明るい光学4.2倍ズーム+可動液晶が大活躍

国内旅行、海外旅行を問わず、旅に欠かせないのが小さくて軽いカメラである。友人や家族との旅でも、一人旅の場合でも、旅そのものを楽しむには長時間持ち歩いても負担にならないコンパクトなカメラ、しかも高画質なものを使いたい。

レンズについては、どんな被写体に出会っても対応できるよう、広角から望遠まで幅広くカバーしたい。さらにマクロ (近接撮影) 性能やレンズの明るさも大切だ。

そんなすべての条件を兼ね備えた理想的な旅カメラが見つかった。キヤノンのプレミアムコンパクトGシリーズの最新作「PowerShot G7 X Mark II」だ。このカメラがどれほど旅行に適しているのか、上海の旅で実感したPowerShot G7 X Mark IIの撮影性能をレポートしよう。

キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

まずは上海観光名所のひとつ外灘 (ワイタン) を訪れた。ここから見る対岸の高層ビル群やタワーの眺めは、発展する中国を象徴する風景だ。PowerShot G7 X Mark IIの広角端・24mm相当の画角を生かし、その全景を広々とした構図で捉えた。

たくさんのカットを撮影したが、下の写真は、カメラを高い位置に構えて撮ったもの。近景に船や人の姿を写し込み、奥行きを感じる画面構成を狙った。PowerShot G7 X Mark IIは、液晶モニターを上方向だけでなく下方向にもチルト可動できるので、こうしたハイアングル撮影が楽に行える。構図の自由度を高めてくれるうれしい仕様だ。

絞り優先AE(F6.3 1/200秒)ISO125 WB:太陽光 焦点距離:8.8mm

次は、100mm相当になる望遠端で撮影したもの。上のカットとほぼ同じ場所だが、ズームアップするだけで構図の印象はガラリと変わる。船やビル群が凝縮され、密度の高い写真となった。ガラス張りの壁面や看板の文字など、肉眼では見えなかった風景の細部までくっきりと解像。有効2,010万画素のCMOSセンサーと新しい画像処理エンジン「DIGIC 7」が実力を発揮した。

また、外灘ではカメラ内の電子水準器も役立った。水平と垂直をまっすぐにして撮ることで、遠景に見える高層ビル群の造形がいっそう際立つ。

絞り優先AE(F3.5 1/250秒)ISO160 WB:太陽光 焦点距離:36.8mm

階調表現力の良さも見逃せない。下の写真では、手前に見える赤煉瓦の歴史建築を明るく再現するために+2/3に露出補正を加えたが、背景となる空は白とびすることなく、雲のディテールまできっちり描写できている。操作面では、機械式の専用ダイヤルによって、露出補正をスムーズに行える点が使いやすい。

絞り優先AE(F4 1/100秒)ISO125 WB:オート 焦点距離:36.8mm