こんなホクロは要注意!

CeMDSは一種のeラーニングシステム。医工連携により、データベースの拡充や機能アップを図っていく

―― 自分ではホクロだと思っていても、実はそれが皮膚がんの可能性もあるわけですね。どんなホクロだと、病院で診察を受けたほうが良いといった目安はありますか?

皆川氏「一番は、急に大きくなってきたホクロです。ホクロは未成年のうちは大きくなっても異常ではありません。しかし、30歳や40歳を過ぎて、数カ月で直径7mm以上に大きくなったホクロは要注意。このサイズがひとつの目安です」

古賀氏「左右非対称のいびつな形をしているものも、ホクロではなく、皮膚がんの可能性があります。それから、メラノーマは厚みのあるもののほうが転移しやすい性質を持っているので、盛り上がってきた場合も注意したいところです。メラノーマは転移する前に切除することが重要です」

CeMDSの画面例。カシオの画像解析技術を用い、症例写真に対して「血管部分を強調」といった処理を施す。これにより、症例を学びやすくできる

―― 仮に、美容整形でホクロを取った場合、それが実はホクロではなくてがんだったら、後から支障が出たりしますか?

古賀氏「美容整形でホクロを取るときは、切除したホクロを病理検査に必ず出さないといけません。がんでなければ問題ありませんし、基底細胞がんの場合も取りきれていれば特に問題になることは少ないでしょう。

もしそれが厚みのあるメラノーマだった場合、そこだけ切除しても、数年後に転移する可能性があるため、転移が生じて初めてメラノーマと診断されることもあります」

―― それは怖いですね。病理検査に出せば、切除した後でもがんだったかどうか判別できるんですね。

古賀氏「はい。病理検査は確実です。ダーモスコピー検査を行った際も、少しでも疑わしいものは病理検査を行うようにします。ただ病理検査は、結果が出るまでに数週間かかることがあります。

このため、ダーモスコピー検査のときに写真を撮影しておくと、病理検査の結果が出たときに自分の最初の診断と付き合わせて検証でき、診断スキルが上げられます。診断スキルが十分に高ければ、病理検査が出ないうちから手術前の検査を進めるなど迅速な対処が可能です」