高負荷時でも静音性に優れる
一般的に、ゲーミングPCでは搭載パーツの性能を最大限に引き出せるように、大型空冷ファンや多数のケースファンを装着する場合が多く、どうしても高負荷時の動作音がうるさいものが多い。また、ユーザーも、動作音よりも性能を優先する場合が多く、多少のうるささは我慢するという人も多いようだ。
それに対しこのAuroraは、高負荷でも動作音が比較的静かとなっている。今回の試用機では、CPUクーラーとして簡易水冷クーラーを採用し、ケース天面にラジエータを装着、120mmファンでラジエータの冷却とケース内の空気の排気を同時に行う仕様となっており、これによってケースファンを前面下部の120mm吸気ファンのみとして、ファンの数を低減。これが功を奏して、一般的なゲーミングPCに比べると圧倒的に動作音が静かとなっている。
もちろん、静音重視のPCに比べると空冷ファンの動作音はしっかり耳に届き、特に高負荷時にはグラフィックスカードの冷却ファンの動作音もやや大きくなる。ただ、それでもハイエンドゲーミングPCとしては十分に静かという印象だ。
ゲーミングPCとはいえ、やはり動作音は静かなことに超したことはない。性能が低下しない範囲内で、静音性が突き詰められていれば、それも大きな魅力に繋がることになるはずで、その点でもAuroraは有力な選択肢となるはずだ。
ケース前方下部に静音120mm吸気ファンを装着し、外気を吸入 |
試用機ではCPUクーラーに簡易水冷クーラーを採用。こちらも静音120mmファンを採用し、高負荷時でも静音性を保ちつつ安定した冷却性能を確保している |
VRの利用も考慮した高性能システム
Aurora R5は、最初からVRヘッドセットの利用を見据えた設計となっている。当然、それに見合う仕様であり、今回試用した評価機は、「Aurora R5 スプレマシー」という最強スペックを詰め込んだものだ。主な仕様は以下の通り。
ALIENWARE Aurora R5 スプレマシーの主な仕様 | |
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CPU | Intel Core i7-6700K(4.00GHz) |
メモリ | DDR4-2133 32GB(8GB×4) |
システムSSD | 512GB M.2 PCIe SSD |
データ用HDD | 2TB(7200rpm、SATA 6Gbps) |
グラフィックスカード | NVIDIA GeForce GTX 1080 8GB |
電源ユニット | 850W |
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPUは、ハイエンドPC向けCoreプロセッサの”Intel Broadwell-E”ではなく、メインストリーム向けのIntel Coreプロセッサ”Skylake-S”を搭載。グラフィックスカードにはNVIDIAの最新GPU、GeForce 10シリーズ最上位となるGeForce GTX 1080を採用しており、ゲーミングPCとして納得の装備となっている。
そして、これら仕様はあくまでも標準的なものであり、購入時に自在にカスタマイズ可能だ。スペックを落として価格を抑えることもできるし、より高い性能を目指してNVIDIA GeForce GTX 1080を2枚搭載しSLI構成としてもいい。もちろん、Aurora スプレマシーの標準仕様で、VRヘッドセットは問題なく利用可能であり、ゲーミングPCとしても申し分ない性能を備えていることは間違いないだろう。
なお販売価格は、Aurora R5 スプレマシーが税別(以下同)289,980円となっているが、最もスペックを落とした「Aurora スタンダード」は129,980円からと、比較的安価な設定に。このAurora スタンダードでは、CPUはIntel Core i5-6400(3.3GHz)、グラフィックスカードはNVIDIA GeForce GTX 950(2GB)となるが、エントリー向けゲーミングPCとして十分な仕様を確保。エントリーゲーマーからVR利用を検討するハイエンドゲーマーまで、幅広い層に対応できる製品となっている。