SSD「Samsung SSD 840 PRO」を標準搭載したMacbeth miniを試す

ここにきて、UASP対応のHDD/SSDケースが続々登場している。ここで取り上げるMac専門店「秋葉館」のMacbeth miniは、2.5インチ SATA HDD/SSDを格納するだけで、UASP/USB 3.0対応の高速な外付けストレージとして利用できる。FireWire 800×2ポートも装備し、バスパワー駆動も可能と、活用範囲は広い。

Samsung SSD 840 PRO

Macbeth miniは外付けHDD/SSDケースなので、搭載するHDD/SSDは別途用意する必要があるが、最初からSSDを内蔵した状態で販売されているモデルもある。しかも、内蔵SSDは「Samsung SSD 840 PRO」というハイエンド製品だ。Samsung SSD 840 PROは2012年10月に登場したSSDだが(およそ1年前だ)、現在でもその性能はまったく色あせていない。もともとエンタープライズ領域まで見据えて開発されたSSDなので、性能も信頼性もハイレベル。

Macbeth mini+Samsung SSD 840 PROモデルは、東京都・秋葉原のショップ「秋葉館」(および通販サイト)で購入できる。2013年11月時点での通販価格は、256GBモデルが30,690円、512MBモデルが51,580円だ。Samsung SSD 840 PROそのものの詳細なパフォーマンス検証などは、別記事『史上最速SSD登場 - 「Samsung SSD 840 PRO」の驚異的な性能を検証』を参照いただきたい。

もうThunderboltはいらない? UASP/USB 3.0で「外付けSSD」が爆速に

導入の効果は明らかだ。SSDを外付けディスクとして使うときには、SATA-USB変換アダプタの利用が一般的だろう。それをMacbeth mini経由で置き換えると、ファイルアクセス速度は確実に向上する。

MacBook Air(Mid 2013) / OS X 10.8.4でベンチマークソフト「Blackmagic Disk Speed Test」を使い、Macbeth mini+Samsung SSD 840 PRO(256GBモデル)と、一般的なSATA-USB 3.0変換アダプタ+Samsung SSD 840 PRO(256GBモデル)のパフォーマンスを調べてみた。SSDのSamsung SSD 840 PRO自体は同じものなので、UASP/USB 3.0対応のMacbeth miniと、USB 3.0だがUASP非対応のSATA-USB 3.0変換アダプタの差が分かる。

さて、Macbeth mini側はReadが412.0MB/sでWriteが359.9MB/s、SATA-USB 3.0変換アダプタ側はReadが176.0MB/s、Writeが167.7MB/sという結果になった。ここまでくると体感できる効果、といっていいだろう。

Macbeth MiniでSamsung SSD 840 PRO 256GBのアクセス速度を測定したところ(USB 3.0接続、UASP有効)

SATA-USB 3.0変換アダプタでSamsung SSD 840 PRO 256GBのアクセス速度を測定したところ(USB 3.0接続、UASP無効)

バックアップ速度も格段に向上する。例えば、iPhotoライブラリのようなバンドル型書類は、多数のファイルを内包しているのでバックアップには時間がかかりがち。今回のMacbeth mini+Samsung SSD 840 PROモデルを使うと、UASP対応のUSB 3.0接続という環境によって、ファイルオペレーション全般の速度が改善されるため、大幅な時間短縮が可能だ。実際、約10GBのiPhotoライブラリをMacbeth mini+Samsung SSD 840 PROへバックアップしてみると、SATA-USB 3.0変換アダプタ経由では1分15秒だったところが、Macbeth mini側では45.4秒まで短縮された。

約10GBあるiPhotoライブラリのバックアップに要する時間も、UASPの効果で30%以上短縮された

OSの起動ディスクに使うという手もある。システムのブート時は大量のファイルリードが実行されるため、ディスクアクセスが高速なほうが有利。実際、OS X MavericksをインストールしたSamsung SSD 840 PRO(256GB)から起動するテストを行ったところ、Macbeth mini経由が16.2秒、SATA-USB 3.0変換アダプタ経由が約37.4秒と、大差がついた。これからMavericksを導入する場合は、既存環境をアップグレードする前に外付けディスクへ新規インストールして試す、といった使い方でもUASP/USB 3.0の高速性が力を発揮しそうだ。

OS X Mavericksの外付け起動ディスクとしてMacbeth miniを利用したところ、SATA-USB 3.0変換アダプタと比較して大幅に起動時間を短縮できた

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