最適な帯域幅を自動選択する「Smart Connect」
では、RT2600acのルータ本来としての機能は目立たないのかというと、むしろ逆だ。4x4 MIMOにIEEE 802.11ac wave 2という最新通信仕様にくわえ、さまざまなセキュリティ機能・通信コントロール機能が用意されており、サーバやアプリといった付加機能なしでも競合製品に対抗しうる特徴を備える。
Smart Connectは、その筆頭に挙げられる。Wi-Fiルータの多くは、2.4GHz帯と5GHz帯とで独立したアクセスポイントを持つ設計のため、子機の接続時はどちらかを選ばなければならない。しかし、Smart Connectを有効にしたRT2600acでは、2.4GHz帯と5GHz帯とでアクセスポイントを一本化できる。別々にすることもできるが、Smart Connectは子機の電波強度など通信状態から最適な周波数帯を推定、自動で切り替えできるのだ。
iPhone 7で試したところ、RT2600acからほど近い場所では5GHz帯でつながっていたが、壁を挟んだ隣の部屋に移動し「DS router」アプリで確認したところ、いつの間にか2.4GHz帯に変更されていた。反対に、RT2600acから十数メートル離れた位置で2.4GHz帯のとき、RT2600acに近づくと自動的に5GHz帯へと切り替わった。ダウンタイムは感じられず、気がつけば変更されているという印象だ。
ペアレンタルコントロールも充実。MACアドレスを見て端末単位で設定できるうえ、すべての子機に一律で適用する設定(デフォルトポリシー)を定めることもできるため、深夜はスマートフォンからのアクセスだけ認めない、といったアクセントの効いた運用が可能だ。アクセス設定は曜日ごとに1時間単位で決められるので、生活サイクルも考慮できる。
フィルタリング機能も、一般的なURLベースの処理ではなく、DNSルックアップ中に実行される「インテリジェントWebフィルタリング」を備えている。Googleセーフサーチと頻繁に更新されるデータベースを参照することで、数千もの有害なWEBサイトを容易にブロックできるしくみだ。
とはいえ面倒な設定は不要、スマートフォンの「DS router」アプリで「ベーシック」か「保護」を選択する程度で効果が期待できる。
"時代の変化"を肌で感じるルータの登場
コンシューマ向けルータは、ここ数年で飛躍的に性能が向上した。IEEE 802.11acなど新しい無線LAN規格への対応はいうまでもなく、IEEE 802.11nが普及してからは一度に複数のアンテナでデータを伝送する多重波伝送路(マルチパス)をサポートする製品が増えた。SoCの性能アップにより、フィルタリングなど制御機能も高度化している。
このRT2600acという製品も、4x4 MIMOにIEEE 802.11ac wave 2対応とトレンドを押さえているという点では、最新・多機能なルータということができる。SoCやメモリ、最大スループットなどルータとしての基本性能も強力で、既存のルータを置き換えれば通信速度改善などわかりやすいメリットを得られるはずだ。
しかし、この製品の真骨頂はスペックというハードウェア依存の指標ではなく、ソフトウェアにある。Synology製NASで培われたソフトウェア技術を生かしたSRM、そしてそこに含まれるSmart Connectやペアレンタルコントロールなどの機能群だ。SOHO環境向けの機能も豊富。SSHサーバやVPNサーバといった遠隔管理に必要な機能も標準装備されているし、侵入防御システム「Intrusion Prevention」にも対応。また、RT2600acに限らず、Synologyでは信頼性の高いサービス提供の一環として、「QualysGuard」のシステムスキャンによる脆弱性の検査なども行っている。こうした継続的かつ高度なセキュリティ環境が確保されているのも、RT2600acのアドバンテージといえる。
※検査結果(Synologyのwebサイト)はこちらから確認できます。
ふと気がつけば設置から数年が経過していることも多いルータだが、それでもなんとなく使えてしまうだけに後回しにされがちだ。しかし、このRT2600acを使えば"時代の変化"を肌で感じることは確実。ルータの入れ替えを先延ばしにしてきたことを後悔してしまうかもしれない。
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