システムトータルでのパフォーマンスも高い
SSD 840は、カタログでのトップスピードを追求するよりも、実使用環境における快適なパフォーマンスの実現を重視した製品だ。そこで、システムドライブをSSD 840として、想定されるシチュエーションでのシステムパフォーマンスを計測する「PCMark 7」を実行してみた。結果は下表にまとめた通りで、すべてのテスト項目でSSD 840がSSD 830を上回った。スコア差はわずかだが、SSD 840が実使用でのパフォーマンスを重視していることがよく分かる。
■ PCMark 7 | Samsung SSD 840 | Samsung SSD 830 |
---|---|---|
PCMark score | 5113 | 5108 |
Lightweight score | 5354 | 5343 |
Productivity score | 5101 | 5051 |
Creativity score | 5606 | 5603 |
Entertainment score | 4449 | 4427 |
Computation score | 5311 | 5289 |
System storage score | 5277 | 5244 |
また、「PCMark Vantage 64bit」のストレージ性能を計測するHDD Testsのスコアは、SSD 840が52,978なのに対し、SSD 830は49,915であり、6%ほどSSD 840が上回っている。シーケンシャルライトはSSD 830に及ばなくても、ランダムアクセスが高速なSSD 840は、実使用では、SSD 830を上回る快適さを実現できるといえるだろう。
SSDでは「突然死」は起きない
このようにSSD 840は、これまでの最速クラスであったSSD 830と比べても、実使用では同等以上のパフォーマンスを実現した高性能SSDである。TLC NANDフラッシュを採用したことで、250GBモデルの店頭予想価格は16,800円と、リーズナブルな価格を実現していることも魅力だ。コストパフォーマンスを重視する人には、特におすすめしたい製品だ。
TLC NANDフラッシュ採用ということで、信頼性を気にする人がいるかもしれないが、SSD 840は、SSD 830と同じ3年間の製品保証からも分かるように、通常の利用では十二分な信頼性と耐久性が確保されている。
また、SSDは原理的に、突然データが読めなくなるといった「突然死」が起こる可能性は非常に低い。HDDの場合、ヘッドなどの機械部分が物理的にクラッシュして、突如アクセスできなくなることがあるが、SSDは書き換え可能回数が保証されており、セルごとの書き換え回数をコントローラが管理しているため、残り寿命が分かるのだ。
今現在の書き換え回数は「S.M.A.R.T.情報」として知ることができるので、いわゆる「突然死」は起こらないのだ。万が一、書き換え可能回数の上限に達したとしても、そのデータを書き換えられなくなるだけで、読み出しは可能である。つまり、データが失われてしまう可能性は、HDDよりもSSDのほうが格段に低いのだ。
SSDが快適なことは知っていても、信頼性や耐久性が不安でSSDを使ってこなかった人もいるだろうが、サムスンのSSDは特に信頼性を重視しており、販売店やユーザーからの評価も高い。不良率が他社製品よりも一桁以上低いことも、品質の高さを物語っている。低価格かつ実使用でのパフォーマンスが高いSSD 840は、HDDからの乗り換えにも最適な製品といえるだろう。
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