人手もなければ、時間もない。ただひたすらに、PCに向かってカタカタカタカタ……と、設計どおりにプログラミングを続け、気づけば徹夜続き。IT業界ではこのような過酷な労働状況を、疲弊しきったエンジニアを兵士にたとえて、デスマーチ(死の行進)と呼んでいる。「戦場」とも言える現場では、納期に間に合わず手に負えなくなる「火を噴いたプロジェクト」も存在する。
プロジェクトの一時的な「火消し役」として採用!?
「あるIT企業に10年間勤めていたMさんの話です。職務経歴書を見ると、1ヶ月で辞めている会社がありました。話によれば、入社してすぐMさんにプロジェクトがアサインされたそうです。本当は3ヶ月前にスタートすべきだったプロジェクトが2ヶ月も放置されていたそうなんですね。それを入社早々任されたMさんは、なんとか納期に間に合わせようとしましたが、当初予定より着手が遅れている上に、要件定義の最初からやり直しをしなければならない状態だったそうです。関係部署にもスケジュールやプロジェクトゴールについて調整を相談してみたりもしましたが、営業としては納期厳守が大命題。結局Mさん一人ではどうにもならず1ヶ月でその会社を辞めることに。つまりMさんは、そのプロジェクトの一時的な「火消し役」として採用されたんです。」(藤田氏)
「火消し役」を派遣する企業が存在するほど、業界では需要がある様子。あなたも一時的な「火消し役」にならないためにも、相手がどういう企業なのか見定めることは大切だ。
賢く転職するなら、プロを味方にするしかない!
転職での恐怖話、いかがだっただろうか。きちんと計画性と実行力を持って転職活動を進めないと、満足のいく結果は得られないし、失敗して再度転職を検討しなければならないようなことにもなりかねない。藤田氏に、転職で失敗しないためにはどうすれば良いかアドバイスをいただいた。
働きながらの転職活動は「パートナー」としての紹介会社を活用すべし!
「まず、目に見えている求人だけが全てでないことを知っておいてください。企業は長いスパンで採用活動を行っていますので、その動向を捉えて、計画的に行動することが大切です。たとえば、人材紹介会社を利用すれば、業界全体の動向・見通しを知った上で、一般の転職サイトや求人広告を出していない企業を含め広い情報のなかで転職について検討することができます。本当に必要な情報は何か、そしてその情報はどこから得るのか、考えていただくのはご自身ですが、その材料や機会を見つけて求職者に提供してくれるのは、在職中で転職活動を進めたい方には大きな助けとなるはずです。たとえば「ありがちな転職トラブル」の二つ目にでてきたような、内定をもらってから意思決定まで3日しかないのに、第一志望の選考が1週間後に控えている、なんてことが起きるリスクを最小限にもできると思います。」(藤田氏)
転職のプロは、着実に夢に近づける方法を熟知している!
「人材紹介会社を利用する大きなメリットの一つは、現実的なキャリアアップの方法を示してくれる強い味方ができることです。
たとえば、以前私が担当したSさんの話です。Sさんはメインフレームの運用経験しかない方でしたが、最初の面談で、某大手企業X社のITコンサルタントになりたいとのこと。しかし、システム開発の経験もない人が、いきなりITコンサルタントになるのは、正直無理な話です。そこで中長期的なキャリアプランを描き、まずは中堅の開発会社T社で3年間実務経験を積み、その経験と実績を武器に、希望するITコンサルタントに挑むというシナリオを提案。
Sさんは納得して転職活動を行い、T社へ転職し、がむしゃらに仕事をして、その後2年ほどで夢見ていたX社へコンサルタントとしての転職を成功させたのです。X社の人事の方に話を聞くと、Sさんはトップクラスのスキルを持つ人材に成長していたとのことでした。このように、目的を持って正しい方法で計画的に転職をすれば、キャリアアップはいくらでも可能です」(藤田氏)
「今の仕事が不満だから」「そろそろ転職してみようか」と、軽い気持ちで転職を考えていては、今回のような恐怖体験を味わうことになってしまう。自分の人生にとって納得のいく選択をしたいのならば、転職のノウハウに精通し、客観的なアドバイスをしてくれる「転職のプロ」を利用するのも、成功への近道と言えるだろう。
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