―― どういったところで苦労しましたか?
カシオ・松永氏 : ディープラーニングでは、パラメータを1つ試すときに、最後まで試していると時間が2日も3日も掛かってしまったりします。ダメそうなパラメータの見切りをどこで付けるか、難しかったところです。
カシオ・浜田氏 : 終了間際にちょっとしたトラブルもありました。実は、最終テスト用のデータがいつの間にか差し替わっていて、締め切りの24時間前に気が付いたんです。コンテストのWebサイトをよくよく見ると、差し替えたという告知があったのですが……。普段使っているバリデーションテストのページには特に記載もなく、気付くのが遅れたのです。
―― データが差し替わったのによく間に合いましたね。
カシオ・浜田氏 : 学習と最終テストはデータが別なので、学習さえ終わっていれば。でも、最終テスト用のデータサイズが大きいので、まずダウンロードするのに時間が掛かるんです。
カシオ・松永氏 : ダウンロード速度を少しでも稼ぐために、高速な回線を引いている部長の自宅に行ってダウンロードしました(笑)。
―― 今回の結果を受けて、今後の展望についてもお聞かせいただけますか。
カシオ・浜田氏 : まだまだ研究の1つなので、D'z IMAGEを発展させる形になるのか、別のサービスになるのか、さらに実用化の時期も明確ではありません。あくまで1つのビジョンとしては、ダーモスコピー診断の底上げになるような、診断サポートに昇華できればと考えています。
カシオ・松永氏 : 今回の成果を自動車の開発に例えると、高性能なエンジンができたという段階です。これから先生方と一緒に、シャーシやボディやハンドルに相当するところを作り込んで、しっかりした形に仕上げていきたいと思っています。
古賀講師 : とても良い結果でしたので、今度はこれを医療現場で使いやすい形にする部分で、また貢献できればと思います。
皆川助教 : 皮膚科医ももちろんですが、過疎地や離島などでどんな患者さんでも診ているような先生や、開業医の先生にも普及してほしいですね。そうすれば、普段は症例を見慣れていない先生でも、これは皮膚科の専門医に行ったほうが良いですよとか、これは様子見で大丈夫ですよといった判断ができます。このレベルで使えるシステムができると、本当に普及するんじゃないかなと思います。
―― 本日はありがとうございました。
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