あなたは、CMがどう作られるか知っているだろうか? 単に商品を売るためだけでなく、「人を楽しませたい!」そんな強い思いを込めてCMを作り続けているクリエイターがいる。昨年、広く社会の話題を集めた「スニッカーズ」のCMを作った本多正樹氏である。そんな彼がクリエイターを目指したきっかけや、CMプランニングを学ぶために入学した映像テクノアカデミアでの日々、この仕事につくための必須条件などを語ってくれた。クリエイターを目指すビジネスパーソンにとって「道しるべ」となる多くのキーワードと出会えるだろう。
もとは広告営業マン。専門学校で“クリエイティブ”をイチから学ぶ
本多正樹 |
大手広告代理店で営業職についていた本多さん。マーケティングやセールスプロモーションなど、広告営業としてCM制作に携わるうちに、「自分の手でCMを作りたい」と思うようになったと言う。しかし広告営業マンとして活躍していたものの、制作についてはまったくの素人。CMプランニングの基礎から学ぼうと、専門学校の門をたたいた。平日は仕事に明け暮れ、毎週土曜の午後には映像テクノアカデミアで講義を受ける日々。「当時はバブル末期でまだ仕事も多くて、帰宅はいつも深夜2時過ぎ。徹夜になる日もあったので、平日はとても通えませんでしたね。毎週必ず課題も出ていて、夜中や仕事の合間に喫茶店で企画を考えたりもしましたよ」
「理論立ててから、“飛ぶ”」映像テクノアカデミアでの学びが今の基盤に
映像テクノアカデミアでは、実際に第一線で活躍するクリエイターが講師として授業を受け持つ。そんな中で本多さんが最も影響を受け、今でもその教えを実践しているのが当時、電通のCDでCMプランナーとして活躍されてきた草川衛さんだと言う。 「草川さんには、企画の仕方というものをイチから教わりました。それは、『理論を突き詰めたうえで“飛ぶ”』ということ。CMとは、ただ表現したいという気持ちだけで作るものではなく、商品の魅力を伝えることこそが最大のミッションです。そういったCMプランニングの基礎を、映像テクノアカデミアで1年きっちり学びました」 その体験が今の自身の基盤になっていて、当時の授業で配布された草川さん自作のレジュメや草川さんが手掛けた作品は、今でも見返すことがあるそうだ。
最も印象に残るのは、クリエイターとして初めて手掛けた作品
専門学校を卒業後、実務経験がないながらも、クリエイター職を経験を問わず募集していた現在の会社へ転職を成功させた本多さん。30歳が分岐点となった。今やクリエイティブディレクターとなり、ロンドン国際広告賞やACC賞ゴールドなど、数多くの広告賞を受けている本多さんだが、最も印象に残っている仕事は意外にも「プロとして初めて作ったCM」だと言う。ドリトスというスナック菓子のCMで、海で遭難した人が浮輪代わりにしていたドリトスの袋を、空腹で我慢できずにあけてしまい、沈んでしまうというシニカルな笑いを誘う作品だ。「おぼれてしまうとわかっていても、袋をあけずにはいられないという商品特徴である”おいしさ”とそれに翻弄される人間の可笑しさを伝えたかった。12年も前の作品ですが、今でも鮮明に覚えています」
そして2011年に手掛けたのが、女優の沢尻エリカを起用した「スニッカーズ」のCM。サッカーをしていた仲間が空腹になり、不機嫌な沢尻エリカに変身してしまうというストーリーに衝撃を覚えた人も少なくないだろう。「あのCMではキャスティングが肝でした。『おなかが減ると自分じゃなくなる』というメッセージを伝えるために、誰をあてはめるか。出てきたらビックリするような人、面白いと思ってもらえる人を、と沢尻さんにお願いしたことが大きな話題性につながったと思っています」。どちらのCMを作るときにも考えたことは「どうやって商品のメッセージを伝え、さらにそのインパクトを強くするか」だと言う。
「CM制作って総合格闘技に似ていると思います。クリエイティブディレクターには、だいたいアートディレクター、コピーライター、CMプランナー出身の人がいますけど、なかでもCMプランナー出身の人は強いと思いますよ。言葉や映像、デザインのどれか一つじゃなくて、表現方法をたくさん知っていますから。その上で、いろんな要素を紡いで一つの作品としてパッケージする技術も持っている。CMプランナーにはそういう強みがあると思います」
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