PASSANT Ex i7KGZ8NT SLI-W

6月にコードネーム「Haswell」(ハズウェル)こと第4世代Coreプロセッサー・ファミリーがリリースされ、1カ月以上が経過した。それに伴い、各PCメーカーからも第4世代Coreを採用した製品が続々と登場し、市場を賑わせている。ゲーミングPC分野に限ってみても、Haswellを採用した製品が盛況だ。ここで紹介するフェイスの「PASSANT Ex i7KGZ8NT SLI-W」も、そんなHaswellを採用したゲーミングPC。ただし、そんじょそこらのゲーミングPCとは一線も二線も画するマシンなのだ。

ゲーミングPCを知り尽くしたフェイスならではのパーツセレクト

まず外観をチェックしてみよう。PASSANT Ex i7KGZ8NT SLI-Wで採用されているPCケースは、CoolerMasterの「CM Storm Trooper」。フロントパネルは大胆な全面メッシュ構造で、左右両サイドにも広い面積のメッシュ窓が設けられている。前面の120mm×2基のファン、天面の200mmファン、背面の140mmファンとこのメッシュ構造で、強力なエアフローを生み出す仕組みだ。


フロントパネルのほとんどはメッシュ構造で、120mm×2基の吸気ファンが仕込まれている。背面には140mmファンを搭載。左右両側面にも大胆にメッシュ窓が施されている

また、特徴的なのがPCケース上部に設けられたキャリングハンドル。フルタワー型のPCケースは、そうおいそれとは持ち上げられるものではないが、つかみ所のないスクエアなPCケースに比べれば、このハンドルのおかげで格段に持ち上げやすい。また、このハンドルの付け根には、電源ボタンのほかファンコントローラーが備えられており、最大で4つのファンの回転数を調節可能。なお、この電源まわりのボタンと前面メッシュの奥に配された2基の吸気ファンはレッドに発光し、ゲームプレイの気分を盛り上げてくれる。ハイエンドパーツを効率的にクーリングする冷却機構と、ゲーマーの所有欲を満足させるデザイン……このPCケースはゲーミングPCに求められる要素をシッカリと抑えているのだ。

天面には200mmの大口径ファンを搭載。奥のほうに見えるのがキャリングハンドルだ。六角形に見えるのが電源ボタンで、その下がファンコントローラー。前面上部にはUSB3.0×2、USB2.0×2、eSATA、オーディオ入出力といった端子が用意される

試用機はマザーボードがG1.Sniper 5に換装されていた。ビビッドな黄緑のスロットが印象的だ

続いてマシンのべースとなるマザーボードをチェックしたい。PASSANT Ex i7KGZ8NT SLI-Wでは、ギガバイトの「GA-Z87X-UD3H」が標準パーツとなっている。なお、BTOメニューでカスタマイズが可能となっており、試用機のマザーボードも同じくギガバイトの「G1.Sniper 5」に換装されていた。このG1.Sniper 5は、ギガバイトがゲーミングPC向けに開発した1枚。ギガバイト製品の上位モデルで採用されるブラックコンデンサや同社独自の超高耐久設計思想「Ultra Durable 5 Plus」に準拠しているほか、ゲーマーのニーズを余すことなく満たす仕様となっている。

では、特にゲーミングPCを意識した箇所を列挙してみよう。まずは、PCIエクスプレスx16スロットが4基用意され、4way CrossFireや4Way SLI環境を構築できることが挙げられる。また、オーディオプロセッサー「Creative Sound Core3D」がオンボードで提供されていることにも注目したい。ゲームの臨場感を味わうには、滑らかなグラフィック表示はもちろんのこと、広がりのある3Dサウンドが欠かせない。別途サウンドボードを購入しなくてもクオリティの高い音響が得られるのは大きなアドバンテージだ。さらには、フロント音声出力用のヘッドホンアンプも搭載し、ヘッドホンでゲームやオーディオを楽しみたいユーザーのニーズにも応えている。


「Qualcomm Atheros Killer E2200」とインテルギガビットのデュアルLAN仕様になっていることも、このマザーボードの特徴だ。特に前者は、ネットワークのトラフィックに優先順位がつけられ、ゲームが占める帯域を削られたくないシビアなヘビーゲーマーに支持されている。もちろんゲームのためだけでなく、デュアルLANを異なるネットワークをつなげるゲートウェイにしたり、単純に帯域幅を広げるために使用したりと、活用範囲は多彩だ。

左はオーディオプロセッサーとなるCreative Sound Core3D。右はQualcomm Atheros Killer Network Manager

このように、PCケースとマザーボードだけみても、フェイスのゲーミングPCに対するセンスの良さが伺える。次ページでは、そのほかの基幹パーツに注目してみよう。