第一線で活躍するビジネスマンにとって、身だしなみ、たしなみとして、足元のマナーは一番大事にしたい。良い仕事は良い靴で決まるといっても過言ではないかもしれない。今回、日本人の足型を熟知したリーガルシューズの嵐正義店長と、サッカー解説者をはじめ幅広い分野でご活躍中のサッカー元日本代表・福西崇史氏という“足元”を生業とするお2人に、仕事と靴の関係について伺った。

日本人の靴と足型に精通したリーガルシューズ店長の嵐正義さんと、サッカー元日本代表の福西崇史氏。靴へのこだわりが強いお二人による対談がキックオフ!

第一線で活躍するビジネスマンにとって、身だしなみ、たしなみとして、足元のマナーは一番大事にしたい。良い仕事は良い靴で決まるといっても過言ではないかもしれない。今回、日本人の足型を熟知したリーガルシューズの嵐正義店長と、サッカー解説者をはじめ幅広い分野でご活躍中のサッカー元日本代表・福西崇史氏という“足元”を生業とするお2人に、仕事と靴の関係について伺った。

福西 崇史(ふくにし・たかし)氏プロフィール
1976年9月1日、愛媛県出身。サッカー元日本代表。新居浜工を卒業後、ジュビロ磐田に入団。日本屈指のボランチとして磐田の黄金時代を支える。2002年日韓W杯、2006年ドイツW杯に出場。FC東京、東京ヴェルディを経て2009年1月に現役を引退。Jリーグ出場349試合、国際Aマッチ出場64試合。2009年1月に現役引退を表明。現在はサッカー解説者をはじめ幅広い分野での活動も行っている。

いくらデザインが気入ってもそれだけでは絶対に買わない

嵐店長:福西さんは普段どんな靴を履かれていますか?

福西氏:普段はスニーカーが多いですが、仕事のときは革靴です。

嵐店長:革靴選びはどのように?

福西氏:とにかく“足にフィットする”というのが基本ですね。革靴だけでなく、スニーカーに関してもそれは変わりません。特に幅の広さ、前後の長さを重要視します。

嵐店長:選手時代に関してはいかがでしたか?

福西氏:走る、止まるという動きが多かったので、幅のフィット感、つま先の空き、そういうところに気を使いました。それと靴底からの突き上げ感みたいなものが気になりましたね。今、革靴を履くときもソールは気になります。革なのか、ゴムなのか、それによって履きごこちとか、デザインはどうなるかとか。

嵐店長:今ではインソールの開発も進んでいますが、つくりによって靴そのもののソールのクッション性が違いますからね。既製の革靴は、履いた人の足の形状に合うように、履いているうちに馴染んでいくようなつくりになっています。ただスポーツシューズの場合はしばらく履き込んで使うということが難しい。福西さんは反発性やクッション性など、土踏まずをはじめとした「足圧が掛かるところ」がぴったり合うという靴底の仕様を、より重要視されているのかなと思います。

福西氏:選手のときはすごく敏感だったので、その部分はかなりこだわりました。今でもかなり敏感で、少し足に当たる靴は、いくらデザインが気入っても絶対に買いません。こだわりというよりは、しょうがない部分ですね。

嵐店長:メディアに出るときの靴はご自分で選ばれるのですか?

福西氏:基本的には自分で選びます。スーツに合う、デザインが気に入る、それでいて足にフィットするものが、革靴選びの最低条件。立ち仕事が多いので、足に負担がかかりますし、立つ現場が多いときはインソールを入れて対応します。

嵐店長:ちなみにお気に入りの靴はどういうものですか?

福西氏:一番思い入れがあるものは、ロンドンオリンピックでイギリスに行ったときに、本場で買った英国の老舗ブランドの革靴。これはよく履きます。靴って履けば履くほど自分のものになりますし。

履く目的によって革選びが重要になる

嵐店長:福西さんは、革靴に対してどのようなこだわりをお持ちですか?

福西氏:履いていて楽なものですね。早めに馴染む革がいい。毎日革靴を履くわけではないので、馴染むのに時間が掛かる靴だと、母趾のアタリが痛くなったり、つま先が痺れてきたり、さまざまなトラブルがあるんです。

嵐店長:革靴の革って外側、いわゆるアッパーだけでなく、内側、底のつくり、かかと周り、つま先周り……それ全体を含めて足の形に馴染む。革の特質もありますが、馴染む一方で、弱くてはいけない部分もあります。履く目的によって革の選び方も重要になります。

福西氏:毎日履く人は強い革のものを好みますよね。僕は履きつぶすようなことはないので、革が柔らかい、足に馴染むものが好きなんです。

嵐店長:REGALは外を何時間も歩ける靴というルーツがあります。頑丈なソールを持っている靴は、上の素材も頑丈でなければ釣り合わない。革靴のルーツを辿ると、室内で履かれていたものと外で履かれていたものでは、つくりも成り立ちも違う。足馴染みのいいものは足の形に沿って作られており、それに合わせた甲革を使います。具体的にはドレッシーなデザインに多い、マッケイ製法で作られているものは比較的馴染みやすい。福西さんは、そういうものがお好みなのではないでしょうか。