日本では8月上旬に発売されたSamsungの最新SSD「Samsung SSD 840 EVO」は、数々の特徴的な技術によって、SATA 3.0(6Gbps)対応の2.5インチSSDとして期待通りの性能を発揮している。純粋なパフォーマンスと技術については、以下の別記事を参照いただきたい。
■ 大進化した「Samsung SSD 840 EVO」の性能をがっつり検証 - TurboWriteとRAPID Modeの威力は絶大
■ Samsung新型2.5インチSSD「Samsung SSD 840 EVO」 - 高速化技術「TurboWrite」と「RAPID Mode」とは?
Samsung SSD 840 EVOはSATA 3.0(6Gbps)対応の2.5インチ7mm厚SSDということで、基本的にはPC内蔵用だが、持ち運びやすい外付けドライブとしても利用価値が高い。ベンチマークや活用例を挙げつつ、Samsung SSD 840 EVOの外付け利用を考えてみよう。
SSDでもHDDでも、PC内蔵用のSATAドライブを外付けで使うには、SATAから外付け用インタフェースへの変換アダプタやケーブル、またはSSD/HDDを収納して利用する外付けケースが必要となる。接続インタフェースは現状、USBの一択で問題ないだろう(対抗馬はThunderboltだと思うが、普及の度合いや価格を考えると積極的には選びにくい)。USBはバスパワー駆動できるので、電源も考えずに済む。現在はUSB 3.0がかなり一般的になったので、ここでもUSB 3.0を前提に進めていく。
Samsung SSD 840 EVOには「ノートパソコンキット」というパッケージがあり、「SATA-USB 3.0変換アダプタ」が含まれる。これはノートPCの標準HDDからSamsung SSD 840 EVOへと、システムを丸ごと以降して換装するための付属物だが(データ移行ソフトも付属)、Samsung SSD 840 EVOを外付けドライブとして使うためにも利用可能だ。
また、Samsung SSD 840 EVOのノートパソコンキットは、SSD容量が250GBと500GBの2モデルしかないものの、同梱のSATA-USB 3.0変換アダプタは別売オプションの「USB 3.0接続ポータブルSSDキット」として購入できる(2013年10月上旬発売予定)。Samsung SSD 840 EVOと付属ソフトで構成されるベーシックキットは、容量が120GB / 250GB / 500GB / 750GB / 1TBとそろっているので、いずれか製品と「USB 3.0接続ポータブルSSDキット」を買うのも手だ。
3種類の外付けストレージ、そのメリットとデメリット
ベンチマークに入る前に、USB 3.0接続で「持ち運べる外付けドライブ」について整理しておきたい。今回はSamsung SSD 840 EVO(2.5インチSATA SSD)の外付け利用がテーマだが、比較対象には外付けHDDとUSBメモリが挙げられる。読み書き速度や取り回しやすさを考えると、CDやDVDなどの光学メディアは除外してよいだろう。
まず外付けHDDだが、1TBやそれ以上の大容量モデルが豊富で、製品価格/容量単価が安い点がメリットだ。一方、衝撃や落下に注意して運用する必要があったり、本体サイズや重量など、持ち運びには少々不利なのがデメリットだろう。
USBメモリのメリットは、やはり軽量小型で持ち運びやすいこと。容量も数GBから数十GBまで製品数が豊富で、価格も非常に安くなっている。デメリットは、HDDやSSDほどの大容量モデルが少なく(128GBや256GB、512GBや1TBといったモデルも存在はするが、価格的にとても高くつく)、製品によって読み書き速度に大きな差があることだろう。遅いものは安く、速いものは高いのは当然として、その価格差はかなり大きい。
そしてSSDの外付け利用だが、第一のメリットには安定した高速性を挙げたい。高速タイプのUSBメモリと比べても、読み書き速度は大半のSSDのほうが頭一つ以上抜けている。また一概には言えないが、120GB / 128GBクラスで比較すると、高速タイプのUSBメモリよりSSDのほうが安い。SSDは物理的な可動部分がないので、外付けHDDのように衝撃や落下に気を配る必要がないのも利点だ。デメリットとしては、本体サイズがUSBメモリより大きいこと、SATA-USB 3.0変換アダプタ/ケーブル/外付けケースが必要なこと、製品価格/容量単価が外付けHDDより高いことなどだが、この辺りはユーザーのスタイルによって選択肢が変わってくるところだろう。