一切登場しない"飛行機"
――ちょっと意外なのですが、飛行機などが映像に出てこないですよね。
橋口氏:そこはいろいろな意見があって検討したところなのですが、あまり飛行機に寄せないようにしたかったのです。「HELLO BLUE, HELLO FUTURE 2020を、みんなの滑走路にしよう。」というキャッチコピーはしっかり入れる必要がありますが、さらに最後に飛行機が離陸していくような映像が入ると……ちょっと"寄りすぎ"じゃないかなと。アスリートの視点には興味があるけど、ANAにすごく興味・関心がある方とは限らないわけですから、読後感にANAがオリンピック・パラリンピックを通じて目指している方向性が少しでも感じられれば、そして、それをきっかけに興味を少しでも持ってもらえればと考えたのです。
――その結果、キャッチコピーと発着掲示板、そしてANAのロゴというシンプルな形になったわけですね。たしかに離陸のシーンで終わるとアスリートよりもむしろそちらが印象に残ってしまいそうです。
橋口氏:とても難しいバランスでしたね。
視聴者からの反応は?
――実際に完成した動画をご覧になって、いかがでしたか。
橋口氏:ストレスなくスムーズに視聴できたのでよかったですね。撮影にも立ち会ったのですが、映像になってみるとやっぱり迫力がすごくて、例えスポーツに興味がない方でも最後まで見ていただけるんじゃないかと思います。尺も最初はもうちょっと短い方がいいかなと思ったのですが、見てみるとこれでよかったなと。
――1分というとTVCMの2倍~4倍の長さですが、Web動画としてちょうどいいですよね。アスリート視点が新鮮なのと動画のテンポがいいので、最後まで飽きずに見ることができました。
橋口氏:ご覧になった方からも好意的なコメントをいただいておりホッとしています。「ANAと一緒にオリンピック・パラリンピックを盛り上げたいです」といった声もあり、ANAとして伝えたいメッセージがしっかり伝わっていると感じています。
――今回の動画制作前後でWeb動画を見る視点が変わりましたか?
橋口氏:今までは自分にとって面白いかどうかという基準で動画を見ていたのですが、今はどうすれば多様な価値観をお持ちの方々が足を止めて見てくれるのか、そこから次にどうつながるのかといった視点で見るようになりましたね。
キャッチコピーに込められた想い
――キャッチコピーである「HELLO BLUE, HELLO FUTURE 2020を、みんなの滑走路にしよう。」ですが、このHELLO BLUEとは?
橋口氏:BLUEはご存知の通り、ANAのイメージカラーなのですが、それ以外にも「地球」という意味を込めています。オリンピック・パラリンピックは海外から多くの方がいらっしゃいます。国籍年齢性別問わず、すべての方に向けて東京にようこそという意味で「HELLO BLUE」なのです。
また、東京オリンピック・パラリンピックの開催は2020年ですが、ANAとしてはそこから先もずっと世界中の皆さんに心地よい空間とサービスを提供していきたいと考えています。そうした思いを込めて「HELLO FUTURE」としました。
――なるほど。BLUEにはANAと地球の人々という二つの意味があるのですね。オリンピックとパラリンピックの両方のスポンサーとなった理由もそこに?
橋口氏:はい。地球上すべての方に「HELLO BLUE, HELLO FUTURE」というメッセージを出しているわけですから、当然オリンピック・パラリンピックの両方を応援していきます。
――こうなると動画の続編も気になるところですが……。
橋口氏:私たちも単発で終わるのではなく、継続的にコミュニケーションしていきたいと考えています。これから2020年に向けてどんどん盛り上げていきたいですし、第2弾、第3弾、できたらその先もやりたいですね。
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思わず目が釘付けになってしまうユニークなプロモーション動画をANAが制作した背景には、東京2020オリンピック・パラリンピックにかける強い思いがあった。今回の制作秘話をもとにもう一度動画を見てみると、また新しい発見があるかもしれない。
ANAでは東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた特設サイトを開設している。サイトではANAの取り組みや選手インタビューなどを楽しむこともできる。そちらもぜひチェックしてほしい。
⇒ANAの『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会』特設サイトはコチラ
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