SSDのすべての領域において安定した性能を実現

次に、より詳しいディスクベンチマークソフトである「HD Tune Pro 5.00」を用いて、検証を行ってみた。まず、シーケンシャルリードとシーケンシャルライトの速度を計測した。HD Tune Proでは、ディスクの全域にわたるテストを行うことができる。例えば、HDDの場合、ディスクの外周のほうがパフォーマンスが高くなる。

結果は下に示した通りで、SSD 840 PROのシーケンシャルリードの性能は、全域にわたって高いレベルを維持していることが分かる(図5-5、図6-5)。平均転送速度は419.0MB/sで、最高は437.8MB/s、最低は414.5MB/sとぶれが少ない。SSD 830のシーケンシャルリード性能も安定しているが、25GBのあたりで階段状になっている。こちらの平均転送速度は404.2MB/sで、最高は412.1MB/s、最低は377.0MB/sだ。

(図5) Samsung SSD 840 PROのシーケンシャルリード速度

(図6) Samsung SSD 830のシーケンシャルリード速度

シーケンシャルライトについても挙動はほぼ同じで、さらに速度のぶれが少なくなっている(図7-6、図8-6)。サムスンのSSDは、すべての領域について安定した性能を実現しているので、安心して使い続けられると言ってよいだろう。

(図7) Samsung SSD 840 PROのシーケンシャルライト速度

(図8) Samsung SSD 830のシーケンシャルライト速度

ファイルベンチマークを計測したところ、SSD 840 PROのシーケンシャルリードは503,576KB/s、シーケンシャルライトは485,668KB/sとなり、こちらも非常に優秀な結果である。SSD 830では、シーケンシャルリードが439,931KB/s、シーケンシャルライトが335,235KB/sだったが、シーケンシャルリード性能を表すグラフの水色の線が時々落ち込んでいるのに対し、SSD 840 PROではそうした落ち込みは見られない。このあたりも、コントローラの進化およびファームウェアのチューニングが効いているのであろう。

(図9) Samsung SSD 840 PROのファイルベンチマーク結果

(図10) Samsung SSD 830のファイルベンチマーク結果

さらに、ランダムアクセス性能について見てみよう。まずランダムリードだが、SSD 840 PROは、転送サイズがランダムの場合、平均転送速度は471.295MB/sを記録しており、非常に高速だ。同じ条件でのSSD 830の平均転送速度は381.794MB/sであり、やはりランダムアクセス性能の伸びは大きい。ランダムライトでは、転送サイズがランダムの場合、SSD 840 PROの平均転送速度は469.336MB/s、SSD 830の平均転送速度は387.076MB/sとなり、やはり傾向は同じである。

(図11) Samsung SSD 840 PROのランダムリード結果

(図12) Samsung SSD 830のランダムリード結果

(図13) Samsung SSD 840 PROのランダムライト結果

(図14) Samsung SSD 830のランダムライト結果

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