護士の北岡秀一や、萩野さんが演じられた凶暴な犯罪者・浅倉威は、『龍騎』のライダーバトルを語る上で欠かせない重要なキャラクターでしたね。

小田井:北岡の場合、ヒーローと悪の中間みたいな立ち位置でしたよね。お金次第で黒をも白にするスーパー弁護士で、正義感みたいなものが希薄。しかし時々、人情を感じさせる部分もチラリと見せるという。

萩野:ちょっとダーティな部分を持っているのも、ヒーローのバリエーションとしてありだと思いました。北岡は特に「不治の病」という設定がヒーローっぽい。

小田井:まあ不治の病といっても、最後のほうになるまで具体的にどんな病なのかがはっきりしなかったね。ある程度、事前にこんな病気だって知っていれば、症状を早いうちから出すことができたんだけど、漠然と「不治の病」といわれるだけだったから、どう芝居をしていいかわかりにくかった。

萩野:もしかしたら嘘だったとか、そういう流れになり得ましたもんね。連続ドラマって、最初に出てきた設定が途中の展開次第で変わっていくことがあるから。

小田井:撮影途中だと、結末がどうなるかを聞くことなく演技をしているので、そういった難しい部分はあったね~。

――どちらも、いわゆる正統派な「ヒーロー」ではない『龍騎』の世界における「仮面ライダー」の在り方を示す存在なんですね。

小田井:まあ、"悪徳弁護士"とも言われていましたし。

萩野:ジャガーに乗っていて(笑)。

小田井:時代ですよね~。今だと、役者が自分で車を運転しているシーンなんて、いろいろあって撮影できないですよ。

――涼平さんは弁護士役ということで、専門用語などセリフの部分で難しかったことはありましたか。

小田井:弁護士といっても、専門的な用語を話す芝居がほとんどありませんでしたから、苦労はなかったですよ。どちらかというと、北岡法律事務所に訪問客が来ることが多く、そのときどきの受け答えするセリフが多かったですね。

――北岡は自分が写真に写る角度を「右斜め45度」という角度に決めているなど、ナルシストの一面がありました。

小田井:あれも、よくわからない設定ですよね(笑)。なんで自分の写真を自分で撮ってるんだろうとか思いながらやっていました。北岡の場合、有能な秘書である吾郎ちゃん(由良吾郎/演:弓削智久)との関係性を見せたいというところがあったんでしょうね。いちばん謎だと思ったのは、北岡が吾郎ちゃんにヒゲを剃ってもらっているシーンですよ。あれはいまだにどういうことなのかがわからない(笑)。

萩野:いやいや、でもあれはオモロイよ(笑)。

小田井:なんであんなにきれいな場所で、男にヒゲを剃ってもらっているんだろうって。

萩野:弁護士事務所が美容室みたいに見えたよね(笑)。