新サービスから海外展開まで。環境に合わせて進化を続けるジャックスの取り組み

野口氏:クレジット業界のリーディングカンパニーのひとつとして、株式会社ジャックスは新たなサービスや海外展開にも積極的に取り組んでおられるそうですが、新たな取り組みについて、特にアジアへの海外展開を中心にお聞かせください。

杉本氏:そうですね。新たな事業としては、たとえば、当社は家賃払いやプリペイドなど、多様な決済手段を持っていますので、現在はそれらを活かした新しい業務の開発にあたっています。すでに形になってきたものも多く、今後にぜひご注目いただければと思います。 海外展開に関しては、当社は2010年にベトナムに進出し、2012年にはインドネシアに進出しております。ベトナムやインドネシアは国民の平均年齢が20代と非常に若く、これから中間層が増えてくる国です。消費も日本の1950年代に似た状況にありますので、個人消費は、今後も大きく伸びていくでしょう。

当社は現地で、バイクを中心としたローンを提供していますが、日本のバイク販売台数は年間50万台を切っているのに対し、ベトナムは約300万台、インドネシアは多少の変動はあるものの約800万台という数字です。今後は日本で出てきたいわゆる「三種の神器」的――家電製品から、将来は自動車までカバーできたらと考えています。両国とも加速度的に経済成長していくと思いますので、可能性は十分あります。日本で60年間当社が培ってきました個別クレジットなどのノウハウを活かせば、それぞれの国の発展に貢献できるのではと思いますし、同時に当社も一緒に伸びる余地があると考えています。将来はカード事業も展開できるライセンスがありますので、包括クレジットでも進出していければよいと思っております。

野口氏:海外展開において、課題になることはあるのでしょうか?

杉本氏:もちろん課題はあります。たとえば日本では進んでいる個人信用情報がまだ未整備であったり、あっても完全ではなかったりというところが大きいですね。また決済手段に関しては、日本では口座振替が主流ですが、インドネシアは手作業で集金をしている部分が多くあり、入金のインフラがまだ整っていません。人海戦術的なところがありますので、このあたりの合理化も含め、対応すべき点は多く残っています。

野口氏:ベトナムとインドネシアについてお伺いしましたが、その後も海外展開を推進していこうとお考えでしょうか?

杉本氏:将来的にはより多くの国で事業を展開する可能性があります。ただヨーロッパや北米というよりも、やはり東南アジアが中心になると思いますので、他のアジア諸国についても検討中です。

ジャックスの海外展開の中心は、東南アジアなるだろうと杉本氏は語る

日本を元気に! 日本クレジット協会が今後果たすべき役割とは?

野口氏:杉本相談役は日本クレジット協会の副会長でもいらっしゃいますが、今後、日本クレジット協会の果たすべき役割はどのようなことだとお考えでしょうか?

杉本氏:日本経済の状況をふまえますと、なにより「日本を元気にする」ということが一番だと考えております。個人消費の伸びを後押しすることが重要ですし、消費も上がり、所得も上がり……という好循環を実現できるように、役割を果たしていきたいですね。

また、先ほどもお話ししましたように、日本はまだまだ現金社会ですから、クレジットカードだけでなく、デビットカードやプリペイドカードなどの決済手段も含め、カードの利用率を上げていかなければなりません。小額決済、公共料金支払いの拡充、中小小売業や地方の活性化など、そのなかで実現できる社会貢献も非常に大きなものと考えています。 2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、海外から日本に多くの観光客が訪れることが予想されています。海外の方がストレスなく、安心してクレジットカードでショッピングを楽しんでいただける場面を増やしていきたいですね。そのためにも、日本クレジット協会は、流通、運輸、観光等の各産業と協力して、インフラの整備をしていくことが重要だと考えています。

野口氏:2020年というのは、クレジット業界にとってひとつの大きな節目になるのですね。

杉本氏:そうですね。いい目標ができましたので、前向きにさまざまな挑戦をしていきたいと考えています。さらに、インターネット取引におけるカード決済が増えている中で、「なりすまし」などによる被害を防ぎ、いかに安心・安全な環境を整えるかということも大きな役割だと思っています。また、スマートフォン決済もスタートしておりますので、導入しやすい、というメリットを広げるだけでなく、加盟店管理も含め、同様に利用環境を整えていくことに尽力したいと思います。

協会がクレジットに関する広報や教育といった地道な活動もしっかり行い、消費者の方に安心して使っていただけるインフラを提供して、さらに消費が伸び、日本が元気になる、というシナリオを実現するために、私も微力ながら尽力していきたいと考えています。

野口氏:クレジット業界には、果たすべき役割が数多く存在することがわかりました。本日はお忙しいなか、誠にありがとうございました。

[PR]提供:日本クレジット協会