では、早速eX.computerの中でもビジネス用途に対応しやすい機種をチェックしてみよう。 今回ピックアップしたのはスリムタワー型の「エアロスリム」、コンパクトなデスクトップの「エアロミニ」、ノートPC型となる「eX.computer N156J」の3種類。それぞれに得意とする企業ニーズがある。

クライアントPCとしてスタンダードなスリムタワー

eX.computer エアロスリム

スタッフひとりひとりに支給され、オフィスドキュメントの閲覧・編集、メールの送受信、ウェブブラウジングといった一般的な業務をこなすクライアントPCとしてスタンダードなのが、スリムタワー型のデスクトップだろう。eX.computerシリーズの中では「エアロスリム」というシリーズ名で展開されている。

同シリーズの最大のメリットは、導入コストを低く抑えられる点だ。特に注目したいのは、AMDプラットフォームのAPUを採用した「RS5A-A43/E」。APUは高いグラフィック処理能力を内蔵したプロセッサーで、別途グラフィックボードを追加しなくてもHDビデオのデコードやエンコード、編集などが行える。それでいて最小構成価格49,980円~と優れたコストパフォーマンス実現しているのだ。大量のクライアントPCを一括導入する際に、この価格の低さが大きなアドバンテージになるだろう。


一方、スリムタワー型は、グラフィックボードを別途追加できるというのもメリットとなる。大画面・高解像度ディスプレイを利用する場合は、やはり高い描画能力を備えたPCのほうが快適に利用できる。特に複数のディスプレイと組み合わせる環境・事業所ならば、拡張グラフィックボードの処理能力を生かせる構成にしたい。最上位モデル「RS7J-E43/E」は、AMD Radeon HD 6570を搭載しており、より高解像度な映像や画像を処理する際に役立つ製品だ。

エアロスリムシリーズ全体の特徴として、トラブルを防ぐための工夫が随所に施されていることだ。それを象徴しているのが、防塵フィルター付きのパッシブダクト。少々のホコリがPC内部に侵入したからといって深刻なトラブルが生じるとは考えにくいが、大量のホコリが積もりに積もれば話は別。CPUクーラーのフィンの隙間にホコリが付着して冷却効果を低減させたり、ケーブルの隙間につまってエアフローを阻害してしまったりするおそれが生じる。防塵フィルターを装着することで、そうしたトラブルが生じにくくしているのだ。

  

エアロスリムの内部。ケーブル類がきれいにまとめられスッキリとしている。PCIエクスプレスx16スロットを備えており、グラフィックボードの追加も可能だ

防塵フィルター付きのパッシブダクトにより、ホコリが侵入しにくくなっている。なお、このフィルターは水で洗浄可能だ

eX.computerブランド全体にいえることだが、豊富なカスタマイズメニューが用意され、企業ニーズに合わせてマシンを構築できる。画像はエアロスリムのストレージ構成部分。数多くのHDDやSSDの選択肢があり、予算や用途に合わせてチョイスできる

究極の省スペースデスクトップで設置コストを抑制

eX.computer エアロミニ

エアロミニはeX.computerブランドの中で、もっとも小型なデスクトップPC。縦置きした際のフットプリントは幅112mm、奥行き260mmで済んでしまう。デスク上のスペースを効率よく利用したり、より大画面なディスプレイと組み合わせたりするときに有利になる。

エアロミニはコンパクトとはいっても、ハイパフォーマンスな構成に仕立てられるのが特徴だ。通常、これほどコンパクトなサイズになると、ストレージは1基しか内蔵できない。だが、エアロミニでは3.5インチデバイスのほかに、2.5インチデバイスの追加が可能。つまりSSD+HDDの構成が可能となる。SSDはHDDに比べ容量は少ないが、読み書き速度が高速なのがメリット。OSや各種プログラムをSSDにインストールすれば、素早く起動でき、効率よく作業が行える。オフィスドキュメントなどの各種は、大容量のHDDに保管しておけばよい。


HDDを内蔵するベイの上にネジ穴が見える。ここに2.5インチデバイスを追加する構造だ

また高速な演算処理を行えるデスクトップCPUにも対応している。最上位モデル「MI6J-D42/E」では、Core i7-3770K(3.5GHz、最大3.9GHz)を搭載しているが、このCPUは4コア8スレッドでの処理が行える。画像レンダリングなど、マルチスレッドが有利な作業で威力を発揮するのだ。

なお、エアロミニはコンパクトなためグラフィックボードの追加オプションは用意されていない。とはいえ「インテル HD 4000 グラフィックス」、または「インテル HD 2500 グラフィックス」を利用するので、HD画質での映像出力はなんら問題ない。むしろ、20インチ以上の大型液晶ディスプレイを組み合わせることで、ノートPCよりも大画面で作業できるだけでなく、マルチモニターにすれば、複数のアプリケーションを横に並べながら作業を同時進行できるため作業効率は劇的に向上するだろう。

排気ファンは上部に備えられている。対面方式のオフィスでは上面に排気されるので、対面に座る人が不快な思いをすることはない