現場担当者が使ってみたDropbox Businessのメリットとは?
では、実際にファイルサーバーからDropbox Businessに移行して、どのような変化があったのだろうか。まず、現場の代表として営業部のMによる実例を紹介しよう。
Dropbox Business移行のメリットとして、Mが真っ先に挙げたのは「業務の時間削減/スピード向上」だ。営業という仕事柄、取引先に訪れてプレゼンテーションを行うことが多い。iPadを使用しているもののファイルサーバーへ接続できないため、提案に使用する過去事例やレポートなどの資料はあらかじめ選定し、印刷する必要があった。準備にかかる時間は、1社あたり約20~30分だという。
しかし、Dropbox Businessを使うようになってからは、商談先から直接iPadで資料のデータへアクセスすることが可能に。すぐに資料を提示できるようになったことで、準備に費やす時間が大きく減少したという。「さらに資料を持ち運ぶ必要がなくなり、荷物が格段に減りました。個人的にかなりうれしいポイントです」と喜ぶM。
さらに、取引先の要望にも素早く応じられるようになった。これまでは手持ちの書類に必要な資料がなかった場合、帰社してからメールで送付するしかなかったが、Dropbox Businessを使えばその場で提示することが可能だ。「ファイル共有も簡単に行えるので、移動時間にその日の御礼メールをすべて済ませられるようになり、アポイント間のスキマ時間の有効活用と残業時間の削減につながりました」とMは話す。
もちろん、取引先のリクエストにすぐに対応できれば、商談だけでなく受注のスピードアップにもつながっていく。
Dropbox Business導入後、業務効率化が進んだのは営業の社外対応だけでなく、社内の業務においても同様だ。たとえば複数のメンバーでひとつのファイルを共同作業する場合、共有フォルダとコメント機能を活用することで、編集や意見のとりまとめが非常に楽になったという。
この点についてMは、「これまで、提案に使う企画書のやりとりやタイアップ原稿の確認など、社内のチームメンバーとのやりとりは基本的にメールで行っていました。そのため、編集するたびにファイルをすべてのメンバーにメールで送付する必要があり、かなり面倒な作業でした。しかしDropbox Businessを使い始めてからは、従来のように各ユーザーからのフィードバックがばらばらと記載されたメールを探しまわる手間もなく、ファイル形式を問わずあらゆる共同編集において、効率よくチームのコミュニケーションを保管できています」と話す。
ただしDropbox Businessへのデータ移行・同期時に、ハードディスクの容量を圧迫してしまい、他の作業に支障が出てしまったという。通常、Dropbox Businessにファイルを保存すると、アカウントとリンクしたすべてのデバイスに同期される。同期によって各ハードドライブの容量が使用されるため、Dropbox Businessのフォルダに保存されているすべてのファイルの同期に必要な空き容量がハードドライブにない場合に問題が生じてしまうのだ。
しかし、Dropbox Businessに十分な空き容量がある場合には、「選択型同期」機能を使えばこの問題は解決できる。選択型同期では、そのデバイスに同期するフォルダを選択することが可能になる。つまり、必要なファイルのみパソコンで保管するといった使い方ができるのだ。「今回、選択型同期という機能があることをはじめて知りました。現場ではあまり知られておらず、活用している人は少ないと思います。設定自体は簡単に済む上、かなり便利な機能なので、周りのメンバーにも積極的に広めています」とMは言う。