マクロレンズとキット付属の標準ズームを比較してみる

そもそもマクロレンズとは何か。簡単に言うと、小さなものを大きく写せるレンズのこと。どのくらい大きく写せるかは「最大撮影倍率」というスペックによって示され、この数値が大きいほど、より大きく写せることになる。

一般的な標準ズームレンズの最大撮影倍率は「0.2～0.25倍」程度だが、マクロレンズの場合は「0.5～1倍」以上に対応。1倍(等倍)は、たとえば1cmの被写体が撮像素子の面で1cmの大きさに写ることを意味している。これによって、小さな花でも大迫力の接写が楽しめるというわけだ。

標準ズームとマクロレンズの接写性能にどのくらいの差があるかは、実写を見比べるとわかりやすい。下の写真は、レンズキット付属の標準ズーム「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」の55mm側を使って最短撮影距離(0.25m)で撮影したもの。このレンズの最大撮影倍率は0.25倍。被写体は直径約4cmの時計である。

標準ズームレンズの最短撮影距離(0.25m)で撮影。撮影倍率は0.25倍

絞り：F16 シャッター速度：1/200秒 感度：ISO400 WB：太陽光 カメラ：EOS M3 レンズ：EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM

これに対して、マクロレンズ「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」の最短撮影距離(0.093m)で撮影したのが次の写真だ。撮影倍率は1.2倍。

マクロレンズの最短撮影距離(0.093m)で撮影。撮影倍率は1.2倍

絞り：F16 シャッター速度：1/200秒 感度：ISO320 WB：太陽光 カメラ：EOS M3 レンズ：EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM

ひと目見ただけで、マクロレンズ「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」の強力な接写性能が伝わっただろう。ちなみに、マクロレンズはほとんどが1倍(等倍)対応だが、「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」は等倍を超える1.2倍を実現している点も見逃せない。