ミニコンサート終了後、心震えた演奏をしてくださった近藤嘉宏さんに、お話を伺った。はじめて「CELVIANO Grand Hybrid GP-500BP」に触れたとき、近藤さんは今までの電子ピアノとは違う音がすると感じたそうだ。
「今まで、電子ピアノからC.ベヒシュタインの音が出るということは考えられなかったんです。C.ベヒシュタインのキャラクターが再現された音の世界観、鍵盤のタッチやその感触、打鍵感はなかなかのものですよ」(近藤さん)
楽器の「生っぽさ」も特筆するレベルにあると。
「C.ベヒシュタインのグランドピアノ、金属ではなく木製ならではの透明感や、自分の指で打ち込んだ鍵盤から指を離したときに発する『ポコッ』という音、ペダルから脚を外したときに響く『シャン』という音……。
『CELVIANO Grand Hybrid』では、ドレミという音以外の、いわゆるノイズともいえる部分までサンプリングされているため、楽器が持つリアルな雰囲気を体感できるんです」(近藤さん)
普通なら切り捨ててしまう演奏時に発するノイズが、楽器そのものが醸し出す雰囲気や本物らしさの醸成に寄与しているのだ。近藤さんも「本当に『ポコッ』や『シャン』が聞こえてくるわけではありませんが」と言葉をつなぎながら、楽器そのものが発する音を感じさせてくれる「CELVIANO Grand Hybrid」は、電子ピアノでありながら非常に高いレベルでリアルな雰囲気と太鼓判。
実際に、カシオとベヒシュタイン社との共同開発では、「音の色気」のような感覚的な領域までじっくりと煮詰めていった。そうした日独のクラフトマンシップによって生み出された「CELVIANO Grand Hybrid」こそが、C.ベヒシュタインの音をこよなく愛するピアニスト、近藤さんの五感に「生っぽさ」を伝え、高い評価につながったのだろう。
本物が醸し出す存在感、細部まで気を配られた音作り
近藤さんは、よりグランドピアノに近付く「CELVIANO Grand Hybrid」について、こうも語る。
「微妙な感覚の鋭敏さ……たとえば、鍵盤のタッチひとつをとっても『これくらいの力で弾いたらこの音色』といった部分がもっと進化していけば、奏者にとってグランドピアノとイコールになっていくのでは」(近藤さん)
音に対するこだわりが非常に強い。近藤さんのようなプロのピアニストは、普通の人の感覚では判別できないほど微妙な感覚の"音"の違いに対するこだわりで、勝負している世界。そういった、自分の世界観や求める音色のすべてを表現できる可能性を「CELVIANO Grand Hybrid」に期待しているし、今後もより一層、進化していくに違いないとも。
「CELVIANO Grand Hybrid」が持つ音の世界観、音色やその種類によって高いレベルで音楽を表現できるということは革命的……とは近藤さんの言葉。奏でられる音のみならず、「グランドピアノと同じ木製の鍵盤を採用することによって、グランドピアノのタッチ感をリアルに感じることができるのではないか」とも指摘した。
ピアノを学ぶ人のなかには、様々な事情でグランドピアノではなく電子ピアノで練習する人がたくさんいる。だが、いざ生のグランドピアノを弾こうとしたとき思うように弾けず、特にグランドピアノと電子ピアノの打鍵感の違いになじめず、ピアノをやめてしまう人も多いそうだ。
近藤さんが「打鍵感はなかなかのもの」と評した「CELVIANO Grand Hybrid」であれば、鍵盤の感触をはじめ、弾く人が感じるすべてがグランドピアノに近く、違和感なく演奏することができるのではないだろうか。高いレベルで「生ピアノ≒電子ピアノ」を実現したカシオの「CELVIANO Grand Hybrid」、今後どこまで進化していくのか、その歩みに期待を寄せずにはいられない。
■近藤嘉宏さんバイオグラフィー
1968年、川崎市生まれ。4歳からピアノを始め、桐朋学園大学を首席で卒業。その後、ミュンヘン国立音楽大学においてゲルハルト・オピッツのもと研鑚を積み、1992年ミュンヘン交響楽団との共演でデビュー。1995年の国内デビュー以降、数々の作品を世に輩出するなか、2004年にはニューヨークのカーネギーホール、2006年にはムジークフェラインにてデビュー。2016年にはミュンヘンのマックス・ヨゼフ・ザールでリサイタル、ウィーンのムジークフェライン大ホールにベートーヴェンの「皇帝」でデビューするなど、色彩豊かな美音としなやかな音楽性で多くのファンを魅了し続けている。
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