加えて、サウンド用アナログ回路をメインのPCB層から分離するといったこだわりようだ。またハイエンドヘッドフォンの駆動に求められることが多い600Ωに対応した大容量のヘッドフォンアンプを搭載している点もうれしい。ゲームプレイ時に迫力のあるサウンドを楽しむことが出来るだろう。ちなみにギガバイトといえば定番のDual BIOSももちろん搭載、しかもUEFIに対応している。

最新オーディオチップ「Realtek ALC1150」を周囲のノイズ減からシールドで隔離しているのが確認できる。右に見えるのは600Ωのヘッドフォンにも対応した大容量アンプ

GIGABYTEといえばおなじみのDual BIOSも、UEFIに対応し進化した。うっかりBIOSを飛ばしてしまい、この機能に救われた方は多いだろう。その安心感は今も変わらない

専用ツールによってゲームに優先的に帯域を割り当て

本機の特徴は多々あれど、前述したとおりゲーミングモデルと呼ばれる理由はネットワークとサウンドにあるだろう。しかし、LANコントローラが変わったからといって本当にネットワークの速度に影響は出るのだろうか。今回はもう少しこのLANコントローラ「Qualcomm Atheros Killer E2201」の内容に迫ってみよう。

「GA-H97M-Gaming 3」に搭載された「Qualcomm Atheros Killer E2201」。幅3mmほどの小さなチップだ

Qualcomm Atheros Killer E2201のドライバをセットアップすると、専用のユーティリティソフト「Killer Network Manager」がインストールされ、Killer E2201の動作を司る。このソフトを始めて起動すると、まずネットワークスピードテストを実行するかどうかの質問がある。テストを行わずとも使用できるが、契約しているインターネットプロパイダの帯域幅を調べることで、より正確なパフォーマンスを発揮しやすくなるようだ。ユーティリティ上には「アプリケーション」、「ネットワーク」、「性能」、「キラーイーサネット」の4つのメインメニューが存在しており、アプリケーションの優先順位や使用頻度などを確認することが可能。このアプリケーションから主導で調整するだけでも、なかなか効き目がありそうだ。

専用ユーティリティソフト「Killer Network Manager」のメイン画面。アプリケーション、ネットワーク、性能、キラーイーサネットの4つのメニューがある

初回起動時には、ネットワークスピードテストを行うよう指示がある。少々日本語が変なところがあるのはご愛嬌といったところか

ネットワークスピードテストを開始すると、IPアドレスやプロパイダ情報が表示され、速度が測定行される。この結果を素に、Killer E2201は帯域調整を行う

メインメニューの1つから移動できる、アプリケーションページ。アプリケーションごとの帯域や優先度を確認できるほか、主導で割り当てを変更可能

ネットワーク速度のテストで分かる「Killer E2201」の実力

続いて、簡単にネットワークのベンチマークテストを行ってみることにしよう。比較対象として用意したのは、信頼性と省電力で人気の高いインテル製LANコントローラ「Intel Ethernet Connection I217-V」を搭載した「GA-Z87X-UD4H」と、低価格マザーボードでおなじみ、カニさんマークの「Realtek RTL8111F Ethernet Controller」を搭載した「GA-Z87-HD3」だ。

GA-Z87X-UD4H。Intel Ethernet Connection I217-Vが搭載される

GA-Z87-HD3。こちらにはRealtek RTL8111F Ethernet Controllerが

■ テスト環境
マザーボード GIGABYTE GA-H97M-Gaming 3
GIGABYTE GA-Z87X-UD4H
GIGABYTE GA-Z87-HD3
CPU Intel Core i7-4770K
メモリ PSD38G1600KH × 2
ストレージ OCZ SOLID3 120GB
OS Windows8.1 update 64bit版
NIC Qualcomm Atheros Killer E2201
Intel Ethernet Connection I217-V
Realtek RTL8111F Ethernet Controller

SiSoftwareの定番診断ツール「SANDRA2014」のネットワークの帯域を見てみたところ、比較対象2機種と比べて、はっきりとした違いが現れた、続いて、「LAN Speed Test」と「Jperf(iperf)」で、同一ネットワーク内にある別PCとの間の速度を確認。いずれのテストでも、Killer E2201の優位性がはっきりと現れており、これはなかなか意外な結果だ。実際にオンラインゲームをプレイした際の挙動に変化が訪れるかどうかはさておき、LANコントローラ自体の性能も高いと見て間違いないだろう。

■ Sandra 2014 ネットワークの帯域
E2201 (H97M-Gaming3) 4.098MB/秒
I217-V (Z87X-UD4H) 3.562MB/秒
RTL8111F (Z87-HD3) 3.541MB/秒
■ LAN Speed Test (Packet Size 100MB/Average)
Writing (Upload) Reading (Download)
E2201 (H97M-Gaming3) 556Mbps 584Mbps
I217V (Z87X-UD4H) 429Mbps 495Mbps
RTL8111F (Z87-HD3) 461Mbps 469Mbps
■ Jperf 2.0.2 (TCP window size: 8.00 KByte (default))
Transfer Bandwidth
E2201 (H97M-Gaming3) 1,255,952 KB 900,575 Kbit/s
I217V (Z87X-UD4H) 1,060,192 KB 868,546 Kbit/s
RTL8111F (Z87-HD3) 1,035,928 KB 848,244 Kbit/s

ネットワーク機能とサウンドにこだわった、無駄のないMicroATXマザー

一昔前のゲーミングマザーボードといえばオーバークロックに関する機能が目玉だったが、実はコアなゲーマーほど、オーバークロックはあまりやらない印象が強い。そんな時間があったらゲームをプレイするのがゲーマーだし、ゲームの安定性を下げてまで動作クロックをあげる意味など早々無いからだ。つまり、ゲーマーに必要なのはそれ以外の部分、ことマザーボードに限っては、LANやサウンドなどのオンボードデバイスの質に他ならない。つまり「GA-H97M-Gaming 3」は、必要な機能にコストが直結している、ムダの無いマザーボードといえるだろう。"定格クロックでの使用前提で、グラフィックスカードは一枚のみ、オンボードのNICとサウンドを利用する"という、極々一般的なPCゲーマーの方にぜひお勧めしたい一枚だ。

(マイナビニュース広告企画)

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