8192レベル筆圧機能を持つ「Wacom Pro Pen 2」

……とはいえ新しいWacom Intuos Proの特徴は、何と言っても8192レベル筆圧機能を持つ「Wacom Pro Pen 2」。次にこれを使って着彩作業をしていくことにする。

電池レス・バッテリーレス、傾き検知レベルは±60レベルで、自然な傾きをサポートしてくれるとのことで実際に使用している友人もその多くが絶賛する一品だ。手描き仕様のFinetip Penと比べ沈み込みもないほか、ペン先のバリエーションも豊かで、優れた筆圧検知を持つのが特徴だ。

今回、仕上げはテクスチャーのある紙にパステルで色をつけたようなイメージにしたかったので、photoshopでイメージに近いブラシを選択し塗り進める。普段は"アナログ"で行っている作業なため、そこと比較していきたい。

初めは「紙に書いた時の感覚に近い」という摩擦のあるフエルトタイプのペン先を使用してみたが、個人的には着彩のシーンではスタンダードのプラスチック製の方が滑りが良く使い勝手が良いように感じた。作画中の手の動きと画面とを比べてもタイムラグを感じることは全くない。

そして、便利だと感じたのは手元で筆のサイズと種類が自由に変えられること。人によって使い方は分かれると思うが、ものの5分も触っていれば作業しながら親指(もしくは人差し指)でペンの操作ボタンを押せるようになる。さらに、これまではその都度「不透明度」でパーセンテージ指定の必要だった濃度の調整が、Wacom Pro Pen 2ならば筆圧感知で感覚的に、そして自由に変えられること。着彩をふんわりと仕上げたいときに、面倒だったこの調整作業が1本のペンでいとも簡単に解決してしまうのは驚きだ。

そしてもう一点、これまでは毎回ヒストリーを開いて選択するしかなかった「1つ前に戻る」作業がペンタブについているキーで自由に、しかも何度でも戻せること。 左手の定位置になること間違いない。

消しゴムの濃度調整を手元の筆圧感知機能で感覚的に行うことができる。消し込みの作業やグラデーションの表現がより一層便利で楽しいものになった

紙のテクスチャーを出すために全体にテクスチャーブラシで色をつけ、乗算して馴染ませる。コーナーの部分は別レイヤーでもう一度重ねて濃くする

最後に色のレイヤーを統合(別名保存を推奨)して、全体の色味を調整したら完成

と、いうわけでアナログ人間の私であるが、実際の使用感の良さもあり、これから少しずつWacom Pro Pen 2にも慣れていこうと思っている。何よりいいのが、手も机も汚れないこと。物置から引っ張り出してきた絵の具が固まっていることもなければ、むしろ揃えるためのお金もかからない。これまで若干、億劫さを感じていたパステルも水彩も油絵でさえも、これからはもっともっと手軽に楽しめそうだ。

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