「高音質」「軽量」「簡単操作」をコンセプトに開発されたローランドのシンセサイザー「JUNO-DS」。歴代製品の特長を引き継いだ最新モデルだ。

あらゆる演奏シチュエーションに対応する音色を収録しており、幅広い音楽ジャンルで利用でき、バンドでの使用感も徹底的に追求されているという。持ち運びやすさを考慮したコンパクトなボディも特長のひとつで、初心者にも分かりやすいUIを継承するなど、使いやすさの観点からも利用者に好評とのこと。

本稿では、性能とコストパフォーマンスを両立したファーストシンセサイザーとしても最適なJUNO-DSの魅力を紹介する。また同製品を取り扱う販売店を取材して、"楽器店の生の声"も聞いてきたので、あわせて紹介していこう。

「高音質」「軽量」「簡単操作」をコンセプトに開発されたローランドのシンセサイザー「JUNO-DS」。取り扱い店舗に、その魅力を聞いてきた

軽量、高音質、簡単操作のJUNO-DS

JUNO-DSは、定番の61鍵モデル「JUNO-DS61」、およびRolandシンセ初となる電池駆動を実現したピアノ・タッチ88鍵モデル「JUNO-DS88」をラインナップ。アコースティック・ピアノ、エレクトリック・ピアノ、オルガン、そしてシンセサイザー・サウンドと、あらゆる演奏シチュエーションに最適な音色を多数収録。ソロ/アンサンブルを問わず、これ1台で幅広い音楽ジャンルをカバーできるという。JUNO-DS88では、アコースティック・ピアノさながらの弾き心地を実現した「88鍵ハンマー・アクション鍵盤」を搭載している。

定番の61鍵モデル「JUNO-DS61」(写真左中央)と、電池駆動を実現したピアノ・タッチ88鍵モデル「JUNO-DS88」(写真右中央)

音色拡張ライブラリー・サイト「Axial」からダウンロードできるEXPシリーズや、ユーザー・サンプルの読み込みにも対応するなど、拡張性も高い。また、音色選択やサウンド・メイクを簡単操作で行えるのも特長のひとつ。カテゴリごとに分けられた音色選択ボタンにより、豊富なサウンドの中から瞬時に好みの音色を探し出せる。このほか、ボーカル・エフェクターも搭載。マイクを接続すれば、弾き語りやバンド内のボーカル・パート用のエフェクターとして使用できる。ボコーダー、オート・ピッチといったロボット・ボイスの演奏も可能だ。

音色選択やサウンド・メイクが簡単操作で行える。ボーカル・エフェクターを搭載しており、弾き語りやボーカル・パート用のエフェクターに使用できる

新たに搭載された8つのフレーズ・パッドでは、USBメモリーに保存されているオーディオ・サンプルや音楽ファイルが再生できる。効果音の再生や、PCで作り込まれたソング・ファイルの再生にも最適。JUNO-DSには、USB AUDIOインターフェース機能/MIDI コントロール機能を搭載。マイク入力からの信号をPCで録音できるほか、PCからのオーディオ信号をJUNO-DSのオーディオ・アウトプットから出力することもできる。

店舗で聞いてきた!

マイナビニュース編集部では、実際にJUNO-DSを取り扱っている都内の3店舗に取材した。

・黒澤楽器店 お茶の水駅前店 新館

最初に話を聞いたのは、黒澤楽器店 お茶の水駅前店 新館の武田憲さん。お茶の水界隈は、言わずと知れた学生街である。客層について、武田さんは「バンドでキーボードを担当することになったと相談しに来る学生さんが多いですね」と話す。JUNOユーザーに喜ばれているポイントについては、使いたい機能がフロントに出ている点を挙げる。「ユーザーインターフェースが分かりやすいので、初心者の方でも一見して、ああ使いやすそう、と思ってもらえます」と武田さん。

他社製品にはない魅力を聞くと、JUNOシリーズの歴史の長さを挙げた。「先輩の代から使っているので私も使いたい、という学生さんが多い。父親が使っていた、と話す方もいる。これがブランド力というやつですね。JUNOを買っておけば間違いありません、スマートフォンで言うところのiPhoneのような存在ですよ、と説明するとすぐに理解してもらえます」と笑顔に。

「JUNOシリーズはビギナー向けか、と言われるとそういうことでもない。良い楽器を使っている人も愛用している。だから、入門用のキーボードを探しているお客さんにも”モノが良いので長く使えますよ”とお薦めしています」と話していた。

様々なキーボード製品が所狭しと展示されている、黒澤楽器店 お茶の水駅前店 新館。駅からのアクセスのしやすさ、品揃えの多さではこの界隈でも有数と言えるだろう。手当たり次第に製品を弾き比べるもよし、親切なスタッフにニーズを伝えて絞り込んでもらうもよし。毎年たくさんの学生にキーボードの魅力を伝えている店舗だけあり、スタッフの製品説明は、初心者の筆者にもとても分かりやすいものだった。

黒澤楽器店 お茶の水駅前店 新館。お茶の水は楽器街であり、学生街でもある。店内には所狭しとキーボード製品が展示されていた。写真は販売スタッフの平井さん

・石橋楽器店 渋谷店

次に話を聞いたのは、石橋楽器店 渋谷店の山口風花さん。店舗でキーボードを購入するメリットについて「タッチの感触や音色が店頭で確認できることに加えて、周辺機器などのアイテムが来店時に購入できることですね」と話した。これは品揃えの良さに定評がある、同店舗ならではのメリットだろう。JUNO-DSに向いているジャンルについて聞くと「むしろジャンルが決まっていない、あるいは色んなジャンルの音楽をやりたい、という人に強くお薦めしたいです。JUNO-DSなら、色んなジャンルに対応できます」と紹介した。

JUNOシリーズのイメージについて聞くと、「操作性が良いので慣れるのに時間がかからない。音の抜けが良く、バンドの中では埋もれず、それでいて出しゃばり過ぎずに主張できます」と、自身の音楽経験を踏まえて解説した。また「JUNOシリーズは利用者が多いので、音作りや機能などで他人と共有できるのも魅力です。スタジオ、ライブハウスにも置かれているので、現場でも対処しやすいですね」とのこと。お気に入りの使い方については「プリインされているリズムを抽出してカスタマイズし、保存して組み合わせて、曲作りに利用しています」と話していた。

渋谷という土地柄もあり、初心者からプロまで老若男女が訪れるという石橋楽器店 渋谷店。外国人の来客の多さも特徴となっている。話を聞いたところによると、販売スタッフにはバンド経験者など強者が多い印象。それだけに、来店者の気持ちに寄り添った接客が期待できる。また最新モデルだけでなく、アンティークな電子楽器も販売するなど、取り扱うアイテムの多さにも定評がある。年配の来店者が「自分が学生の頃は、この楽器は高価で手が出なかった」などと、感慨深げに話していくこともよくあるとか。楽器好きの人なら、店内を回遊するだけで楽しい気持ちになれるだろう。

初心者からプロまで、老若男女が訪れる石橋楽器店 渋谷店。最新モデルはもちろんアンティークな電子楽器も販売、アイテムの多さに定評がある。写真は販売スタッフの山口さん

・池部楽器店 鍵盤堂

最後に話を聞いたのは、池部楽器店 鍵盤堂の安部純二さん。渋谷駅から徒歩3分と立地が抜群の同店舗には、男性のみならず女性も多く訪れるという。店舗で購入するメリットを聞くと、「キーボードには似た機種もありますが、カタログだけでは違いが分かりません。店舗なら専門スタッフがアドバイスできます」と安部さん。「JUNOシリーズはユーザーインターフェースが完成されています。ボタンの配列が圧倒的に分かりやすく、パッと見ただけで理解できるんです。店員も説明がしやすく、お客様にもすぐに納得してもらえます」と解説する。

JUNO-DSに向いているジャンルについて聞くと「例えば高校生なら、ポップス系をよく聞かれると思います。JUNO-DSなら色んな音色で弾けて、調整も簡単なので、そうした用途にも非常に適しています」と解説。お気に入りの機能については「音を重ねやすいので、2つの音色を混ぜ込んで厚みのある音も簡単に楽しめます。また、マイクと接続すればロボット・ボイスのような特殊な声を作れます。機械的に音程を変化させる機能ですね。是非、お友だちと一緒にワイワイ楽しんでいただければ」と話した。

池部楽器店 鍵盤堂が入るビルは、取り扱う楽器がフロアごとに分かれている。筆者が訪れたのは、ワンフロアすべてキーボードを扱う7階。JUNO-DSなど最新製品のほか、70年代の古き好きアメリカ映画に出てきそうな往年の銘機の復刻版、木彫の重厚なオルガン風の製品など、他の店舗では見たことがないハイセンスなキーボードも展示されていた。販売スタッフによれば、ガールズバンドを組んでいる女子高生もよく訪れるという。渋谷駅から徒歩3分の同店舗、渋谷に着いたらまず訪れたい。

渋谷駅から徒歩3分という好立地の池部楽器店 鍵盤堂。取り扱う楽器がフロアごとに分かれている。写真は販売スタッフの安部さん