マウスコンピューター展開するブランド「iiyama」から、新型液晶ディスプレイ「ProLite XUB3490WQSU」が発表された。色の再現性の高さと広視野角に特徴のあるAH-IPS方式パネルを採用しながらも、21:9という画面比率と、UW-QHD(3440×1440ドット)の解像度を実現したモデルだ。しかしこのウルトラワイドサイズは、クリエイティブな用途で活用できるものなのだろうか。
本稿では、マイナビニュースでも活躍するビジュアル制作会社「ビーフェイスクリエイティブ」のフォトグラファーである清水氏、同社でフォトレタッチを担当しているクリエイターの財津氏に「ProLite XUB3490WQSU」の使い勝手をチェックしてもらった。
「ProLite XUB3490WQSU」のスペックを確認
XUB3490WQSUは、3440×1440ドットの解像度を備えた34型のウルトラワイド液晶ディスプレイだ。画面比率は21:9と、現在主流となっている16:9に比べて画面領域が大きく横方向に広がる。その横方向への広がりは、映画館のスクリーンをイメージすれば分かりやすいだろう。解像度の高さと特殊な比率のみならず、色の再現性にもこだわりを見せる。AH-IPS方式の液晶パネルを採用し、約10億7,000万の表示色とsRGBカバー率100%を実現。また、視野角も上下左右178度と広い。AdobeRGB対応モデルほどではないものの、Webデザイナーやカメラマンの使用も想定された高画質志向の製品であることがわかる。
映像入力端子にはHDMI 2.0×1、HDMI×1、HDMI(MHL対応)×1、DisplayPort 1.2×1を搭載。ケーブル一本で3440×1440ドットの伝送が行える。さらにUSB3.0対応ハブを内蔵し、USB3.0×2(1基は急速充電に対応)、USB2.0×2を接続できるため、マウスやキーボード、ストレージなどのケーブルをディスプレイ周りに集約することが可能。3W×2のステレオスピーカーを内蔵し、HDMIやライン入力からの音声を直接再生できるのもポイントだ。
ディスプレイの右側面には、USB3.0に対応したハブが搭載されている。マウスやキーボード、スマートフォンの充電はもちろん、速度が要求されるストレージも快適に扱える |
5つの操作ボタンはフレームの右下に配置されている。物理ボタンとなっているため、確実な操作が可能だ |
また、PIP(ピクチャーインピクチャー)によって表示中の入力信号とは別の端子の映像を表示したり、PBP(ピクチャーバイピクチャー)機能による4画面並列表示、ドットバイドット表示にも対応し、入力信号をフレキシブルに表示が可能。そのほか、ちらつきを抑える「フリッカーフリーLEDバックライト」や、LEDバックライトの青色 波長を抑える「ブルーライトカット機能」など、眼精疲労を低減させる機能にも対応している。
これだけの機能を備えながらも実勢価格は12~13万円程度。iiyamaブランドらしい、コストパフォーマンスに優れた価格設定だ。
撮影現場でXUB3490WQSUを評価!
XUB3490WQSUを評価頂くにあたり、今回は清水氏に液晶ディスプレイを使用しながら人物撮影をお願いした。まずは写真を撮っていただきながら率直な感想を聞いていくことにしよう。
なお、ビーフェイスクリエイティブが普段使用しているディスプレイは、EIZOのハードウェア・キャリブレーション対応モデル。ハイエンド液晶ディスプレイを使用している両氏の目に、XUB3490WQSUはどのように映るのだろうか。