最近のゲームグラフィックは非常に美しいものになっている。しかし、それを100%堪能するためには大画面のテレビが必要だ。小さい画面が悪いわけではないが、やはり美しい映像を楽しむためには映画と同じで大画面がベストなのだ。
しかし、それには2つの問題がある。価格が高いということと、日本の部屋、特に1人暮らしの部屋では大きい画面が置きにくいということだ。
こうした問題を解決するために最近注目を集めているのがホームシアター・プロジェクターである。そう、あの会議室なんかで使われているプロジェクターだ。あれを家庭の壁に向けて大きく投影するのである。しかも同じ大きさのテレビとくらべてはるかに価格もお手頃だ。
あまり馴染みのない人はこう思うかもしれない。
「プロジェクターで大きく映すのって、壁からけっこう離す必要があるんじゃないの?」
あるいは、
「プロジェクターの映像って、色も出ないし画質も悪かった気がするんだけど」
――と。
かつてはそうだったかもしれないが、プロジェクターの技術はかなり進歩しており、テレビと変わらないほど鮮明な映像を映し出せるのである。
また、「短焦点」と呼ばれるモデルもかなり増えた。壁からさほど距離を離さなくても大きく映像を投影できるのだ。
今回、紹介するのはベンキュージャパンの「HT2150ST」。前述の2つの要素を兼ね備え、さらにゲームプレイを快適に行えるゲームモードを搭載した家庭用プロジェクターである。本稿では、その特徴を解説していこう。
1.5mの近さで100インチ投影
「HT2150ST」最大の特徴は「短焦点」により、壁の近くに設置しても大画面で映像を投影できることだ。
具体的には、1.5mの投写距離で100インチの大画面を壁やスクリーンに映し出せる。解像度はフルHD。グラフィカルなゲームや映画などの映像を楽しむのに、何ら不足のない解像度である。
昔のプロジェクターでは、100インチもの大きさで画面を鮮明に映し出そうとすれば、それこそ壁から本体をかなり離して設置する必要があった。しかし、HT2150は短焦点モデルのため、1.5mでOKなのだ。
HT2150STの本体サイズはW380.5×H121.7×D277mm。それなりの存在感はあるが、大きめのゲーム機と考えればさほどでもないし、そもそもテレビを設置しなくていいのだから、考えようによってはむしろ省スペース化ともいえる。重量は約3.6kgで、使わないときに片付けるのも楽ちんだ。
プロジェクターとして重要な映像の輝度(明るさ)は2,200ルーメン。コントラスト比は1,5000:1で、家庭用プロジェクターとしては十分な明るさとコントラストを備えている。