フルサイズの一眼レフカメラといえば、かつてはプロや上級者向けという印象が強かったが、最近では初心者がいきなり購入するほど裾野が広がりつつある。そもそもフルサイズって何? どんなときに役立ち、どんなメリットがあるのだろうか? フルサイズセンサーを搭載したキヤノン「EOS 6D Mark II」を用いて、その疑問にお答えしよう。
最も大きなセンサー
デジタル一眼レフカメラに使われるセンサーにはさまざまな種類があるが、それをサイズ(面積)によって大別すれば、「APS-Cサイズ」と「フルサイズ」の2種類が代表的だ。
フルサイズとは、横36×縦24mmのセンサーサイズのこと。これはカメラのフィルムとして最もメジャーだった「35mmフィルム」とほぼ同じ面積であることから「フル」サイズと呼ばれている。APS-Cサイズのセンサーは、およそ横22×縦15mm程度であり、フルサイズはAPS-Cの約2.5倍の面積ということになる。
低ノイズで高画質
では、センサーサイズが大きいことで、どんなメリットがあるのだろうか。実写を見ながらフルサイズの特徴をチェックしていこう。下の2枚は、キヤノンのAPS-C機とフルサイズ機「EOS 6D Mark II」で撮影したもの。発色傾向はほぼ同じだが、細部を見比べると、EOS 6D Mark IIの画質がより優れていることがわかるだろう。
左がAPS-Cサイズ機で撮影した写真を拡大したもの、右がEOS 6D Mark IIで撮影した写真を拡大したもの。フルサイズ機であるEOS 6D Mark IIで撮影した写真は、気になるノイズがほとんどなく、細部までシャープに再現できている |
同じ画素数で比べた場合、フルサイズセンサーはAPS-Cサイズセンサーに比べて1画素あたりの受光面積が2倍以上にもなり、より多くの光を取り込める。これにより、ダイナミックレンジや感度の面で有利になり、結果として豊かな階調と発色、低ノイズがもたらされるというわけだ。