■昔の面影も残しつつ品質面で信頼を築くASRock。その魅力を徹底解剖
【ハードウェア編】
【ソフトウェア編 第1回】
【ソフトウェア編 第2回】

今では各マザーボードメーカーがそれぞれ独自にバンドルしているオーバークロック(以下OC)ユーティリティのASRock版だ。OCだけでなく、OCに関連するステータス表示、ファン制御のほか、使用フェーズ数を切り替えることによる省電力設定や、先述のXFast RAM、後述のFatal1tyマウスコネクタという具合に、統合的なユーティリティとして仕上がっている。

順を追って機能を紹介していこう。まず最初の画面は「ハードウェアモニタ」だ。クロック、ファン&温度、電圧という3つのカテゴリに分かれ、各所のリアルタイムのデータをモニタリングできる。

                    
           

テキストベースのシンプルな表示なので戸惑うこと無く把握しやすいハードウェアモニタ

   

最上段にCPUとマザーボードと温度が表示されているので、これを確認しながら回転数を設定していけば、難しいファン設定でも、静音と冷却を両立できるだろう

   

3段目はオーバークロックで、クロックの調整はベースクロック「BCLK」とCPU倍率の2項目。そのほか、各種電圧を指定する項目が用意されている。UEFI BIOS内のOC関連項目ほど多くはないが、より重要な箇所をピックアップしたという印象だ。

OC設定を煮詰めていくなら基本的にはUEFI BIOSの方がよいが、一方でF-Streamからなら、多すぎる情報に惑わされることなく手軽にOCできる

4段目のFatal1tyマウスコネクタは、ポーリングレート設定のないスタンダードなマウスを使っても、ポーリングレートを設定できてしまうという機能だ。この機能を利用できるのはFatal1tyシリーズのマザーボードのみで、対応製品のバックパネルには、1箇所Fatal1tyマウスコネクタのシールが貼られている。利用可能なマウスは、USB 2.0ではないごく一般的なマウスで、それでも一部のマウス、一部のワイヤレスマウスはサポートされない可能性があるとのこと。また、Fatal1tyマウスコネクタにハブを介してつなぐ場合もサポートされないという。ただ、ゲーマー向けマウスは一般的に10,000円クラスになるため、Fatal1tyマウスコネクタで激安マウスが大化けすれば、大幅なコスト抑制が実現する。

Polling Rateという箇所のスライダーを指定して設定していく。APPLYボタンを押した後、下のエリアでマウスカーソルを動かせば、挙動の確認ができる

5段目のEnergy Savingは省電力機能設定。画面には大きなボタンがひとつあり、これをオンにすると、使用するCPUフェーズ数を負荷に応じて自動調節させることが可能になる。現在使用しているフェーズ数はその右のパネルに表示されており、例えばオフ時は8フェーズで固定されているが、オンにすると4~6~8と可変するようになる。Core iプロセッサー・ファミリーのCPUクロックは、低負荷な際には1GHz程度に抑え、高負荷時は3GHz超まで引き上がるとなどとてもダイナミック。それぞれ動作のために必要な電力は異なり、1GHz時は4フェーズ程度で賄うことでほかの4フェーズを休ませ、高負荷時には全部が参加することでCPUが求める大電力を安定して供給するというわけだ。

                    
           

デフォルトのオフ状態では8フェーズ使っている

   

オンにすることで、負荷に応じて使用するフェーズ数を自動的に可変させられるようになる

   

6段目は前章で説明したXFast RAM。このように、Fatal1ty F-Streamは、マザーボードのハードウェアを設定する統合ユーティリティだ。