2016年、圧倒的なGPUパフォーマンスによって瞬く間にグラフィックスカードの定番となった、NVIDIAのPascalアーキテクチャ。そのコンシューマ向けフラグシップモデルが2017年3月に発売された「GeForce GTX 1080 Ti」だ。GTX 1080よりも最大35%高いといわれる処理能力は、どのような違いをもたらすのだろうか。今回は、「Intel Core i7-7700K」と「NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti」を搭載したユニットコムのゲーミングPC「LEVEL-R027-i7K-XNA」で探っていこう。
Core i7-7700KとGeForce GTX 1080 Tiが実現するパフォーマンスとは
「LEVEL-R027-i7K-XNA」は、ゲーミングPCブランド「LEVEL ∞(インフィニティ)」のミドルタワー型デスクトップPCだ。本機の魅力は、なんといってもシングルGPU構成で最高クラスのゲーミングパフォーマンスという点にあるだろう。
そのゲーム向け性能を支えているのが、NVIDIAのコンシューマ向けフラグシップGPU「GeForce GTX 1080 Ti」。GeForce TITAN Xと同じGP102コアが使用されており、CUDAコア数やテクスチャユニット、ROPユニット、さらにメモリバス幅など、多くの点が大幅に強化されている。そのパフォーマンスは、GeForce GTX 1080よりも35%増しだという。そのぶん消費電力も増えており、補助電源コネクタは8ピン+6ピン構成だ。
コンシューマ向けフラグシップグラフィックスカード「GeForce GTX 1080 Ti」。出力端子としてDisplayPort×3、HDMI×1を備える |
背面にはバックプレートを搭載。電源コネクタは8ピン+6ピン構成となっており、TDPは250Wに設定されている |
GPU-Zで見たGeForce GTX 1080 Ti(FOUNDERS EDITION) |
CPUには、最新のKaby Lake世代となる「Intel Core i7-7700K」を搭載している。4コア8スレッドを備えており、定格動作クロックは4.2GHz。ターボ・ブースト機能利用時には最大4.5GHzという高いクロックで動作する。NVIDIA GeForce GTX 1080 Tiの備える高いポテンシャルを引き出すためには、動作クロックの高いCPUが有効だ。CPUクーラーは標準スペックでは、空冷タイプだが、今回の試用機には、オプションカスタマイズ可能な液冷ユニットが利用されており、高負荷時でも安定した動作を見せる。メモリは試用機ではDDR4-2400の4GB×2枚、計8GBの構成となっていたが、販売モデルは8GB×2枚の16GB搭載となっている。ストレージは480GBのSSDと2TBのHDDのデュアルドライブ構成となる。
CPU-Zで見たIntel Core i7-7700K。定格動作クロック4.2GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大4.5GHzで動作する |
CPUクーラーは液冷ユニットを採用。急激な温度上昇を抑え、負荷の高いゲームでも安定した動作が期待できるだろう |
「LEVEL-R027-i7K-XNA」の基礎性能をチェック
さっそく、「LEVEL-R027-i7K-XNA」の実力を各種ベンチマークの結果から見ていくことにしよう。まずはWindows全体の快適さを測るため、「WIN SCORE SHARE」を利用して「WinSAT.exe」を実行。Windows エクスペリエンス インデックス スコアを確認したい。どの項目も非常に高いスコアを見せているが、やはり着目したいのはグラフィックスの数値。なんと最高値である"9.9"を叩き出している。
CPUとOpenGLの性能を測る「CINEBENCH R15」では、OpenGLのスコアが"157.50 fps"と高く、またCPUの値も十分なスコアを見せている。ストレージの速度を測る「CrystalDiskMark 5.2.1」での計測結果は、SSD、HDDともに十分な性能を実現している。Futuremarkのベンチマークソフト「PCMark 8」のHome acceleratedのスコアも5000を超え、非常に優秀だ。
OpenGLの結果が光る「CINEBENCH R15」のベンチマーク結果 |
各種ソフトでVRへの対応を評価
続いて、昨今話題となっているVR(ヴァーチャル・リアリティ)システムへの対応状況をチェックしていこう。ゲーミングプラットフォーム「Steam」での対応を調べる「SteamVR Performance Test」では、平均忠実度"11"、"非常に高い"という結果を得ることができ、しっかりと"VR レディ"評価になった。
Futuremarkのベンチマークソフト「VRMark」Orange Roomのスコアは、堂々の10,000超。また将来的に拡張されるであろうVRシステムに向けたBlue Roomでも、"3052"というスコアを実現した。