歴代のXLシリーズ・Tモデルのスペックを比較検証!

2014年11月28日、ベンキューからフルHD24型液晶ディスプレイ「XL2430T」が発売された。"XL"シリーズの系譜に連なる製品だけあって、高い垂直リフレッシュレートと応答速度による残像の少ない画面表示や、柔軟な高さ調節、ピボット機能などの機能を継承している。また「XL2420T」から導入された、ディスプレイ本体に触れずにオンスクリーンディスプレイ(OSD)メニューを手元で素早く切り換えられる専用コントローラ「S.Switch」も健在だ。すでにゲームユーザーには定番中の定番製品となっている同シリーズだけに、その確かな実力は疑いようがない。

ベンキューの144Hz駆動ゲーマー向け24型フルHD液晶ディスプレイ「XL2430T」

しかし逆に言うと、"ゲーマー向け" としての主要な機能は、すでに搭載されており、製品としては成熟しているようにも思える。そのため、ゲーマー向けディスプレイを所有している人にとっては変化が見えにくいかもしれない。そこで今回は、ゲームの大会などでも幾度となく使用された前機種「XL2420T」と比較し、「XL2430T」の特長を確認していく。

一世代前の機種となる、ベンキューの「XL2420T」

仕様からみる「XL2430T」「XL2420T」「XL2410T」の液晶パネルの違い

まずはスペック表から液晶パネルの変更点を探っていこう。ゲーミングディスプレイとしてXLシリーズの名を世に知らしめた名機「XL2410T」から歴代スタンダードモデル3機種を並べると、以下のようになる。

スペック表:パネル

型番をみると「24型」という印象が強いが、実は初代のXL2410Tは23.6型と、正確には24型ではなかった。アスペクト比はいずれも16:9、解像度も1920×1080ドット(フルHD)であるため、小さな差ではあるが画素ピッチは初代が一番細かい。

パネルの駆動はTN(Twisted Nematic)方式。見る角度によって色合いが変わってしまう代わりに、低消費電力で輝度を上げることができ、また応答速度が速いのが特徴だ。応答速度についてはXL2430Tでは、わずかだが進化を遂げており、公称5ms(GTG 1ms)を実現している。

垂直リフレッシュレートはついに144Hzに対応した。XL2420Tのブラッシュアップモデル「XL2420TE」や廉価版モデル「XL2411T」ではすでに導入されていたが、XL2430Tでも同様に採用された形だ。それに伴い、「XL2420TE」などで採用された「フリッカーフリーバックライト」も導入されている。これはLEDバックライトのフリッカーを取り除くことで眼精疲労やそれに伴う頭痛などの症状を抑えてくれるというもので、プロゲーマーはもちろんのこと、一般ゲームユーザーからも非常に評価が高い。

便利な5系統入力はそのままにUSB3.0ハブやマイク入出力を追加

入出力端子の数は着実に増加している。XL2410TではまだDisplayPortが搭載されていなかったが、XL2420T以降ではDisplayPortの採用に加え、HDMIも2系統に増加している。PCのみならずコンシューマ向けゲーム機を接続しても余裕のある数となり、非常に使い勝手が良くなった。またXL2430Tでは、ヘッドフォン端子のみならずマイク端子も搭載するようになったため、ヘッドセットの接続をディスプレイに集約することが可能だ。さらにUSBハブはUSB3.0に対応したものに変更されており、別途3.0対応ハブを用意しなくても良い点がうれしい。

スペック表:入出力端子

背面の入出力端子(左がXL2430T、右がXL2420T)。映像入力端子は同じだが、XL2430TではUSBハブがUSB3.0に変更されている。また、背面のUSB端子が1基省かれた代わりにマイク出力端子が追加されていることがわかる。なお両モデルともMiniUSB端子は専用コントローラ「S.Switch」を接続するためのものだ

背面の電源コネクタの様子(左がXL2430T、右がXL2420T)。電源はともに内蔵されており、仕様も同じ。3Pタイプの電源ケーブルを接続する

ディスプレイの左側面の様子(左がXL2430T、右がXL2420T)。XL2430TではUSB端子が3.0に変更されているほか、マイク入力端子が追加されている。なお、USB3.0端子の上部に見える赤いボタンからはヘッドフォンハンガーが飛び出す

赤いボタンを押し、飛び出たところを引き出すとヘッドフォンハンガーに早変わりする。XL2420Tでは本体背面に用意されていたが、手の届きやすい位置に配置されたことにより、さらに気軽に利用可能となった