PC用メモリやフラッシュメモリで古くから知られるKingston Technologyが、このところスマートフォンやノートPC向けの製品にも注力している。2017年11月に発表した「DataTraveler Bolt Duo」(以下、Bolt)は、新たに立ち上げた新カテゴリ「モバイルライフスタイル」の第1弾製品で、iPhoneやiPadのLightningコネクタ(MFi認証取得済み)とUSB 3.1 Gen.1 Type-Aコネクタの両方に対応したフラッシュメモリだ。

  • Lightningに対応した写真 & ビデオ用USBストレージデバイスのKingston DataTraveler Bolt Duo

  • Bolt本体は軽量コンパクト

これまでも、Lightning対応のフラッシュメモリはいくつかあったが、KingstonのBoltは写真やビデオの保存にフォーカスし、機能を絞り込むことで、直感的かつ使いやすいユーザーインタフェースを実現した製品となる。

  • BoltのLightning端子

  • Lightning端子の反対側には、USB 3.1 Gen.1対応のType-A端子

直感的かつシンプルな操作を実現したiOS対応アプリ

フラッシュメモリを使って、iPhoneやiPadにデータを保存、あるいは移動するため場合、iOSアプリケーションを通じて操作をするケースがほとんど。これまでのLightning対応フラッシュメモリでは、写真や動画だけではなく、音楽データやPDFファイルといった、さまざまなデータのコピーや移動ができるものが存在しているが、その分、専用アプリの構造や操作性が複雑になっていた。

Boltでは専用アプリ(以下、Boltアプリ)が扱うデータを写真と動画ファイルのみに絞り込むことでシンプルな操作を実現している。Boltアプリのインストールも簡単で、iPhoneやiPadのLightning端子にBoltを挿せば、ポップアップでAppStoreのBoltアプリへとリダイレクトされる仕組みになっている。

  • Bolt本体は軽量コンパクト

ユーザーはここでアプリのインストールを選び、ポップアップにしたがって写真へのアクセス権や位置情報の取得などの設定を行うだけですぐに利用できる。

  • Boltアプリをインストールしていない状態でLightningコネクタにBoltを挿すと、BoltアプリをApp Atoreから入手するかというポップアップが表示される

  • App StoreのBoltアプリのページ

  • インストールが終わると、Boltアプリの写真へのアクセスを許可するかなどのポップアップが表示され、一通り答えれば設定は完了する

HEIF形式の写真もJPEGに変換可能

Boltの使い方はいたってシンプル。まず、BoltをLightningコネクタに挿すたびにポップアップが表示されるので、ここで「許可」をタップすればBoltアプリが立ち上がる。

  • Boltアプリのインストールが完了すれば、あとはBoltを接続するとポップアップが表示され、許可をタップすればBoltアプリが立ち上がる

画面上面(横位置ポジションの場合は左側)にiPhoneまたはiPadのストレージ空き領域とBoltの空き領域が円グラフで表示され、画面下(横位置の場合は右側)にはBoltの機能ボタンが3つ並ぶ。

そのBoltアプリの機能は「転送」「キャプチャ」「表示」の3種類。「転送」はiOSの写真(カメラロール)から、写真やビデオデータをBoltにコピーまたは移動する機能で、転送するデータは、すべて、写真、ビデオ、お気に入り、選択の5種類から選べる。データ転送後に、元データをそのままにするか削除するかの選択も可能だ。

  • Boltアプリのメイン画面

  • 転送のメニュー

  • 転送するファイルの選択

  • 写真を選択して任意のデータだけを転送することも可能

なお、iPhone / iPad側の写真やビデオデータを削除した場合、iCloudに同期したデータも同時に削除されてしまうため、写真のバックアップにiCloudを利用している場合は、元データの削除は慎重に判断したほうがいいだろう。

また、Boltアプリの最新版(バージョン1.2.3)では、iOS11で採用されたHEIF形式で撮影されたデータをJPEGに自動変換して保存してくれる互換性設定も追加されている。