NVIDIAによるセミナー「写真・動画編集 に最適なNVIDIA Quadroのご紹介」
NVIDIAではゲーム向けのGeForceやワークステーション向けのQuadroなどいくつかのGPUを開発している。Quadroは、CADやCGといった画像編集からムービー編集を手掛けるクリエイター向けのワークステーションに搭載されていることが多く、ゲーム用途をメインとしたGeForceとは性格が異なる。ドライバもOpenGLに最適化されたものであり、そのような機能を活用するソフトウェアでパフォーマンスが発揮されるようになっているので、逆にDirectXを使うゲームなどは苦手としている。また、膨大なレンダリングや広大な画像領域に対応するべく、グラフィックスメモリも多く搭載できることが特徴であり、上位版などは数十万円以上といった高価なものも用意されている。
DAIVにもQuadro搭載モデルは用意されており、最上位モデル「DAIV-DQX710U6-SH9」ではQuadro P6000(24GB)を搭載し、1,099,800円(税別)で販売されている。
最新のGPU「Pascal」
セミナーではNVIDIAの田中秀明氏が登壇。まずは、最新のGPUアーキテクチャである「Pascal」について解説した。Pascalアーキテクチャは2016年4月に発表され、現在のNVIDIA製GPUの多くがベースとしている。おもな特徴としては、VRに有利な「同時マルチプロジェクション」機能、「GDDR5X」メモリの採用によるパフォーマンスの向上が挙げられる。QuadroシリーズとしてはQuadro P6000を皮切りにミドルレンジやエントリーまで幅広く製品を展開している。また、最新世代のQuadroでは5K(5,120×2,880)解像度での4画面出力することが可能となり、DisplayPortも1.4に対応した。一方、従来のQuadroではDVIからアナログ出力も可能であったが、Pascalからはアナログ出力を省略したのでできなくなっているとのことだ。
Pascalを搭載したQuadro製品の紹介
- Quadro GP100
2月6日に発表されたばかりの新製品で、ハイエンドである「Quadro P6000」の上位にあたるウルトラハイエンドに位置する。GDDR5Xの4~5倍のメモリバンド幅を持つ「HBM2」を採用するほか、新しいインターコンチネクト技術である「NVLink」に対応。P6000よりCUDA コア数やメモリ容量は少ないが、NVLinkによって2枚のGP100を高速に接続可能で高いパフォーマンスを発揮できるという。
- Quadro P6000
2016年秋に登場。CUDA コア数が多く、高速のGDDR5Xメモリを24GB搭載し、単体のカードとしては最も高い性能を備える。ハリウッド映画のスタジオや多くのゲーム制作会社で使われているとのことだ。
- Quadro P5000
P6000と同時に登場したモデルで、メモリ容量が16GBになっている。
- Quadro P4000
2月6日に発表された製品。アーキテクチャがPascalになったことで前モデルの「Quadro M4000」と比較して性能が1.5~2倍に向上した。NVIDIAのVR認証プログラム「VR READY」に対する付与がされている。
- Quadro P2000
Quadroで一番のボリュームゾーンになる製品。5GBのグラフィックスメモリを搭載。ミドルレンジでは4枚の4Kディスプレイを接続できる。
- Quadro P1000
スモールフォームサイズのPCに対応したQuadroで、コンパクトサイズの中では一番性能が高い。
- Quadro P600
日本ではCADを使っているユーザーに多く利用されている製品。
- Quadro P400
エントリークラスの製品。前モデルの「Quadro K420」では2画面までだったが、本製品では3画面まで4Kで出力が可能。
最後にPascalの実際のソフトウェアでの性能について紹介された。プロ用の動画編集用ソフトとして有名なアドビシステムズの「Adobe Premiere Pro CC」においては、最終レンダリングが最大で50倍高速になり、その他の編集機能についてものきなみパフォーマンスが向上している。また、エフェクトなど動画の合成処理に使われる「Adobe After Effects CC」についても、同じように性能向上が体感できるとのことだ。ちなみに田中氏によると、RAW現像ソフトである「Adobe Photoshop Lightroom CC」においては、QuadroよりもGeForceの方が適しているとのことだ。
以上のことを踏まえて、DAIVで本格的な動画制作環境を構築したい人はPascal世代のQuadroのラインナップが充実した今こそ導入を検討してはいかがだろうか。
価格・構成については、2017/3/3(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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