Lightroomで5,060万画素のデータをRAW現像してみる

続いて、実際にRAW現像の作業を行いながら、マシンのパフォーマンスを見ていこう。素材として用意したのは、5,060万画素センサー搭載の一眼レフ、キヤノン「EOS 5Ds R」で撮影したRAW+JPEGファイルだ。ファイルサイズは、RAWファイルが1枚で約55~60MB程度、JPEGファイルが1枚で約12~20MB程度となる。

検証用のアプリケーションには、RAW現像ソフト「Lightroom CC」とレタッチソフト「Photoshop CC」を使用する。

Lightroom CC

また比較として、筆者がふだん自宅用に使っているデスクトップPCも用意した。比較用PCのスペックは、CPUがCore i5-6500(3.2GHz)で、メモリは8GB、ストレージは240GBのSSD、OSはWindows 10 Home 64ビットとなっている。

まずは、Lightroomの読み込み機能を利用し、SDメモリーカード内のデータをPCのSSDにコピーしつつ、Lightroomのカタログに読み込むまでの時間を計測してみよう。データは250枚のRAW+JPEGファイルで、合計の容量は約17GBだ。

Lightroomの読み込み画面。SDXCカードから内蔵SSDにコピーし、Lightroomのカタログに読み込みまでの時間を計った

SDカードからLightroomのカタログに読み込むまでの時間
DAIV-DGZ500S1-RAW 約4分04秒
比較用のPC 約4分35秒

結果は約30秒の差がついた。ストレージはどちらもSSDだが、読み込み速度が大きく向上したUHS-II対応カードリーダーの影響が大きいのだろう。実際の撮影では、1回につき数千枚以上を読み込むことも多いので、処理が遅いPCでは待ち時間がさらに長くなる。読み込みは、少しでも短縮して効率アップを図りたい作業なので、「DAIV-DGZ500S1-RAW」のハイスピードは非常にありがたい。

次に、LightroomでのRAW現像時間を計ってみる。Lightroomの現像モジュールで各種の補正を加えたうえで、「ファイル」メニューから「書き出し」を選択。書き出し先には内蔵SSDを指定し、RAWからJPEGへの書き出しをしてみた。

Lightroomの書き出し画面。内蔵SSDにJPEG出力する時間を計測した

RAWファイル1枚をLightroomで現像
DAIV-DGZ500S1-RAW 約12秒
比較用のPC 約17秒
RAWファイル10枚をLightroomで現像
DAIV-DGZ500S1-RAW 約1分23秒
比較用のPC 約1分53秒
RAWファイル100枚をLightroomで現像
DAIV-DGZ500S1-RAW 約12分21秒
比較用のPC 約18分43秒

ここでも本機の高速処理が際立つ結果となった。筆者所有の比較用PCに比べて約1.5倍のスピードである。ふだんの仕事では昼間に撮影し、帰宅後は深夜までRAW現像を行うというケースが少なくないが、本機があれば、てきぱきと仕事を片付けられそうだ。

さらに、Photoshopによるレタッチ作業の処理時間も計測してみよう。

Photoshopの「HDR Proに統合」機能を使用。明るさが異なる5枚のJPEGファイルを読み込み、それを自動合成して16ビットのHDRデータを作成するまでの時間を計った

Photoshopの「HDR Proに統合」を使ってHDRデータを作成
DAIV-DGZ500S1-RAW 約26秒 (22秒)
比較用のPC 約32秒 (39秒)

Photoshopの「レンズ補正」を使用。10枚のJPEGファイルに対して、プロファイルによる歪曲などの各種レンズ補正をバッチ処理で適用し、その処理時間を計測した

Photoshopの「レンズ補正」を10枚のJPEGファイルに一括適用
DAIV-DGZ500S1-RAW 約1分09秒
比較用のPC 約1分31秒

Photoshopでの作業でも、本機のハイスピードを体感することができた。さらに上記のテスト以外にも、各種のフィルターやレイヤー合成、ブラシによるペイントなども実践してみたが、いずれも操作は快適。処理速度にストレスを感じることはなかった。

DAIV-DGZ500S1-RAW」は、そのコンセプトどおり、RAW現像やレタッチ作業に打ってつけのPCだ。たくさんの撮影データを少しでも速く処理したいと考えるフォトグラファーや写真愛好家には、特にお勧めできる。私自身、試用マシンを返却するのが惜しくなってしまったくらいだ。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 DAIV-DGZ500S1-RAW
CPU インテル Core i7-6700
メモリ 16GB PC4-17000 DDR4
SSD 240GB SerialATAIII
HDD 2TB SerialATAIII
チップセット インテル Z170 Express
光学ドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 950
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.0×6(前面×2、背面×4)、USB 2.0×2(背面×2)、マルチカードリーダー(UHS-II SDカード / CF対応)
サイズ W190×D490×H490mm
ディスプレイ
価格 149,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2016/6/8(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

永山昌克 (ながやま まさかつ)
広告スタジオを経て、1998年よりフリーランスのフォトグラファー。現在は主に出版やウェブ、映画スチールの分野で活動。最近では、書籍「新 手帳で楽しむスケッチイラスト」(MdN刊)や、映画「ゼウスの法廷」の写真撮影を担当。そのほか、写真展に「チャイニーズ・ウエスタン」(銀座ニコンサロン)、著書に「写真の構図&アングル練習帳」(ソーテック社刊)、「逆転の発想の写真の入門の本」(MdN刊・共著)などがある。

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