それでは最後に、ASUSとTSUKUMOの担当者に「エアロストリーム RM7J-Z61/E」が企画された背景やその魅力をインタビューしたいと思う。今回はASUS JAPANのPeter Chen氏と、TSUKUMOを運営するProject Whiteの森 秀範氏にお話を伺うことができたので、その模様をお伝えしよう。

Project Whiteの森 秀範氏(左)、ASUS JAPANのPeter Chen氏(右)

──TSUKUMOさんがASUS「R9280-DC2T-3GD5」を採用した経緯について教えてください

森氏:eX.computerシリーズではハイエンドモデルを中心にASUSさんのマザーボードを搭載したモデルを展開しています。これらのマザーボードを搭載したモデルは非常に安定しており、またユーザーさんからの評価も高いことが特徴です。こういったお付き合いの流れから、グラフィックスカードにASUSさんの製品を使ったモデルを作ろうという話が持ち上がりました。ハイエンドに匹敵するグラフィックスカードですので、「G-GEAR Neo」ブランドのASUS Z87マザーボード搭載モデル(GX7J-B61/ZE)でも無料アップグレードという形で「R9280-DC2T-3GD5」を展開させていただいております。コアなゲームユーザーの方にはこちらの「G-GEAR Neo」が一番のお勧めです。

──「RM7J-Z61/E」が「AeroStream」ブランドで発売されたのはなぜでしょうか

森氏:最近、「小型なんだけどパワフルなPCが欲しい」というニーズが非常に増えてきております。小型ゲーミングPCの企画は今まで何度もありました。しかし小型のケースにハイエンドなグラフィックスカードを搭載すると、どうしても気になるほどの騒音と発熱が生じてしまうため、弊社では採用してこなかったんです。特に「AeroStream」は、静音と冷却性能をフューチャーしたブランドですから、いくら冷却性能がしっかりしていても、音がうるさくてはブランドのコンセプトに反してしまうんですね。

森氏:しかし今回、ASUSさんから「DirectCU II」クーラーを搭載した「R9280-DC2T-3GD5」をBTOカスタマイズ用の製品として提案いただきました。その性能を検証したところ、性能の高さはもちろんのこと、とても静かに運用できることがわかったんです。「R9280-DC2T-3GD5」は、まさに我々がブランドとして求めているものと合致している製品だったわけですね。ですが弊社の「G-GEAR」には現在、小型のゲーミングPCラインナップがありません。そこで、「AeroStream」ブランドに幅を持たせる意味も踏まえて、スペシャルモデルという形で企画されたのが本製品「RM7J-Z61/E」です。

森氏:「AeroStream」ブランドで販売するからには、ゲーム以外の用途も踏まえて構成しなくてはいけません。家庭でこのようなPCを購入された場合、用途はゲームだけではありませんからね。例えば、お子さんを撮影した4K動画やRAW画像を編集するPCとしても役立てて欲しいと考えています。パワフルな用途では「G-GEAR」に譲るという「AeroStream」ブランドのイメージを覆したかった面もあったんですよね。強力なCPUやGPUを活かして、多方面で活躍できる万能なPCとして使用していただければうれしいです。

──それではASUSが「R9280-DC2T-3GD5」を提案した理由はどんなところにあったのでしょうか

Peter氏:ミドルレンジの定番グラフィックスカードといえば、NVIDIAさんの「GeForce GTX 760」ですね。こちらも非常に優れたGPUです。しかし「GeForce GTX 760」のワンランク上の性能を求めて「GTX 770」を選択すると、価格がとたんに大きく跳ね上がってしまうんですね。ですが「Radeon R9 280」ならば「GTX760」と同程度の価格帯にありながらも一段上の性能を備えていますから「GeForce GTX 760では物足りない、もう少し性能が欲しい」「でもコストアップが厳しい」というユーザーさんにマッチすると考えました。そこで、TSUKUMOさんに組み込み用として、この「R9280-DC2T-3GD5」を提案したんです。

──「R9280-DC2T-3GD5」の特徴について詳しく教えてください

Peter氏:リファレンスモデルとの一番の違いはCPUクーラーですね。弊社では「DirectCU II」と呼んでおり、アッパーミドルからハイエンドのGPUに採用しているものです。ちなみにこの「II」とは2番目という意味ではなく、ファンが二つ付いているから「II」です。ご覧のとおり、非常に太いヒートパイプを使用しています。この直径1cmのヒートパイプに加え、さらに反対側に4本のヒートパイプを搭載しておりまして、これらをGPUに直接密着させることで、リファレンスクーラーに比べ約20%高い冷却性能を実現できました。カードサイズは大きくなってしまいますが、そのぶん静かに、確実にGPUを冷却することができます。また、ユーザー意見を取り入れた部分もあります。PCI-Ex電源コネクタなどがそうですね。ビデオカードを拡張スロットに接続した状態でも抜き差ししやすいよう、コネクタの向きを反対にしています。

PCI-EX電源コネクタは、マザーボードに接続した状態でもつなぎやすいよう、ツメが上部を向いた設計になっている

Peter氏:ヒートパイプから放熱フィンに送られた熱は、2つのファンにより冷却されます。左右に形状の違うファンを搭載しておりまして、片方が「CoolTechファン」、もう片方が通常のファンのハイブリッド構造です。CoolTechファンは垂直に空気を吹き付けることで、従来のファンよりも効率よく熱を拡散させることができます。では両方このファンにすれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、強力なエアフローを持つCoolTechファンは2つ取り付けると互いに干渉し合ってしまい、効果が半減してしまうのです。そこで片方は通常のファンとし、より効率の良い冷却を実現しています。

グラフィックスカードに取り付けられた2基のファンはそれぞれ異なるエアフローを作り出しており、効率的にGPUを冷却する

Peter氏:冷却性能の向上に加え、カード本体には12フェーズのデジタル電源回路のほか、カスタムチョークコイル、カスタムコンデンサなどを採用しており、高寿命を実現しています。弊社で「Super Alloy Power」としてアピールしているものですね。本製品はグラフィックスカードの中でもTOPモデルに位置づけられる製品ですので、「Super Alloy Power」に該当するパーツを数多く使用しています。こういったパーツの組み合わせによって、より長く組み込んだ製品を使用していただけると考えております。また冷却や寿命に余裕が生まれていますので、その分動作クロックも引き上げており、リファレンスモデルより高寿命でありつつも、高い性能を発揮することが可能です。

「Super Alloy Power」について説明するPeter氏。TOPモデルとなる「R9280-DC2T-3GD5」にはその機能の多くが組み込まれている

──「RM7J-Z61/E」の特徴や、設計に苦労した点について教えてください

森氏:もともと大きめのグラフィックスカードも収まるように設計した筐体ですので、カードを取り付ける点では特に障害はありませんでした。問題はケーブルの取り回しですね。小さなケースの中で色々なケーブルを取り回さねばならず、ハイエンドグラフィックスカードを冷却するためのエアフローをいかに確保するかが課題となりました。

Peter氏:ケーブルの取り回しはすばらしいですね。私が組んだらこんなにきれいな配線はとてもできません。この辺り(フロントケースファン周辺)がぐちゃぐちゃになってしまうと思います(笑)。また、電源が非常にバランスよく感じます。無駄に大きな電源を積むと、結果として余計な電力を消費してしまいますから、適切な容量の電源を選定することは重要です。

「RM7J-Z61/E」のケーブルの取り回しを高く評価するPeter氏。狭い空間のなかできれいにまとめられるのは、長年の経験ゆえか

森氏:代理店さんとのお付き合いの中で今回の企画について話したところ、ぜひこの電源でいきましょうという話を持ちかけられて、採用が決まりました。電源は価格以上に優れた製品を使用できたと思っています。もちろんさらに上のクラスの製品を使えればモアベターではあるんですけれども、現在の価格を維持しつつも品質を保証できる製品だと感じましたので、こちらを採用しています。

──「RM7J-Z61/E」のBTOカスタマイズで人気の高いものはなんでしょうか

森氏:9割のお客様がSSDを追加しています。やはりSSDは快適度に直結しますからね。容量はまちまちですので、ご自分の環境に合わせたものを選択できてよかったのかなとも思っています。あとはCPUクーラーですね、半分以上の方が交換用のZALMAN製クーラーを選択されています。このPCをパワフルに使いたい方が、我々が思っていた以上に多いのでしょう。CPUクーラーはあとから換装するのが大変ですしね。あとは電源でしょうか、これは将来のアップグレードを見据えてのものでしょう。実は、ほとんど素の構成で購入されるお客様はいらっしゃいません。みなさん、なにかしらカスタマイズを行います。この製品の魅力が分かる方は、やはりこだわりをもったお客様なのでしょうね。

──今後もASUSさんとeX.computerのこういったコラボモデルは展開されますでしょうか

Peter氏:コメントに困りますね(笑)、もちろん展開したいと考えています。弊社ASUSでは、これまでコンシューマ向け製品の展開が多かったのですが、今後はより組み込み分野にも注力したいですね。エンドユーザーさんの声はもちろんのこと、TSUKUMOさんなどからの声もヒアリングし、それらをフィードバックした製品をこれからさらに提供していきたいと思います。

森氏:そうですね、弊社のポリシーとお客様が期待しているもの、それに加えてASUSさんの方針は、うまく合致していると思っていますので、今後もパートナーシップを持って望んでいきたいという点は変わりません。新しいテクノロジーをいち早く評価し、お客様が満足する形にブラッシュアップしたうえで提供していきたいと思います。どうぞ今後ともご期待ください。

──長い時間、ありがとうございました。今後の製品を期待しております。

ASUSとTSUKUMOの「ユーザー視点」によって生まれたスペシャルモデル

「エアロストリーム RM7J-Z61/E」は、ASUSからの提案から誕生したスペシャルモデルだった。一台の優れたパーツが、次第にPCという一台の製品として形作られていく過程は、パートナーシップあってのものだろう。ユーザー視点でのものづくりを忘れないASUSとTSUKUMOが企画する商品は、今後も要注目だ。

ビデオ・写真編集ソフトから、高負荷な最新ゲームまでをストレスなく動作させることができる性能を備えながらも、静音・超寿命を実現した「エアロストリーム RM7J-Z61/E」。これだけの製品が9万円台から購入できるのだから恐れ入る。限られたコストの中で最高のスペックを目指してユーザーが知識を振り絞っていたパーツ選定をTSUKUMOが代わりに行ってくれた、そんな印象を受ける一台だ。この夏、PCの新調を考えている方は、ぜひ一度BTOカスタマイズを試してみて欲しい。

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