弾き心地がとても自然

コンサート直後の赤松氏に話を聞いた。まずは、CELVIANO GHの率直な感想について聞くと「弾き心地がとても自然。グランドピアノのように弦を叩くわけではないのですが、ハンマーを搭載していることもあり、鍵盤のタッチが同じ、音の発音も一緒、音色も本物とそっくり。音量の強弱に関しても、リアルなダイナミクスが再現できる。弾き心地がグランドピアノと同じ感覚なんです」と説明した。

「弾き心地がとても自然」と話す赤松氏。弾き心地がグランドピアノと同じ感覚、とCELVIANO GHを評価した

CELVIANO GHでは、3つの伝統的なグランドピアノの音色が選択できる。透明感のある音と響きが美しい、ベヒシュタインとコラボレーションした音色「ベルリン・グランド」、迫力と力強さを備えた「ハンブルク・グランド」、重厚な低音と優しい弱音が出せる「ウィーン・グランド」である。赤松氏が今回のミニコンサートで選んだのはハンブルク・グランド。その理由について「華やかな音がするので、華やかな場に相応しいと判断した」と語っている。

真剣な表情でCELVIANO GHに向かう赤松氏

演奏場所や曲目により、音色を使い分けられるのがCELVIANO GHの特長だ。「ベヒシュタインはドビュッシー、リストが愛した楽器です。その音色を再現したベルリン・グランドも試してみました。柔らかく深みのある、デリケートな音色。これを電子化してクオリティを保っているのは、カシオさんならではの開発力だと思います」と赤松氏。

グランドピアノさながらの響きも魅力

音の減衰の仕方について聞くと「従来の電子ピアノでは、長い音を弾いたときに電子的な、不自然な音の減衰の仕方をしていました。 CELVIANO GHでは、アコースティックピアノに近い減衰の仕方をする。ペダルに関しても、デリケートなタッチを実現しており、非常にクオリティが高いと思います」と説明。また、鍵盤の追従性については「鍵盤が返ってくる感触、スピードともに、現代のピアノを忠実に再現しています」と話した。

CELVIANO GHは、音の広がり方にもリアルさを追求しており、6つのスピーカーが配置されている。グランドピアノの響板から上下に音が広がる様な音場を得られる「グランドアコースティックシステム」により、グランドピアノさながらの音響を実現している。赤松氏は「現代の住環境では、大きな音が出せません。私も神戸の実家には防音室がありますが、東京の住まいにはないので、東京に滞在中や早朝、深夜に練習するためにこれ以上のツールはありません」と話した。

また、「アコースティックピアノをうまく弾けないと、電子ピアノはうまく弾けません。その逆も同じで、電子ピアノをうまく弾けないと、アコースティックピアノがうまく弾けません。さらに、これだけクオリティが高いと、演奏者の技術も要求されます。心して弾かないと、ダイレクトに音に現れてしまいます」と、赤松氏は語った。