独自の重複排除圧縮機能により、データ圧縮と処理時間の短縮に効果

さて仮想環境のバックアップでは、前述のような機能性や操作性に優れたソリューションが求められることをご理解いただけたであろう。ここから、ぜひ紹介したいのが、専業ベンダーとして地道に技術開発を続けているネットジャパンの仮想化バックアップソリューションだ。同社は、イメージング・バックアップソリューションの先駆け的な存在であり、多くの製品ラインナップをそろえている。

代表的なソリューションとして筆頭に挙げられるのが、稼動中のWindows/Linuxマシンを停止することなく、ディスク・イメージングによって、OS・アプリケーションを含むボリューム全体を確実かつ高速にバックアップできる「ActiveImage Protector 3.5 Virtual Edition」(以下、AIP)だ。これは前述のようにサーバのバックアップをベースにした製品で、対象サーバにインストールしてバックアップを取るものだ。佐藤氏は「たとえばVMware ESX(i)環境で複数のゲストOSがある場合などに導入し、ウィザード形式の簡単な設定により誰でもバックアップがとれます」と語る。

「ActiveImage Protector 3.5 Virtual Edition」の操作画面。ウィザード形式でバックアップの設定が可能

AIPで特筆すべき点は、独自開発した「重複排除圧縮機能」だ。「我々の重複排除圧縮機能は、イメージング・バックアップ製品として初めて、バックアップと同時にデータブロックの重複を排除できるものです。これによりバックアップ時にインラインで重複排除しながら圧縮イメージファイルを作成できるようになりました」(佐藤氏)。

この重複排除圧縮機能はデータ容量の圧縮にも、バックアップ/リストア時間の短縮にも絶大な効果を発揮する。たとえばWindows Server2008 R2の物理マシンで、約1TB(1024GB)を使用している仮想環境において、元サイズの半分以上(518GB)まで圧縮できる。さらに他社製品とバックアップ/リストア時間を比較すると以下の表のようにダントツの速さをはじき出している。

重複排除圧縮機能の計測結果(データの圧縮率、バックアップ/リストア時間の比較)

製品 圧縮設定 元サイズ イメージ
サイズ
圧縮率 バックアップ
時間
リストア
時間
A社 1024GB 703GB 68.7% 335分 127分
A社 最高+重複排除 1024GB 545GB 53.2% 2030分 127分
B社 1024GB 705GB 68.8% 352分 129分
AIP3.5 1024GB 729GB 71.2% 122分 60分
AIP3.5 重複排除圧縮 1024GB 518GB 50.6% 189分 96分

またシステム規模に関わらず、どのようなユーザーでも導入できるコスト面での配慮も見逃せないところ。従来のバックアップソフトは、物理環境を前提に稼動するOSごとにライセンス料が課せられることが一般的だった。そのためライセンス管理が複雑になり、ユーザーにも分かりづらく、結果的にコストの負担も大きいものになっていた。

「AIPのライセンス体系は非常にシンプルです。1ホストにつき1ライセンスで、無制限に利用できて19万8000円。かなり手ごろな価格です。しかもDR(ディザスタリカバリー)オプションなどの追加ライセンスも一切要りません」と佐藤氏。また、データセンターなどのクラウドサービスで便利なクラウドライセンス体系も採用。こちらも1ライセンス19万8000円で、クラウド上の仮想マシンで5台まで適用できる。