このようにSamsung SSD 840ファミリーは、さまざまな先進的な技術が搭載されており、最新OSであるWindows 8との相性は抜群である。そこで、実際にWindows 8環境のノートPCのストレージをHDDからSSDに換装し、パフォーマンスを比べてみることにした。前述したように、Samsung SSD 840ファミリーは、長期間使い続けても性能が低下しにくいことも特徴である。そこで、長期間使用を想定したテストも行うことにした。検証には、富士通のノートPC、FMV LIFEBOOK AH77/D(以下AH77/D)を利用した。

Windows 8搭載ノートPCでパフォーマンス経過をベンチマーク

テスト方法は以下の通りだ。まず、AH77/DのHDDをフォーマットし、Windows 8 PRO 64ビット版をクリーンインストールした環境を用意し、この状態でOSの起動時間をストップウオッチで計測した。計測は5回行い、平均値を算出。また、PCMark 7の総合値であるPCMark scoreとストレージ性能を示すSystem storage scoreの計測、およびCrystalDiskMark 3.0.2cによる転送速度の計測も行った。

次に、ある程度HDDを使い込んだ状況にするために、デジカメ写真やメールフォルダなどの大小のデータを合計60GB程度、HDDに書き込み/削除を5回繰り返し、その間にOffice Professional 2010のインストール/アンインストールを5回繰り返した状態で、Windows 8インストール直後と同様に、OS起動時間の計測および、PCMark 7とCrystalDiskMark 3.0.2cによるベンチマークを行った。

加えて先ほどと同様に、大小あわせて合計60GB程度のデータを、HDDに書き込み/削除とOfice Professional 2010のインストール/アンインストールを5回ずつ繰り返す。再び、OS起動時間の計測、PCMark 7とCrysalDiskMark 3.0.2cによるベンチマークを行った。インストールしたアプリケーションをアンインストールしてから起動時間を計測しているが、ストレージの性能が低下していれば、起動時間にも影響を与えるはずだ。

HDDは使用時間の経過でパフォーマンス低下が大きい

結果は、まずOS起動時間の変化から見ていこう(グラフ1)。インストール直後の起動時間は12.1秒で、各所で言われているように、Windows 8の起動時間はかなり高速化されている。続いて、ある程度データの書き込み/削除を繰り返した後の起動時間は13.3秒、さらにデータの書き込み/削除を繰り返した後の起動時間は15.1秒に延びた。これでもまだ高速と言ってよいが、インストール直後の起動時間に対して25%ほど遅くなったことになり、やはり使用時間/期間とともに起動が遅くなっている傾向が見て取れる。

(グラフ1) Windows 8の起動時間

PCMark 7のPCMark scoreも、インストール直後は2849だったのに対し、ある程度データの書き込み/削除を繰り返した後は2798、さらにデータの書き込み/削除を繰り返した後は2731へと低下した(グラフ2)。同様にSystem storage scoreは、1566 → 1509 → 1460と下がっている(グラフ2)

(グラフ2) PCMark 7の結果

CrystalDiskMark 3.0.2cの結果もすべての項目にわたって、順次低下していることが分かる(グラフ3、グラフ4)。特に差が大きいのが、4K QD32ランダムリードの結果で(グラフ4)、インストール直後と比べると30%程度も性能が落ちる結果となった。

(グラフ3) CrystalDiskMark 3.0.2cの結果。シーケンシャルリード/ライト、512Kランダムリード/ライト

(グラフ4) CrystalDiskMark 3.0.2cの結果。4Kランダムリード/ライト、4K QD32ランダムリード/ライト

やはり、HDDは使い続けると、明らかに性能が低下していくのだ。もちろん、デフラグを行うことで、ある程度は元に戻すことはできるが、完全にインストール直後の快適さには戻らない。

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