4Kディスプレイ6枚に8K×6Kの映像を出力するシステム
マイナビニュース:ひまわり8号の画像を表示させるシステムについて教えてください。
樋口氏:40インチ・4Kディスプレイを6枚用意し、マルチディスプレイを構築して表示させています。この環境で8K×6Kの動画を再生できるPCを、ユニットコム 法人営業部さんにお願いしました。稼働させてからまだ一度もシステムダウンしたことは無いですね。
■ カスタムワークステーション | |
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OS | Windows7 Professional 64bit SP1 |
CPU | Corei7-5930K |
メモリ | DDR4-32GB |
チップセット | X99 |
グラフィックスカード | Quadro4200 4GB x3枚 Quadro Sync(グラフィックス同期用) |
SSD | 500GB (システム用)、2TB(データ用 ストライピング) |
電源 | 1000W |
モニタ | 40インチ4K×6 |
スタンド | マルチモニタスタンド、VESAマウンタ |
サプライ | DPケーブル、セキュリティーワイヤ |
その他 | 現地搬入、設置・取付(電気工事、配線工事を含む) |
樋口氏:我々はこうして気象衛星を利用した研究をしていますが、衛星から送られてくる画像そのものをしっかり見ることは、実はあまりないのです。基本的にコンピュータの中で処理を行うため、こういう現象が確認できたときには、こういう処理を行えば、こういうデータが取れるだろうというアタリを付けるために画像を見たりするくらいなんです。みるとしても10枚、20枚程度で、100枚見たりすることはほとんどありません。ですので、これまではグラフィックス性能を全く重視していませんでした。PCを注文するときも「グラフィックスカードは映ればいい、オンボードでもいい、とにかく安いもので」という形で発注していました。
しかし11,000×11,000ピクセルの超高解像度画像を動画として、4Kディスプレイ6枚に映し出すためには、そんな環境では当然無理ですよね。そう思ってとりあえず自作のノリそのままに、NVIDIA GeForceの一番良いモデルなら動くだろうとグラフィックスカードを購入してきたのですが、無理でした。後日、GeForceはそういう目的の製品ではないことが露呈したわけですね(笑)。こちらのシステムは現在、研究センター入り口で4Kディスプレイ2枚を接続したデモ機に利用しています。
学術研究の場における要求にも柔軟に対応するユニットコム 法人営業部
マイナビニュース:最後にユニットコム 法人営業部を選んだ決め手とはなんでしょうか。
樋口氏:パーツの信頼性と小回りがきく対応、そしてなによりも見積もりの早さが決め手ですね。大学の研究室で購入を決める場合、大抵時間が無いものですから、見積もりをお願いしてその日のうちに返事が返ってくるという対応は非常に魅力的でした。また、インターネット上で新たなテクノロジーが登場した場合に、「これってどれくらいの金額で導入できるの?」と質問すると、すぐに返事が返ってくるのもありがたい所です。
我々の施設ではコンピュータのコストがかからないのも重要なのですけれども、運用するための電気代がバカになりませんので、プロセッサーのワンチップ化などには非常に興味があります。初期費用が多少高くついても、電気代が節約できればすぐにその費用をペイできるわけですね。ですので現在、電力効率の悪い機器は積極的に切り替えていこうという試みを行っています。ちなみに当センターでは電気代節約の一環としてソーラーシステムを導入しておりまして、サーバーなどへの電力供給に利用しています。こういった毎月常にかかるコストを低減させ、できるだけ研究に予算を割きたいのです。こういった技術についての情報は、今後ともぜひ積極的に教えて頂きたいですね。
マイナビニュース:今後、環境リモートセンシング研究センターで行っていく事業について教えてください。
樋口氏:私はひまわり8号のデータは「一粒で3度おいしい」と考えています。一つはひまわり8号の画像データで、これだけでも非常に価値が高いのですが、変換してあげると日射量などさまざまなデータとして活用できるのです。
また本来ひまわり8号では降水量は測定できないのですが、データを変換することで降水量に近いデータが取れそうだということが近年わかってきました。日本ではレーダーが完備されているので問題ありませんが、完備されていない国でも大まかな降水量を把握できるようになります。さらに近赤外線の反射のデータから、更新頻度の高いひまわり8号ならば、植物の活性度を測り、植物に関連するデータも取ることもできそうです。これが2つ目です。
そして3つ目として、上記の日射量や降水量などのデータを数値計算、つまりモデリングに持ってくることによって、より現実に近い予測データが取れるようになります。この数値計算を組み合わせることによって、これまで見えなかったものも見えてくるわけですから、がけ崩れが起きるかもしれないなどの判断材料が増えることになります。つまり、未来予測にも役立つというわけです。大震災のとき、過去のデータを見直してみるとたしかに兆候があったことは確認できるのですが、それは事後の確認でしかありませんでした。そんな緊急時に対応できるような、そんな使い方を目指して、今後も研究を続けていきたいと思っています。
(マイナビニュース広告企画:提供 ユニットコム)
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