「Privia」の本質を徹底的に追究した「PX-770」「PX-870」

―― カシオの電子ピアノはさまざまなユーザーの方々に親しまれているんですね。では、その3シリーズの中でも、スリムでスタイリッシュなデザインが印象的なPriviaの新製品「PX-770」「PX-870」について、開発コンセプトや特徴などをお聞かせください。

阪下氏:はい。Priviaシリーズの最新モデルである「PX-770」「PX-870」では、Priviaの原点でもある「誰もがもっと自由に、もっと気軽に、プライベート感覚で楽しめる身近な電子ピアノ」というコンセプトを見つめ直し、両モデルともにスタイリッシュ&スリムというPriviaの本質を追求したデザインを目指しました。従来モデルでは鍵盤の奥にレイアウトされていた操作パネルを鍵盤左側にまとめて配置。また、スタンド部のデザインも見直して、本体との一体感をより高めました。スタンド部を含む全高も従来モデルより低くして、スタイリッシュさを強調しています。

また、操作パネルの配置を見直したことで、鍵盤の奥で光っていたLEDも鍵盤左側に移動していますので、より演奏に集中できるようになっています。また、設置の面からもより手軽な電子ピアノを目指し、購入された方がご自身でスタンドの取り付けを行う場合への配慮を高めました。スタンドには本体装着時にガイドレールの役割を果たす部品が取り付けてあるので、本体をスライドさせるだけで簡単にはめ込めます。後はネジ留めを行うだけですから、女性の方でも簡単に設置できると思います。ひと目で目立つのはデザイン面ですが、電子ピアノの要であるグランドピアノ音についても進化しており、より心地良く演奏いただけるようになりました。

操作パネルを鍵盤左側にまとめて配置することで、よりすっきりとしてスタイリッシュな印象になった。従来モデルでは、操作パネルが鍵盤の奥にレイアウトされていた

本体の奥行きは30cm程でワンルームにも設置しやすい。一見すると一体型に見えるスタンドは、女性でも簡単に取り付けが行えるよう配慮がなされている

―― グランドピアノ音の進化ポイントについて、具体的に教えていただけますか?

阪下氏:「PX-770」「PX-870」では、従来機種と比較して、より豊かなピアノの余韻を感じていただけるようになりました。具体的には、打鍵し発音してから消音に至るまでの音色・音量の変化が、よりグランドピアノに近い自然な響きに進化しました。また、音域ごとに異なる発音タイミングの違いを表現するハンマーレスポンスも進化させ、搭載されているピアノ音色ごとに最適な発音タイミングを得られるようにしています。

グランドピアノ音やスタンド部をはじめとした改良点の多くは、お客様からいただいたご意見を参考に、開発させていただきました。「PX-770」「PX-870」は、まさに電子ピアノユーザーの皆様の声から生まれた製品であるといえます。

―― 「PX-870」には、「CELVIANO Grand Hybrid」シリーズから継承されたノウハウも採用されているとお聞きました。

カシオ計算機 商品企画部(楽器)室長 阪下彰氏

阪下氏:はい。「CELVIANO Grand Hybrid」とまったく同じというわけではありませんが、同シリーズで培ったノウハウを投入しています。88鍵それぞれの共鳴音に加え、演奏した鍵盤の組み合わせによる共鳴音の違いを表現する「ストリングレゾナンス」という機能は、従来のPrivia上位モデルにも搭載していましたが、この表現力を向上させました。具体的には「CELVIANO Grand Hybrid」のために開発した技術を駆使して共鳴音の純度を高め、より自然な響きを実現しています。この共鳴音の差は、グランドピアノならではの音色表現を特徴づける1つの要因ともなっているので、実際に演奏いただければ、その違いを実感できると思います。

松田氏:さらに、「PX-870」の特徴としては、音の通り道となるスリットを本体天板部分に設けた「天板スリット構造」、音量ボリュームに合わせて聞きやすい音質に自動調整する「ボリュームシンクイコライザー」、ヘッドホン使用時にも自然な音の広がりを再現する「ヘッドホンモード」などがあります。「ボリュームシンクイコライザー」と「ヘッドホンモード」は、「CELVIANO Grand Hybrid」で好評いただいている機能を、「Privia PX-870」向けにアレンジしたものです。

ライターによるミニインプレッション

今回の取材では、実際に筆者が「PX-770」と「PX-870」の2モデルの簡単な試奏をさせてもらった。Priviaシリーズでは、お馴染みとなった「3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤II」は、重すぎず軽すぎず非常に快適な弾き心地で、ピアノ初心者にもオススメだと感じた。また、両モデルともにハイクオリティなピアノサウンドと、優れた演奏感が魅力的だ。「PX-870」は「ストリングレゾナンス」による和音演奏時の倍音の豊かな変化を堪能でき、「天板スリット構造」による音の広がりも実感できた。「PX-770」と「PX-870」ともに、弾いても聴いても楽しい電子ピアノに仕上がっている。

コンパクトでスタイリッシュなPriviaシリーズは、ピアノ演奏本来の楽しさや手軽さを思い出させてくれる。細かなところだが、「PX-770」「PX-870」からは楽譜立てに配されたロゴが「Privia」から「CASIO」へと変更されていた

―― 最後に、今まで以上に手軽で本格的な演奏を自宅で楽しむことができるようになった今シリーズについて、お二人からピアノ好きの読者の皆様へメッセージをお願いいたします。

阪下氏:「PX-770」「PX-870」では、Priviaのコンセプトの原点を見つめ直し、最新のテクノロジーによる心地よいピアノサウンドを、コンパクトかつスタイリッシュなボディに搭載して皆様にお届けするべく、開発を行いました。高品質でシンプルな電子ピアノを気軽に楽しみたい方には「PX-770」を、より豊かなピアノサウンドで本格的な演奏を楽しみたい方には「PX-870」をオススメいたします。両モデルともに、マイルームに馴染む自分だけのプライベートなピアノとして、末長く愛用していただければとてもうれしいです。

松田氏:最新モデルである「PX-770」「PX-870」は、Priviaシリーズの1つの完成形ともいえる電子ピアノに仕上がっていると自負しております。誰もが手軽かつ身近にピアノ演奏を楽しめるPriviaシリーズは、今後もユーザーの皆様からのご意見や、時代のトレンドなどを積極的に取り入れながら進化を続けてまいりますので、引き続きご期待ください!

―― 本日はありがとうございました。

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