熱やノイズレベルは?
ゲームのパフォーマンスがなんとなくつかめたところで、発熱や静音性もチェックしてみよう。まず温度は室温28℃の環境で、ゲーム(このテストでは「For Honor」)を30分プレイ状態で放置、その後ゲームを終了し、10分アイドル状態にしたときの温度を「HWiNFO64」で追跡した。
テストで使ったゲームはCPU負荷があまり高くないせいもあり、GPUに対しCPUの温度が非常に低くなった。GPU温度は最大85℃と高いが、実使用では問題はない。GPU温度が30分あたりを境に急激に落ちているのは、GPUがCPU内蔵に切り替わったためだ。
さらにサーモグラフィーカメラ「FLIR ONE」を使い、アイドル時(システム起動30分後)とゲームを始めて30分後の温度分布をチェックした。
ここで注目したいのは本体の熱ではなく、ゲーム中は本体右サイドに高温の部分が出現すること。これは右側面に設けられた排気孔から出る熱気によるものだ。これにより本体右側に近いところにマウスを置くと、ゲーム中は右手が非常に熱くなりあまりよろしくない。バッテリーとファンの搭載位置を左右入れ替え、側面排気孔は左側にすればよかったような気がするが、こうなるとWASDキー付近が熱を帯びやすくなるし、HDMI出力などの大物コネクタが右になるので、これもよろしくない。この設計は苦渋の選択の結果と思われる。
ただ本体をノートPC冷却台に置いて少しかさ上げする、あるいはキーボードとマウスを外付けにする(ゲーマー的にはこれがベストな選択だろう)ことで、クリアすることもできるので、大きな問題にはならないだろう。
最後にファンノイズをチェックする。暗騒音約36dBAの室内で騒音計「AR814」のマイクを本体正面、液晶から40cmの位置に設置。NVIDIAコントロールパネルで内蔵GPUとGTX 1050の切り替え「Optimusテクノロジ」を有効にしたものを"アイドル(Optimus)"、GTX 1050固定にしたものを"アイドル(GTX 1050)"とした。ゲームは温度計測と同じFor Honorを使い、プレイ開始から30分後に測定した。
GPUの負荷がかかるとファンの音がかなり大きくなるため、ゲームサウンドに集中するならヘッドホンが欲しくなるだろう。だが搭載されているサウンドシステム(Sound Blaster Cinema 3)が優秀なので、ヘッドホンがなくても銃声や足音は結構聴き取れる。
まとめ
以上で「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」の検証は終わりだ。冒頭で述べた通り、GTX 1050は中程度の画質でフルHDゲーミングをしたい人には最適のGPU。本機を選ぶべきなのは、単なる高画質よりもプレイの快適さと値段のバランスを重視する人だ。
マウス装着時の発熱の問題など気になる部分はあるものの、これからノートでPCゲームを始めたいが予算はあまりない場合には、かなりいい選択肢になるだろう。CPUも十分にパワーがあるので、ゲームはもちろん写真や動画編集などを楽しみたい人にもオススメだ。
※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
型番 | NEXTGEAR-NOTE i5320GA1 |
ディスプレイ | 15.6型フルHDノングレア液晶(1920×1080) |
CPU | Intel Core i7-7700HQ |
メモリ | 16GB PC4-19200 DDR4 SO-DIMM |
M.2 SSD | 256GB SerialATAIII |
HDD | 1TB SerialATAII |
チップセット | モバイル Intel HM175 チップセット |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1050 |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN×1、 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n対応無線LAN |
インタフェース | USB 3.0×3(Type-A/左側面×1、右側面×1、Type-C/左側面×1)、 USB 2.0×1(右側面) |
サイズ | W378×D267×H31.3mm(折り畳み時) |
重量 | 約2.2kg |
バッテリー駆動時間 | 約6.6時間 |
価格 | 129,800円(税別) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2017/6/10(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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