こだわりのユーザー心をしっかり掴むしかけは続々

サイコムの1つの特徴として、内部に組み付けたパーツ類の外装箱を同梱してくれるというものがある。送られてくる商品は当然、PCが2台は入りそうなほど大きな箱になる。この外装箱を邪魔だと思うならば、発注時に不要であることを伝えればシンプルに製品だけが届く仕組みだ。

「実際にはほとんどのお客様が箱つきを選択します。箱をつけることで類似品などではなく本物のパーツを使っているという証明にもなりますが、なにより嬉しいじゃないですか。こういう箱1つでも所有欲というのはあると思います」と山田氏。

山田氏自身も含め、サイコムのメンバーはほとんどがPCを好きだという。実際に自分でパーツを選んで自作してしまうような人の集まりだから、新しいパーツの取り入れや検証にも力が入るし、ちょっとしたユーザーのこだわりもよく理解してくれる。

「ケースなどオリジナルパーツも扱っていますが、最近だとOEMで作っているメモリが自慢ですね。オーバークロック品は使わない、ネイティブクロックのメジャーチップモジュールしか採用しません。」と山田氏は語る。

ネイティブクロックのメジャーチップモジュールにこだわって調達した、OEMのメモリ。スペックシートに現れない部分でも品質を追求している

質のよいパーツを選定するのはもちろん、パーツ同士の相性もきちんと検証する。規格上は組み合わせられるパーツでも、実際に組み付けてみると物理的に干渉して取り付けられないというようなこともあるのが自作PCの世界だ。しかし、サイコムはそういった検証を全て行った上でメニューを作成しており、合わないパーツはメニュー上でも組み合わせられないようになっているので安心だ。

ゲーム推奨構成機やMSI製ノートPCの扱いも開始

「一番人気のCPUはIntel Core i7-4770で、チップセットはZ87が人気です。半数以上が中級から上級のユーザーという印象ですね」と山田氏。一般的なPCメーカーとは求められているものが違うという印象だ。

しかし普通では手に入らないような特殊な構成のマシンを求めている人ばかりではない。高品質でハイスペックなPCは欲しいが、細かい部分まで自分で選択したいわけではない、という人もいるだろう。そういう人にとって選びやすい製品として、ゲーム推奨モデルも扱いはじめた。

「ここ2年くらい、市場的にもゲーム系のモデルが伸びてきていることを受けて扱うようになりました。こだわりつつ、安心して遊べるというマシンなのでかなり人気があります。ただ、国産ゲームよりも海外ゲーム推奨モデルの方が売れるあたりがサイコムらしさかもしれません」と山田氏は笑う。

サイコムの技術で作ったハイエンドなゲーム推奨モデルは、安心して遊べるこだわりのマシンとして人気だ

同じくハイエンドながらも選びやすいものとして、MSIのノートPCも扱いはじめた。さらにMSIとコラボレーションしたデスクトップPCなども用意し、人気が出ているという。

製品の幅が広がったことで多くのお客様に見ていただけるようになり、2013年度の業績はかなり好調だったという。

MSIのノートPCは、サイコムファンが選ぶのにふさわしいノートPCとして扱い中。デスクトップでもMSIとのコラボレーションを展開している

デュアル水冷やワークステーションも人気

もちろん、超ハイエンド嗜好のユーザーへのアプローチをやめてしまったわけではない。コアなユーザー向けに用意したものも多くあるのだが、特に最近注目されているのがGPUとCPUを共に水冷化した「デュアル水冷」構成と、ワークステーションだ。

「GPUの水冷化は予想以上に人気が出ました。水冷化されたものを購入してくるのではなく、グラフィックスカードと水冷ユニットを購入し、自社で組み上げています。世界的にも珍しい取り組みということで、最初は水冷ユニットを作っているASETEKからもあまりよい反応が得られなかったのですが、実際にやってみるとお客様から非常に注目されましたし、その成果でASETEKからも積極的な反応が得られるようになりました」と山田氏は語る。

4月にはGeForce GTX TITAN Blackを水冷化したモデルを発表したが、他にNVIDIA Teslaの水冷化なども行っている。「よく冷えるし、とても静かですから、大きな意義があります。しかし非常に高価格になってしまうのも事実です。それにもかかわらず、毎月かなりの数が出るのがすごいですよね」と山田氏。一般的なメーカーPCではとても登場しない構成を選ぶ人がいるというのも、さすがサイコムユーザーといった印象だ。

デュアル水冷を実現する、グラフィックスカードの水冷化を自社で行っている。世界的にもめずらしい取り組みだが、毎月意外な台数が売れるという

よりハイエンドを目指して、NVIDIA Teslaの水冷化などにも取り組んでいる

ワークステーションに関しては3DCGやCAD、映像編集といったプロフェッショナルユースの需要に向けてIntel Xeon E3等が搭載された構成を選択できるモデルを用意している。

「これまでもNVIDIA Quadroを選択できるなどワークステーションに匹敵する構成は選択できたのですが、改めてワークステーションに注力しています。特に今年はこの方向でやっていきたいですね」と山田氏は語った。

プロシューマー向けによりよい製品を提供

製品ラインアップを拡充することでユーザー層を広げてきたサイコムだが、メインターゲットとしているのは個人で非常に高度なPCの使い方をしている人々だ。

「ハイエンド嗜好のコンシューマーやゲーマーをターゲットにした機種も多く扱っていますが、今後は個人で仕事をしているクリエイターの方など、プロシューマーと呼ばれる人々に向けてワークステーション等を強化していきたいですね。そうした人々が求めるパフォーマンスに、パフォーマンスでしっかり応えるのがサイコムです」と語るのは、代表取締役の河野孝史氏だ。

事業規模はそれほど大きくないながらも、熱心なユーザーを多く抱え、彼らに正面から向き合って製品提供やサポートを展開してきた結果、インテル テクノロジー・プロバイダー・プログラムのプラチナパートナーとしての認定も受けた。

高品質でハイエンドなインテルCPU搭載PCを製造しているメーカーとして、サイコムはインテルテクノロジー・プロバイダー プラチナメンバー認定を受けている(参考:サイコム公式サイト)

Windows XPサポート終了を受けた乗り換え需要の高まりと、増税前の駆け込み購入が重なったことで2014年3月は過去最高の売り上げを記録。大きな波を乗り越えた上で、反省すべき点も見えてきたという。

「小さな通販のみのメーカーがこれほど支持していただけたのは、まだインターネット通販が怪しいものと見られていた時代から納期をしっかり守ってよい製品をお届けしてきたからこそと自負しています。しかし最近、それだけでは足りていないなという部分もわかってきました。そうした点は見直し、これからもよりよい製品をお届けできるようにしたいと考えています」と河野氏は力強く語った。

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