ランダムライトのIOPSはSSD 830の4倍以上に達する
続いて、SSDに特化したベンチマークソフト「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」を利用して、より詳細なテストを行ってみた。転送速度の計測では、SSD 840 PROのシーケンシャルリードが513.20MB/s、シーケンシャルライトが495.55MB/sであるのに対し(図15-7)、SSD 830ではそれぞれ503.48MB/s、321.97MB/sとなった(図16-8)。
アクセスタイムは、SSD 840 PROのリードが0.062ms、ライトが0.059msであるのに対し、SSD 830のリードは0.069ms、ライトは0.065msと、やはりSSD 840 PROのほうがアクセスタイムも短かった。
IOPS(1秒当たりに処理できるI/Oアクセスの数)を比べると、4K-64ThrdでのSSD 840 PROのリードは95,552 IOPS、ライトは83,512 IOPSであるのに対し、SSD 830のリードは69,754 IOPS、ライトは20,121 IOPSと、ライトは4倍以上に向上している。IOPSは、ファイルの読み書きを頻繁に行う際の快適さを左右する指標であり、SSD 840 PROが実使用において、大きなアドバンテージを持っていることが分かる。
さらに、実使用に近いベンチである、ファイルコピー性能を見てみよう。AS SSD Benchmarkでは、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルの大量コピーを想定した「Program」、大きなファイルと小さなファイルが混在する場合を想定した「Game」という3種類のファイルコピーテストが用意されている。
SSD 840 PROの場合、ISOが362.03MB/s、Programが227.29MB/s、Gameが306.43MB/sという結果で、コピーにかかった時間はそれぞれ、2.97秒、6.19秒、4.51秒となった。SSD 830の場合は、ISOが284.67MB/s、Programが203.08MB/s、Gameが220.92MB/sという結果で、コピーにかかった時間はそれぞれ、3.77秒、6.93秒、6.25秒となった。
多数の細かなファイルをコピーするProgramでは、SSD 840 PROとSSD 830の性能差はそれほど大きくはないが、大きなファイルが含まれるコピーでは、コピー時間に1.3秒以上の差が生じている。
最後に、コンプレッションベンチマークを計測した。これは、まったくのランダムデータから同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータの構成を変えて転送速度を計測するテストだ。書き込み時にデータの圧縮を行っているSSDでは、グラフが右肩上がりの曲線となる。結果は下に示した通りで、圧縮しやすいデータと圧縮しにくいデータによらず、SSD 840 PROのリード速度とライト速度はほぼ一定である。SSD 830では、ライト速度のグラフが多少上下しているものの、やはり圧縮しやすいデータほど性能が上がるという、一種のごまかしは行われていない。
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